医師のアルバイト(非常勤)勤務に関する1,702名のアンケート調査結果

医師は常勤先とは別の医療機関でアルバイト(非常勤)で勤務することが一般的になっています。特に大学病院などでは常勤先での収入が少ない分、アルバイトが主要な収入源となる場合もあります。

医師のアルバイト勤務の現状はどのようになっているのでしょうか?2023年4月に実施した医師1,702名のアンケート結果を見ていきます。

 

医師のアルバイト(非常勤)勤務に関する1,702名のアンケート調査結果


 

アルバイト(非常勤)をする医師の割合は7割以上

今回調査した医師のうちアルバイト(非常勤)をしている割合は下図のようになりました。


アルバイト(非常勤)をしている医師の割合

「している」が75%、「していない」が25%と7割以上、実に3/4の医師がアルバイトをしている状況となっています。

医師のアルバイトでの収入はどれぐらい?

医師のアルバイト勤務での収入については下表のようになっていました。


医師のアルバイト勤務での収入

「年200万円未満」が22.7%と最も多いですが、「年200万以上400万円未満」と「年400万円以上600万円未満」も同程度に多くなっています。中央値での医師のアルバイト収入は年500万円となっています。また、年1,000万円以上の医師も16.6%いました。

こうしてみると、やはり多くの医師にとってアルバイトは重要な収入源になっているといえます。

医師がアルバイト(非常勤)をする理由は収入だけじゃない?

アルバイト(非常勤)勤務をしている医師に対して、その理由を選択式で質問したところ、結果は下表のようになりました(複数回答)。


医師がアルバイト(非常勤)をする理由

「収入の確保・増加」が88.8%と最も多い結果となっています。他には「スキルの維持・研鑽」(33.5%)や「医局や勤務先・知人からの要請」(24.4%)なども比較的多くなっており、一定数の医師は収入以外の理由も合わせてアルバイト(非常勤)勤務をしていることが読み取れます。

その他の理由としては以下のような回答がありました(一部紹介)。

    • 産業医の実績づくり(50代男性、腎臓内科)
    • 臨床以外の場での専門性の活用(40代男性、精神科)
    • 以前勤務していた病院の患者さんの経過観察のため(60代男性、整形外科)
    • 子育てのため、非常勤メインとしました(40代女性、一般内科)
    • 常勤先決定まで時間潰し(40代男性、美容)

医師はいつアルバイトしている?

医師はいつアルバイト(非常勤)勤務をしているのでしょうか?その頻度と勤務時間帯についてそれぞれ質問したところ、以下のようになりました。

アルバイト勤務の頻度


医師のアルバイト勤務の頻度

医師のアルバイト勤務の頻度では週1日以上2日未満が43%と最も多くなっています。また、中央値は週1日、平均値では週1.6日となっていました。

アルバイト勤務の時間帯


医師のアルバイト勤務の時間帯

医師のアルバイト勤務の時間帯では、平日の日中(午前)が67%と最も多く、次いで平日の日中(午後)が58%と多い状況です。

頻度と時間帯を合わせると、医師では平日の日中に1日アルバイト勤務をするという働き方が多くなっていると考えられます。

医師のアルバイト勤務での仕事内容

アルバイトで医師が実施している仕事内容はどういったものが多いのでしょうか?医師からの回答結果は下表のようになりました。


医師のアルバイトでの仕事内容

「外来」が62.1%と最も多く、次いで「病棟管理」が29.3%、「健診」が20.8%と多い結果となっています。

その他の仕事内容としては以下のようなものが挙げられました(一部紹介)。

    • 学校医・園医(60代男性、小児科)
    • 待機業務(40代男性、美容)
    • 献血の問診(50代男性、小児科)
    • 美容医療の問診(50代女性、皮膚科)
    • 臨床教育(50代男性、一般内科)

定期アルバイト(非常勤)とスポットアルバイト、どちらが多い?

医師のアルバイトには、固定の時間帯で継続して勤務する定期アルバイト(非常勤)と、1日単位で契約して勤務するスポット(単発)アルバイトの2つの勤務形態がありますが、どちらの方が多いのでしょうか?

