精神科は開業をすれば年収が上がるのか
開業に関する最新情報は「ファイナンス視点で考える、失敗しない“開業”のススメ 第1回:データからみるクリニックと医師」をお読みください。
精神科医の必要性
医師の中でも精神科医は、ストレスやうつ病が社会問題となっている現在の日本には欠かせない診療科です。研究によると、生涯の中でうつ病になり、病院で治療が必要な患者の割合は、全国民の10人から15人に1人とも言われています。現代の複雑な社会の中では、今後も、そういった精神的疾患を専門的に治療する精神科医の必要性は増えていくことでしょう。
勤務医から開業医へ
精神科医の病院勤務の医師の場合は、緊急性の高い診療などがあまり無い分、他科の医師(外科や内科など)に比べ比較的過労などの問題は少ないようですが、その分患者の目に見えない部分を診る仕事ですので、精神科医自信が精神的に疲労することが多いようです。
特に、重い精神疾患にかかった患者の場合は、自殺してしまうようなケースもあるので、精神科医自身の心のケアにも十分注意が必要です。
精神科医に限らず他科の医師にも言えることですが、勤務医として病院で臨床を積んだ後は、開業医として活躍する医師が非常に多いです。開業医として成功すれば、当然大きな年収や、自身の研究にも身が入るので当然ですね。
特に精神科医の開業医は、他科に比べ高年収と言われています。(グラフにある通り、開業医の年収に関する調査で、眼科医に次ぐ手取り年収となっています)
精神科を開業する際に注意すべきこと
では、病院での精神科勤務医から、開業医を目指す場合に注意すべきことはなんでしょうか。
第一に、開業するための資金についてです。
開業するとなると、当然多額の資金が必要となります。精神科の場合、他科に比べ導入しなければいけない医療設備というのがあまり無いため、比較的安く開業できますが、それでも2000万円位は必要となります。手取りの収入も多めですが、その中から借入金を返済していきますので、場合によっては勤務医時代よりも手取り収入が減ってしまう、といったケースもありますので、注意しましょう。
第二に、精神科開業医の激しい開業競争があります。
統計からも分かる通り、精神科は非常に乱立してきています。それは先に述べたとおり、現代日本が必要としているという事情もありますが、新しく医師となり、収入や仕事の内容等を考慮して、精神科医を目指す医師が増えたことも要因の一つです。
精神科の開業医が多く存在するということは、開業した土地で患者の取り合いになるということです。患者の数は、そのまま年収に直結しますので、より患者との信頼関係を築く努力や、信頼される病院づくりを目指さなければなりません。
他にも精神科の開業医は、他科の医師に比べて、何かと仕事の内容や年収など収入に関して、バッシングを受ける対象になりやすい側面があります。これは、目に見えない部分を治療していくという、精神科の性質上、医師にしか分からない部分や、実際に苦しんでいる人にしか分かり得ない部分があるので、仕方のない事ですが、精神科としてより強い精神力が求められるでしょう。
開業までの準備期間を充実させるということ
いずれ精神科医として開業されることを目標にされる場合でも、それまでの間に出来る準備をしっかりと行う事が重要です。
開業資金をある程度準備するためには、相応の収入が必要となります。また、理想の精神科を開業するためには、いかに患者の心を掴み、信頼関係を築いていくか、仕事ぶりが尊敬できる医師の元で学ぶ必要があるでしょう。
もし現在勤務医として、満足できる病院や環境であるならば、そこでしっかりと将来設計を行い、開業に備えましょう。逆に現在の病院や環境、年収に不満があれば、より良い環境への転職というのも一つの大きな選択であり、開業へつながる準備となります。
開業は、いかに良いコンサルタントを選ぶかで決まってくるのと同様に、転職の際にも良いコンサルタント選ぶことで、今後の将来が大きく変わってきます。
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