内科で開業した場合の本当の年収とは
開業医の年収に関する最新情報は「医師が得する”お金”のハナシ 第11回 【2017年版】診療科別・医師の年収比較~給与の高い科目はここだ!」をご確認ください。
内科の勤務医と開業医
内科の勤務医の皆様は、自分の現在の待遇や年収をどのようにお考えでしょうか。
研修医のうちは、臨床経験を積むので精一杯かと思いますが、ある程度実力が伴ってくると、やはり意識するのは「開業」ではないでしょうか。
特に年収面で考えた場合、内科の開業医は勤務医に比べて非常に高年収であるという認識が一般的です。また待遇に関しても、一般病院の内科医の場合、当直などで非常に長い時間拘束を余儀なくされるなど、激務に追われることが多く、年収だけではなく、待遇なども含め開業医を目指す方が多いのが現状ではないでしょうか。
開業医は高年収であるという常識
実際に厚生労働省が発表している、医療経済実態報告書などでは、内科の開業医の収益は、内科勤務医の年収に比べ、約1.7倍あるというような報告がされています。これはメディアでも広く取り上げられ、一部メディアでは開業医に対する“バッシング”とも取れるような報道がありました。この影響もあってか、内科に限らず「勤務医は過酷で薄給」「開業医は楽で高給取り」というイメージが出来上がっています。
では、本当に内科の開業医は皆、勤務医に比べ年収も高く、好待遇なのでしょうか。
開業という名の賭け
現在医師の皆様は、当然これまで医学の勉強と研究を重ね、医師免許を取得し、日々努力されていると思います。しかし、これが開業となると、医師としての知識や技術とは全く違う、1人の経営者としてのスキルが必要となってきます。開業医と言っても、1人の経営者には違いないのです。
例えば内科医院を開設するための土地や建物の調査や考察。自営業になりますので、経理や税務等の知識。医療スタッフを雇用した場合はマネジメント能力やコミュニケーション能力など、必要とされるスキルは非常に多岐に渡ります。
また、当然多額の資金が必要となってきます。内科医院を開業する資金として、かなり安く見積もっても5000万円以上は必要となります。また、前述したいろいろと必要なスキルや作業を、外部のコンサルタントなどに一任するという手もありますが、その場合は当然ですが、更に資金が必要となります。
これらの資金を最初から捻出するのはかなり大変ですので、銀行などから融資を受けて開業される開業医がほとんどです。返済は当然年収の中からとなりますので、開業が軌道に乗り、年収が勤務医時代の何倍にも増えたとしても、実際に手元に残るのはそれほどでもないのです。
同じように拘束時間などについても、当直などのような勤務は無くなりますが、事情があって休診等をすれば、当然年収は減りますし、勤務医のように他の医師に変わってもらうということも出来ません。また、当然退職金もありませんので、この辺りは一概に開業医の待遇が良いとは言えない部分ではないでしょうか。
開業までの準備が一番大切
医師としてキャリアアップしていく上で、開業を目指し成功するというのは、ごく自然な考え方です。しかし、ここまで述べてきたように、開業したからと言って年収や待遇が劇的に良くなるというのは大きな間違いであり、内科医としてではなく、内科の開業を行う“経営者”としての成功が必要となります。
開業医になるまでの適切なステップ
内科の開業医としての成功を目指すのであれば、間違いなく準備や時間が必要です。稀に、開業してから何とかしていこうとする医師の方も相談にいらっしゃいますが、余程運が良くない限りは間違いなく失敗しますので、しっかりとした目標と計画、知識と経験を身につけてから開業をすることを株式会社メディウェルでは勧めております。
開業希望の方に特に人気であるステップは、クリニックへの実際の勤務です。
診療のやり方や経営、スタッフ管理の方法などを学ぶことの他に、開業への資金調達が目的となります。クリニック経営や診療のノウハウが学べる環境と、年収2000万円台(※)という開業資金を貯めるのに十分な資金の両方を得られる事が人気の高さの理由です。(※年収2000万円台=2019年7月現在 株式会社メディウェルの掲載中求人情報より)
まずはお試しに、という方は定期アルバイトから始められる方もいらっしゃいます。
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内科医として、今の病院や待遇、年収に納得がいかないこともあると思います。
そんな時は、是非焦った開業ではなく、転職という選択もあることを覚えておいてください。特に日本では内科医の需要が非常に高く、専門医科にもよりますが、概ね多くの地域で必要医師数に対して足りていないのが現状です。
内科医として働いていく選択肢は、勤務医か開業医の二択ではないのです。勤務医として経験を積むステージをしっかり選ぶというのも、開業に向けた非常に大切な準備になりますので、是非納得の行く環境で、内科医としての最大限の力を発揮して頂けることを願っています。
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