医師に質問した結果は下図のようになっています。


医師のアルバイトにおける定期・スポットの内訳

「定期のみ」が46%と最も多く、次いで「スポット・定期両方」が38%と多くなっています。一方で「スポットのみ」の医師は16%となっていました。

定期で勤務するメリット

医師がスポットでなく定期で勤務することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?自由回答では以下のメリットが挙げられました(一部紹介)。

    • 安定した収入が得られる

    • 安定した収入が得られる。 (50代男性、一般内科)
    • 募集が少ない時期も安定した報酬が確保出来る。 (40代女性、一般内科)
    • フリーランスで、ある程度の収入を確実に得られる (50代男性、一般内科)
    • 安定して収入が得られる (30代女性、美容)
    • スポットより確実に勤務できる (30代男性、消化器外科)
    • 毎回探す手間が省ける

    • 毎回探さなくていい (40代男性、腎臓内科)
    • いちいち探す手間が省ける (40代男性、循環器内科)
    • 毎回仕事を探さなくてもすむ。収入が安定する。 (30代男性、老年内科)
    • 探す手間が省ける。 (40代男性、産婦人科)
    • 毎度毎度探す手間が省ける (30代男性、消化器外科)
    • 予定がわかりやすい

    • 毎度のやり取りが不要、予定がわかりやすい (30代男性、腎臓内科)
    • スケジュールが立てやすい (50代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 勤務日が固定していて予定が立てやすい (40代男性、消化器外科)
    • 予定を立てやすい (30代女性、皮膚科)
    • スケジュールが固定されるので、空き時間が作れること (60代男性、循環器内科)
    • 人間関係を築ける

    • 患者さんからの信頼が得られる (50代男性、整形外科)
    • スタッフにも顔を覚えてもらえるため、融通が利きやすいし、精神的に楽。 (30代男性、皮膚科)
    • スタッフとしっかりした関係性が築ける。患者さんをしっかり管理できる。 (60代男性、人工透析科)
    • 人間関係が築きやすい (30代男性、精神科)
    • スタッフとの連携が取れて働きやすい (40代女性、心臓血管外科)
    • 勤務先の環境に慣れるため仕事しやすい

    • 常に同じシステムで使いやすい (30代男性、皮膚科)
    • 慣れがあるので精神的なストレスは少ない (30代男性、消化器内科)
    • 職場の人間関係が把握できていて手順もわかっている (30代女性、健診・人間ドック)
    • 安定した収入が得られる。慣れてくると診療がスムーズになる。 (50代男性、耳鼻咽喉科)
    • 電子カルテや病院の体制、スタッフなどに慣れているので働きやすい (30代女性、一般内科)
    • その他

    • 院内の状況が把握できる(転職病院の候補として) (50代男性、消化器内科)
    • 同じ患者さんを継続的に診ることで精神科医に必須のスキル、コミュニケーション能力を維持・改善できている。 (50代男性、精神科)
    • スキル習得目的の場合、安定した機会が持てる点。 (30代女性、一般内科)
    • 生活のリズムが保てる (60代男性、消化器外科)
    • 勤務先が固定されるので交通の下調べを毎回しなくて済む、スタッフとの繋がりが出来て仕事がし易い、閑散期でも安定した収入が得られるなど色々なメリットがあります。 (40代女性、一般内科)

スポットで勤務するメリット

逆に医師が定期でなくスポットでアルバイトをすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?自由回答では以下のものが寄せられました(一部紹介)。

    • 空いた時間を有効活用できる

    • 空き時間の有効活用 (50代男性、消化器内科)
    • 祝日・年末年始・お盆休み・ゴールデンウイークを有効に使える。 (60代男性、皮膚科)
    • 自分のスケジュールのあいたときに仕事ができる (50代男性、小児科)
    • 空いた時間を活用できる。いつもと違うところへ行ける。 (40代男性、消化器外科)
    • 空いている日に必要としている病院を手伝いに行けること (50代女性、麻酔科)
    • 時間の融通がきく

    • 私用がある時に気を遣わず休める (30代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 勤務日を固定されないので、行事や学会への参加が容易 (50代女性、婦人科)
    • 定期だと当直が入った時にキャンセルしないといけないのが気が重いがスポットは確実に空いておる日に入れるのが良い (20代女性、麻酔科)
    • 勤務したい時だけできる (30代男性、消化器外科)
    • 常勤先の時期的な仕事の忙しさで、勤務量の調節ができるところ (40代女性、リハビリテーション)
    • いろいろな経験ができる

