Chapter01
過酷な労働環境で、
キャリアをあきらめかけていた
皮膚科の先生がいました。
皮膚科の女性医師・A先生(29歳)は疲れきっていました。
卒業後、大学病院の皮膚科に2年、その後栃木の大学病院の皮膚科に2年勤務していたA先生。初めてお会いしたとき、「この1ヶ月で5キロ痩せた」と聞いて驚きました。
私は家電量販店での接客経験があり、面談の際にはまず自分のことを何でもお話しするようにしています。登録に来られた方に警戒心を解いていただきたいからです。
A先生も少しずつ、ご自分の過酷な勤務状況について教えてくださいました。週5.5日の勤務、月に7~8回の当直。職場で一番若いA先生にはさまざまな負荷がかかり、体調も崩されていました。
「英語の勉強でもしようかと思っています…」。医師のキャリアをあきらめかけるほど、A先生は心身ともに限界だったんです。

Chapter02
「同じ境遇の先生を知っています。会って話をしてみませんか?」
A先生の勤務経験は大学病院のみ、しかも5年目を迎えたばかりです。この若さで辞めるのは早すぎるし、将来を考えると危険ですらあります。
先々非常勤で復帰しようとしても、経験が浅く、体調不良で辞めた医師の受け入れ先は、簡単には見つからないでしょう。
まずは大学病院にとどまってほしい。そう考えた私は、以前入職をお手伝いした女性医師を思い出しました。
その方も5年目で、栃木で働いています。私にはできないアドバイスをしてくださるかもしれない。
異例のことですが、私は上司から承認をもらい、自分の立ちあいのもとで先生どうしを引き合わせました。
同じ境遇の方と話ができたA先生はかなり視界が晴れたようで、「大学病院を続けながら次を探します」と言ってくださいました。

栃木の病院も充実しています。
Chapter03
週4日勤務・当直なし。
「それでも入ってほしい」
という病院を紹介。
A先生の気持ちが落ち着いたところで、いよいよマッチングが始まりました。
A先生はとてもまじめな方なので、どんなに過酷な労働条件でも仕事にのめり込んでしまうようです。それでは体調を崩しても元に戻す余裕が持てず、今の苦労を繰り返すことになります。
そこで「週4日勤務・当直なし」という条件で受け入れ先を探したところ、皮膚科の先生が週1日非常勤で入っている病院が見つかりました。A先生が入職すれば、皮膚科が週4日になって外来が増えます。外来が増えれば他の科にも広がるし、入院患者の皮膚治療の補助にもなる。病院にとって必要な医師であることをお伝えしたら、病院側もOKしてくださいました。
初めてお会いしてから約5ヶ月後、A先生は新しい環境に入職されました。

Chapter04
頑張っているすべての先生に、
その人らしい「新しい頑張り方」を
提案したい。
私との面談を重ねるうちに、A先生はご自分の家庭環境についても教えてくださいました。
明確なビジョンをお持ちだったお父様のこと。お父様のアドバイスで医師の道を選んだこと。
大学病院で初めてつまずき、どう頑張ればいいかわからなくなってしまったこと――。
でも頑張り方は一つだけではないし、その時々の人生の局面に合った頑張り方があるはずです。
私はこれからも医師のみなさんに、新しい頑張り方を提案していきたいと考えています。
医師の頑張り方に幅ができると、いかに病院にメリットをもたらすかは、A先生の入職を見てもわかります。そして病院が良くなれば、地域全体への貢献につながるはずです。
私はこれからも、医師一人ひとりと向きあい、その人らしい頑張り方を提案していきます。

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