Chapter01
放射線科の先生が漠然と求めていた
「QOLの充実」とは何か。
放射線科の医師・C先生には、はっきりした転職理由がありませんでした。
中学生のお子様がいらっしゃるC先生は、当時500~600床ほどの三次救急施設に勤務していました。
1日4枚のペースで撮影し、ときには読影レポートを翌朝までに出す毎日。私は事前に放射線科の知り合いに話を聞いておいたのですが、そこで得た情報に照らしあわせると、C先生の働き方はややキツそうです。でも思い詰めている様子はない。
むしろ「健診のように、キツくはないけどシステマチックな仕事はしたくない」と語るC先生。これではマッチングの手がかりが見つかりません。そこで質問をどんどん掘り下げていくと、C先生から「QOLを充実させたい」という話が出てきました。
お子様のことが気がかりだったのでしょう。

Chapter02
行きたがらなかった検診をあえて
紹介したのには、理由があります。
私はC先生に医療機関を2つ紹介しました。
1つ目は二次救急施設で、C先生いわく「良くも悪くもない」。
2つ目は、勤務時間が短く読影の枚数も少ない画像診断専門のクリニック。
実務については好感触でしたが、土・日の出勤がネックでした。お子様はもちろん、公務員で土・日が休みの旦那様ともゆっくり過ごせません。そこで私は考えを180度転換し、「健診に行きませんか?」と提案しました。
春・秋の繁忙期でも残業はまずないし、休みはしっかりとれるはずです。実務については読影のスキルが活かせます。ご家族がいて、コミュニケーション能力をお持ちのC先生なら、受診者からクレームが出ることはないでしょう。
C先生の希望を突き詰めていくと、実は健診こそ希望がかなう職場だったのです。

想定していなかった選択肢も、
きっと見つかります。
Chapter03
先生のスキルや人柄を見て、
クリニックも融通を
利かせてくれました。
そこで私はC先生に、透析と健診の二本柱で経営しているクリニックを紹介しました。
以前、国立大学にお勤めだった方を紹介した実績があり、その後も良好な関係を築いていたクリニックです。
放射線科医であり、人当たりの良いC先生の存在は、健診に力を入れようとしている院長を動かしました。
クリニックは土・日もやっていましが、C先生は休みでOK。週4日の勤務で残業はゼロにもかかわらず、給与面である程度優遇してくださるなど、融通を利かせてくれたのです。
通勤も最寄り駅から一本で行けるので楽になり、ご家族との時間が増えたと喜んでくださいます。
健診に対するネガティブなイメージを払しょくし、C先生にとっても病院にとってもメリットになる形でマッチングできたことは、大きな達成感となりました。

Chapter04
ベストではなくベターな選択が、
先生・病院双方にとって
メリットになるんです。
私は入社当時、医師の希望に寄り添おうと頑張りました。
しかしなかなか受け入れ先が見つからない。募集要件を吟味すれば、医師と医療機関の接点が生まれることがわかっていなかったのです。でも今は違います。
「医師にとってのベストな選択」ではなく「医師・医療機関双方にとってのベターな選択」を見つけ出し、提案しています。
C先生のマッチングで、改めてその大切さを実感しました。
C先生とは今でもお付き合いがあり、ときどき食事に誘っていただきます。食事中の何気ない会話から、C先生が、入職先で充実した毎日を送っていらっしゃることが伝わってくるのです。
その様子を見るたび、私はこれからも双方にベターな選択を提案できる、介在価値の高いコンサルタントでありたいと感じます。

あなたのお役に立てる提案がしたいから。