    • 多くの施設の診療体系・診療方針また地域の医療体系、問題点についても学ぶことができる (50代男性、循環器内科)
    • 様々な職場で医療に関わることで、客観的に医療を見れる (30代男性、一般内科)
    • 地方に息抜きできる。たくさんの施設の現状を見学できる。 (50代男性、脳神経外科)
    • 色々な施設や手術手技を見聞できる (60代女性、麻酔科)
    • 様々な地域、診療現場で働ける (50代男性、一般内科)
    • 臨時収入が得られる

    • 急なお金が必要な時 (50代男性、一般内科)
    • 常勤先の当直回数が少ない時やお金が必要となる時に (40代男性、一般内科)
    • 臨時収入が入る。 (50代男性、精神科)
    • 突発的な支出に対応できる (50代女性、皮膚科)
    • 一時的な収入UP (40代女性、乳腺外科)
    • 高収入

    • 急募の場合はコスト面で優遇される事が多い (30代男性、消化器内科)
    • 高収入 (60代男性、整形外科)
    • 収入がよい (40代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 単価が高いので、良い収入になる (50代男性、一般内科)
    • 自分の都合を優先できる、単価が高い (40代女性、精神科)
    • その他

    • 仕事の状況がわかり、将来の定期アルバイトを考慮する時の参考になる。 (50代男性、放射線科)
    • 1回だけならやってみてもいい、と思える仕事も対応可能 (40代女性、精神科)
    • その施設の雰囲気を知ることができる。お試し感覚で仕事ができる。 (30代男性、老年内科)
    • 単発で収入の高いのを選べる。合わない場合続けなくて済む (40代男性、循環器内科)
    • いつもと違う環境で仕事が出来て、気分転換になる。 (40代男性、一般内科)

求人サイト・紹介会社利用が77.8%―医師のアルバイト先の探し方

アルバイト勤務をする医師は、アルバイト先をどのような方法で探しているのでしょうか?結果は下表のようになっていました。


医師のアルバイト先の探し方

「医師求人サイト、紹介会社の利用」が77.8%と最も多くなっています。他には「友人・知人からの紹介」が36.5%、「大学医局内での紹介」が24.0%と多くなっています。

医師がアルバイトを探す際には求人サイトや紹介会社の利用が一般的になっていることが窺えます。

医師がアルバイトの紹介会社選びで重視する点

医師向けのアルバイト紹介会社は数多く存在しますが、医師はどのようにして会社を選んでいるのでしょうか?会社選びで重視する点について調査した結果は以下のようになっています。


アルバイトの紹介会社選びで医師が重視する点

「条件の良い求人がある」が65.1%と最も多く、「求人が多い」が53.4%と次いで多くなっています。そのほかは担当者の対応の早さ・丁寧さなどが多く挙げられており、求人と担当者の対応が重視される傾向にあるといえます。

医師のアルバイト先の探し方についての自由回答

医師のアルバイト先の探し方に関して自由形式で質問したところ、以下のような回答が寄せられました(一部紹介)。

    • アルバイト求人で確認したい内容

    • 前任者のクチコミがあると参考になる。 (50代男性、一般内科)
    • 精神科なので特に、時間にゃ報酬だけではなく勤務先の法令遵守体制の情報も調査・開示して欲しい。 (50代男性、精神科)
    • 例えば当直であれば当直室の設備などわかると良い。電子レンジの有無や、飲み物など。業務内容も詳しいほど良い。 (30代男性、一般内科)
    • 好条件の案件は直ぐに充足されるため、エントリーが厳しい。また遠方の案件は、勤務条件(前泊可・交通費など)が初回の求人画面に記載されていると判断しやす。(60代男性、一般内科)
    • 常勤先から近いかどうかもポイント。 (40代男性、一般内科)
    • 紹介会社サービスの利用について

    • 特にスポットの場合、事後トラブルがあった際の仲介があると助かります (50代男性、一般内科)
    • かつては医局やツテで探すしかありませんでしたが、今は医師紹介会社という方法もあるので、育休からの復帰でツテがなくなってしまったときに助かりました。 (40代女性、一般内科)
    • 応募の手間が少なく、返信が早いことを最優先 (60代男性、消化器外科)
    • 紹介業者さんにはお世話になっています こちらも誠意ある態度が要求されていると思います (50代女性、一般内科)
    • 全ては仲介業者さん任せ (60代男性、麻酔科)
    • 担当者との関係性

    • エージェントの方と親しくなれば、自宅近くの良い条件のスポットを個人的に紹介してくれたり、自分で探す手間が省けて大変助かる。 (30代女性、麻酔科)
    • 担当者によって全く違うので、いい担当者に当たるかどうかだと思う (40代女性、産婦人科)
    • 定期の場合、担当者が希望を汲んでうまく交渉してくれるかというのも大切なポイントになってくると思います。 (30代女性、一般内科)
    • 紹介会社をつかい「続ける」かどうかは、担当者との信頼関係が作れるかどうかです。 (40代男性、循環器内科)
    • 担当エージェントの密な連絡 (50代男性、整形外科)
    • 求人サイト・WEBサービスの利用

    • もう少し細かい絞り込みができるとありがたい。時給〇〇円以上 and 半日〇〇円以上 とかのand/or 検索の選択肢とか。 (50代男性、一般内科)
    • 求人案内のソート機能(勤務日順、報酬額順など)を充実させてほしい (50代女性、婦人科)
    • 専用アプリは非常に便利、自分は午後が空いているため午後のみ求人を見ることがあるが、検索機能に午前・午後と別れて提示されてる所は少なく、検索で午後のみ選択できると時短になり嬉しい (50代女性、リウマチ科)
    • サイトでリアルタイムの募集が分かるとありがたい。また検索ツールサイトだと使いやすい。ポイントが貯まると更にいい。 (30代男性、耳鼻咽喉科)
    • スポットの日を予め伝えておいて、求人を提案するシステムがあると応募しやすいです (30代男性、一般内科)
    • メールでの求人案内について

    • メールに素早く反応するしかない。 (30代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 金額、地域などの条件を登録しておくと、条件に合ったスポット勤務をプッシュ的に自動でメールなどで送信してくれるサービスとかあるといい (50代女性、健診・人間ドック)
    • これまでの応募履歴からAIを使って、厳選して紹介してほしい。例えば、兵庫県の私に和歌山や三重滋賀京都はちょっと守備範囲外で無駄なメールが多い。 (50代男性、老年内科)
    • メール内容に定型文が多いと信頼が落ちる (30代男性、消化器外科)
    • メールが一番楽 (30代男性、一般内科)
    • 紹介会社以外でのアルバイト探し

    • 私の場合は手術をしない医局の先輩が開業し、その施設で手術をしてほしいと頼まれたので、金銭面では比較的良い条件でアルバイトしています。 (50代男性、眼科)
    • 知人を頼って探す方が、良い条件の仕事が多い傾向にある。 (50代男性、精神科)
    • 知人を頼るのが安心 (60代男性、放射線科)
    • 業者を通さずに直接契約してもいいと思う (40代女性、精神科)
    • 知人の紹介 (40代男性、整形外科)
    • その他

    • 医療福祉分野以外で、時給にあまりこだわらず、いろいろ探してます(indeed) (50代男性、小児科)
    • 相手様とのご縁かと思っています。 (60代男性、眼科)
    • 嚥下評価、検査の需要が臨床ではあると思うが、そのようなバイト募集がない。需要を掘り起こし、リハ医や耳鼻科医のバイト先を増やすことができると思う。リハビリ科のバイトが少ないので是非お願いしたい。 (40代男性、リハビリテーション)
    • コロナバブルが終わりいい求人が減った (30代男性、精神科)
    • 給与が比較的一律になってるので、もう少し差別化をはかれたバイトが増えてくると良いと思います。 (40代男性、小児科)

アルバイト(非常勤)をしていない医師の理由

アルバイトをしていない医師にその理由を質問した際の回答結果は下表のようになっています。


アルバイトをしていない医師の理由

「アルバイト(非常勤)勤務をする余裕がない」が35.0%と最も多く、次いで「希望のアルバイト(非常勤)先が見つからない」(26.8%)、「常勤先で十分な収入がある」(25.9%)といった理由が多くなっています。

その他の理由としては以下の回答が寄せられました(一部紹介)。

    • コロナ禍でやめた(50代男性、麻酔科)
    • 体調不良のため(70歳以上男性、整形外科)
    • 海外に住んでいる(50代男性、精神科)
    • 現在育休中のため(30代女性、眼科)
    • まだ新しい勤務先で勤務を始めたばかり(30代男性、一般内科)

医師にとって条件の良いアルバイトとは?

医師にとって条件の良いアルバイトとはどのようなものなのでしょうか?「こういう条件なら勤務したい」というアルバイトと、実際にあった条件の良かったアルバイトそれぞれについて質問した結果、以下のような回答が寄せられました。

こういう条件なら勤務したいと思えるアルバイト

時間自由(放射線科では結構あり、現在週2は時間自由で出勤しています) (30代男性、放射線科)

日当10万円以上で外来勤務あるいは消化管内視鏡検査、勤務地まで30分 (50代男性、一般内科)

専門性を活かせて給与の良い職場 (40代男性、循環器内科)

子供の送り迎えに影響の無い短時間 (30代女性、一般内科)

保育士常駐など子どもを預けられる環境があること (30代女性、皮膚科)

 

ゆったり当直で5万円以上、透析管理で6万円以上 (30代男性、泌尿器科)

3-4人のグループで雇ってもらい、グループ内で日程調整できるようにしてもらえると働きやすいです (40代男性、眼科)

診療環境が充実している。診療補助などの人員が確保されている。希望曜日が合っている。 (50代男性、耳鼻咽喉科)

時給 1万円で長く安定して働ける職場 (40代男性、消化器外科)

オンラインで自宅から勤務が可能なもの (40代女性、小児科)

実際にあった条件の良かったアルバイト

1日日勤の待機12万円で夜間は自由、ホテル泊。2日で24万。業務量1日1時間程度。 (40代男性、形成外科)

ワクチンの問診のみで3時間7万円 (40代男性、耳鼻咽喉科)

年末年始・GW・お盆の時に給与が5割増しになること。 (40代男性、眼科)

ワクチン問診、時給2.5万 (30代男性、腎臓内科)

シフト制の美容皮膚科オンライン診療で、自由に勤務日と時間帯を選べるもの。(30代女性、麻酔科)

 

件建ての麻酔と保険診療点数による給与配分。 (50代男性、麻酔科)

診察室とは別に、教科書を広げて勉強ができるようなスペースがあるクリニック。 (40代男性、美容外科)

午前中の胃カメラ、22件で10万円でした。 (40代男性、消化器内科)

自宅ではなくオフィスでのオンライン診療(セットアップなどの事務作業が不要で便利だった) (30代女性、小児科)

医療クラークが常駐していたクリニック。単発のアルバイトでは普段と違う電子カルテのシステムに手間取って無駄な時間がかかってしまうことがあったが、その点このアルバイト先ではとてもスムーズで助かった。 (30代女性、皮膚科)

新型コロナによって医師のアルバイトはどう変わった?

ここ数年の新型コロナウイルスの感染拡大によって医師がアルバイト勤務をする環境はどのように変化したのでしょうか?

医師の回答結果は下図のようになっています。


新型コロナによる医師のアルバイト環境の変化

「わからない」が44%と最も多い状況となっています。また「良くなったと思う」が7%、「どちらかといえば良くなったと思う」が16%であるのに対して、「どちらかといえば悪くなったと思う」が24%、「悪くなったと思う」が9%となっており、「良くなった」という回答よりも「悪くなった」という回答がやや多い状況となっています。

新型コロナによってアルバイト環境が「良くなった」と思う医師の理由

新型コロナによって医師のアルバイト勤務の環境が「良くなったと思う」「どちらかといえば良くなったと思う」と回答した医師にその理由を質問したところ、以下のような回答が寄せられました(一部紹介)。

    • 給与・条件の改善

    • 多少時給アップしている (40代女性、健診・人間ドック)
    • 好条件の仕事が増えた (30代男性、放射線科)
    • コロナワクチンバイトが、税金が原資とはいえあまりに高額だったため、今までのアルバイトの応募が極端に減った結果、条件がよくなった気がする (50代男性、消化器外科)
    • コロナワクチンバイトが勤務内容にしては時給が良かったので今までのバイトもそれに連動して少し条件がよくなったような気がする。(ただまた元に戻るでしょう。) (40代男性、小児科)
    • ワクチンバイトの給料が良かったので、その他のバイト代もすこし上がった気がする (50代女性、放射線科)
    • 割の良い新型コロナワクチンバイト

    • ワクチン接種のアルバイトが増えた (60代男性、整形外科)
    • コロナ関連のバイトが高額で短時間で効率よい (50代男性、血液内科)
    • コロナワクチン接種業務が充実した。 (30代女性、一般内科)
    • ワクチンバブルがあった (30代男性、精神科)
    • 新型コロナワクチン問診業務のアルバイト代が高騰した。 (50代男性、腎臓内科)
    • オンライン診療の増加

    • ワクチン接種やオンライン診療のマーケットが拡大した (30代女性、麻酔科)
    • オンラインバイトなどが出てきた (40代男性、小児科)
    • オンライン診療が普及したからかと思います (30代女性、美容)
    • オンラインでできる仕事が増えたんじゃないかと思います (50代女性、乳腺外科)
    • オンライン診療の普及 (40代男性、一般内科)
    • 感染対策の意識の向上

    • 感染防御が考えられるようになった (50代男性、一般内科)
    • 感染予防の徹底を考えれば、進んだのではないでしょうか。 (60代男性、一般内科)
    • 職務内容が幅広くなったように思います。感染対策を普段からきちんとする病院が増えたと思います。 (30代女性、リウマチ科)
    • 感染症診療が整備された (40代女性、小児科)
    • 消毒に対する意識がやや高まった (60代女性、婦人科)
    • その他

    • 入院制限があったから、断る理由になった (40代男性、救命救急)
    • オペ件数や勤務日は減ったけど、満額のお給料がいただけていたと伺ったことがあるから。 (30代女性、麻酔科)
    • バイトの種類が増えたと思う (40代男性、その他診療科)
    • 案件が増えた (50代男性、呼吸器内科)
    • コロナによる救急制限や,患者の受診意識が変わった. (30代男性、循環器内科)

新型コロナによってアルバイト環境が「悪くなった」と思う医師の理由

逆に新型コロナによって医師のアルバイト環境が「悪くなったと思う」「どちらかといえば悪くなったと思う」と回答した医師の理由については、以下のようになっています(一部紹介)。

    • アルバイトの禁止・制限

    • 医局から禁止されたり、バイト先の感染対策を気にしないといけなくなった (30代女性、整形外科)
    • アルバイトの制限がかかっていた (40代男性、循環器内科)
    • 医師の感染予防のため大学病院などがアルバイトを禁止していた。 (60代男性、一般内科)
    • 主たる勤務先からの制限 (30代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • コロナの影響で常勤先から勤務制限があったから。 (40代男性、精神科)
    • アルバイトの求人数の減少

    • 求人数が減った (40代男性、整形外科)
    • コロナでオペ件数が一時減り、求人が激減したため (40代女性、麻酔科)
    • 常勤になる割合が増え、案件の数が減った (30代男性、麻酔科)
    • 感染対策のため外部の医師をいれず常勤だけでまわすため、非常勤採用してもらえなかった。感染が落ち着いてきて改善はしているとは思う (40代女性、小児科)
    • 条件の良い求人数の減少。入り上がり時間調整不可の求人の増加 (50代男性、一般内科)
    • 給与・条件の悪化

    • 医療機関全体において患者数が減ったためか、以前に比べ時給が下がったり、募集数が少なくなったように感じる。 (30代男性、精神科)
    • 医局を離れる医師が増え、いわゆるフリーランスやバイト医が増えバイトの単価が下がった。 (30代女性、その他診療科)
    • 医療需要が減って給与も減っている (50代男性、病理診断科)
    • バイト医が増えた、給料単価が下がった。 (30代男性、消化器内科)
    • 時給が減り募集件数が減っている (40代女性、その他診療科)
    • アルバイト時の感染リスク

    • 自分が感染しないように配慮しなくてはならない (50代男性、消化器外科)
    • バイト先で自分が罹患し自分の病院の患者にうつすかもうつすかもしれないという心配が常にある。 (70歳以上男性、一般内科)
    • 無防備な状態で有症状・抗原陰性(PCR結果待ち)の診察をさせられコロナに感染した (40代女性、心臓血管外科)
    • 感染対策のため気をつかう (40代女性、精神科)
    • アルバイトを行うことによって感染機会・可能性が高まるから (50代男性、呼吸器外科)
    • その他

    • 応募しても採用される確率がかなり減った (50代男性、循環器内科)
    • クラスター発生による出勤停止があった (40代女性、麻酔科)
    • 感染リスク、発熱外来やワクチンなどの業務量の増加 (40代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • コロナでバイトが潰れることがある (30代男性、消化器内科)
    • コロナの初期は非常勤が急に休止になることが多かった。また、昨今の物価高でも医師の給与は時給一万がベースになっていて変化がない。 (30代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)

医師の働き方改革が医師のアルバイトに与える影響は?

2024年4月に開始される医師の働き方改革では、アルバイト(非常勤)先も含めた上限残業時間が設定されるようになります。こうした改革によって医師のアルバイト環境はどのように変化するのでしょうか?

医師からの回答は下図のようになっていました。


医師の働き方改革による医師のアルバイト環境の変化

「わからない」が最も多く38%を占めています。また、「良くなると思う」は5%、「どちらかといえば良くなると思う」は16%なのに対して、「悪くなると思う」は17%、「どちらかといえば悪くなると思う」が24%という結果で、「悪くなる」と考えている医師の方が多いことが窺えます。

医師の働き方改革でアルバイト環境が良くなると思う医師の理由

医師の働き方改革でアルバイトをする環境が「良くなると思う」「どちらかといえば良くなると思う」と回答した医師にその理由を質問したところ、下記のような回答が寄せられました(一部紹介)。

    • アルバイト(非常勤)の求人・需要が増える

    • 産科当直の募集が増えそうだから。 (50代男性、婦人科)
    • 常勤が働けなる分、非常勤の外注が増えるのでは。放射線科は基本定時なのであまり変わらなさそうです。 (30代男性、放射線科)
    • 勤務医の勤務時間の上限規制が生ずるため、自分がやっていたような、「日直+当直」3連日勤務や、院内年間250日間缶詰勤務等が違法となるため、その代替勤務を外部アルバイト医師に委ねるため。 (50代男性、健診・人間ドック)
    • 常勤を長時間働かせることができなくなる分、結局バイトに頼らざるを得なくなる気がするから。 (40代女性、麻酔科)
    • 非常勤口を大学医局に取られにくくなり、求人が増えるのではないかと期待しています。 (40代男性、小児科)
    • アルバイトに応募するライバル医師が減る

    • 大学の勤務医はバイトがしにくくなり、バイトできる医師の市場価値は高まる可能性がある (30代男性、循環器内科)
    • 安易に行けない立場の人が増えるだろうから (50代男性、一般内科)
    • 常勤職のある人にとってはバイトできる時間やバイト先がかなり限定される(宿直扱いでないと平日夜バイトができない、など)一方で、医療機関側は人手不足が顕著になるので勤務条件はかなり優遇された募集がでるのではないかと思う。 (30代女性、救命救急)
    • 病院勤務のドクターは、自院内での残業がバイトの代わりになるから、外に出てこなくなる (50代男性、その他診療科)
    • 競争が減る (30代男性、血液内科)
    • その他

    • アルバイトが制限されるため、環境を良くしないと働き手がいなくなると考えられるため (50代男性、循環器内科)
    • 自由な時間が増えそう (50代男性、麻酔科)
    • 電子カルテ化が進んだ。PACSが便利になった。 (50代男性、一般内科)
    • メチャクチャなバイトをする者が減ると思っています. (70歳以上男性、脳神経外科)
    • 勤務機会の均等化に繋がるかもしれないと思うため (50代男性、脳神経外科)

医師の働き方改革でアルバイト環境が悪くなると思う医師の理由

逆に医師の働き方改革によってアルバイト環境が「悪くなると思う」「どちらかといえば悪くなると思う」と回答した医師からは、アルバイト時間の制限を受けるためといった回答をはじめ下記の理由が挙げられました(一部紹介)。

    • アルバイトの時間制限を受ける

    • 常勤先でほぼ勤務可能時間を使うため、バイトにいけない (30代女性、消化器内科)
    • 労働時間が制限されるから (40代男性、整形外科)
    • 連続勤務時間に制限が生じるため (30代男性、一般内科)
    • 常勤先の時間外勤務時間を差し引いての時間分しかアルバイトができない (50代女性、婦人科)
    • 勤務時間に制限がかかる。常勤先への報告が求められる。 (50代男性、循環器内科)
    • アルバイトの条件の悪化や求人の減少

    • 希望者が多くなり、勤務条件は悪くなると思う。 (60代女性、一般内科)
    • 医師数の飽和、診療報酬削減傾向、働き方改革などによって求人数や報酬が不利になると思われる。 (30代男性、精神科)
    • 給料単価が下がる (30代男性、消化器内科)
    • バイト代が安くなっている。 (50代男性、消化器内科)
    • 宿日直許可をとることにより減額させる、もしくは増額させない (50代男性、消化器外科)
    • その他

    • トータルの勤務時間管理のため、バイトを減らすか、バイトした分常勤先での時間外勤務がサービス残業になるしんぱいがある (40代女性、麻酔科)
    • 大病院の医師の時間外が減り収入が減るため闇バイトが増えるでしょう (50代男性、消化器内科)
    • 宿日直許可を得ているような案件は大学病院からの派遣で埋まり、逆に忙しい勤務条件ばかりが残る。 (40代男性、消化器外科)
    • 宿日直許可をとれるように医療機関は動くはずですが、実際は就労状況は何も改善することは無いと思います (40代男性、一般内科)
    • 常勤医の休息時間確保のために、非常勤医の負担が増える (40代男性、循環器内科)

医師のアルバイト・非常勤に関する自由回答

その他、医師のアルバイト・非常勤に関して自由形式で意見や感想を募ったところ、下記のような回答が寄せられました(一部紹介)。

宿日直許可の有無の記載があれば申込しやすいと思います。争奪戦になるかもしれませんが。 (40代男性、一般内科)

働き方改革問題は子供の教育費のため稼ぎたい身には危機感しかありません (40代女性、麻酔科)

多くのアルバイトは働き盛りの医師を対象としたもののように見えるが、急性期病院を退いた高齢医師でまだ働きたい人は多いと思う。 (60代男性、救命救急)

非常勤の医師がいなければ回らない病院があるのは事実であり良い悪いは別として必要と考えます (40代男性、神経内科)

嚥下評価やボツリヌス治療のバイトをリハビリテーション科医のために、需要を掘り起こしてほしい。リハビリ前診察のリハビリしか目にしない。 (40代男性、リハビリテーション)

 

いろいろな経験ができるのでバイトは続けたいです (30代男性、一般内科)

非常勤に助けられている部分はあるが、非常勤の先生の準備や後始末は常勤医の仕事である。きっちりと仕事をして欲しい。 (40代女性、麻酔科)

家事育児に専念する期間が長かったので、復帰する足がかりとしてアルバイトはとても助かりました。状況に応じて勤務内容を選べるという点、普段とは違う業務を覗いてみるという点でも、アルバイトはどの先生も経験してほしいです。 (40代女性、一般内科)

私はおそらくコロナワクチンのバイトで少し良い思いをしたのでしょう。そのため普通のバイトではなんとなくヤル気が出なくなりました。ただそれも時間がたてば元に戻るとは考えています。 (40代男性、小児科)

医師のアルバイトは、こころの調和をとるためにも重要。一ヶ所勤務では気持ちの切り替えができず、煮詰まってしまうこともある。 (50代女性、精神科)

 

多くの医師にとってキャリアの一部となっているとともに、医療において常勤医で不足するニーズを埋めてきたアルバイト(非常勤)勤務。医師の働き方も様々に広がっている中で、アルバイトという選択肢の重要性も今後より高まってくるのかもしれません。

 

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 医師のアルバイト・非常勤に関するアンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 2023年4月10日~2023年4月18日
有効回答数 1,702件
調査公開日 2023年7月19日

 

年齢


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性別


回答者の性別

 

診療科


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地域


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主たる勤務先


回答者の主たる勤務先