医師は転職活動にどれぐらいの期間をかけているのか?

時間軸から医師の転職活動を考える

「転職はタイミング」と言われることがありますが、転職活動を時間軸で捉えることは医師にとっても転職成功のポイントの1つです。「ここに行きたい!」という転職先の候補があっても、自分が転職したいタイミングと、医療機関や企業が採用したいタイミングが合わなければ、希望の転職先で勤務することはできません。

実際に興味のある求人を見つけても、もっとあるのではないかと検討に時間をかけている間に募集終了してしまっていたり、求人を探し始める時期が遅かったために転職先の候補が限られてしまっていたりすることもあります。自分の希望する条件で転職するためには、あらかじめ時間軸で転職活動のスケジュールを立てて、タイミングを逃さない工夫が必要です。

そこで今回は、医師の転職活動の時間軸に焦点を当てて、どのように転職活動を進めることが医師にとって適しているのかを以下で検証していきます。

医師は転職活動にどれぐらいの期間をかけているのか?

医師の転職活動期間はどれぐらいか?

医師は転職活動にどれぐらいの期間をかけているのでしょうか?メディウェル経由で転職に至った医師の実績データによると、医師の転職活動期間の平均値・中央値は下表のようになっています。


医師の活動期間の中央値・平均値

転職活動開始(サービス申し込み)から勤務先決定までの中央値が77日、平均値が105日となっています。平均値でみた場合は転職活動期間が極端に長い(2年~3年など)人も含まれていますので、中央値の約2ヶ月半が医師の平均的な転職活動期間といえるでしょう。

また、勤務先決定から勤務開始までの期間は中央値・平均値ともに3ヶ月弱となっています。つまり、医師が転職する際には、平均的に勤務を始める3ヶ月前には勤務先を決定していることになります。

これらを合わせると、医師が転職する場合、平均的には次の職場で勤務を開始する半年ほど前から転職活動を始めているということになります。

しかし、医師の転職に関する事情はもちろん人によって様々であり、急いで転職したい人もいれば、逆に時間をじっくりかけて考えていきたい人もいます。そこで、先ほどの転職活動開始(申し込み)から勤務先決定・勤務開始までの日数の分布のデータを下表に30日単位に分割して集計を行なった結果が下記になります。


医師の転職活動期間の分布

この表からいえるのは、転職活動開始から勤務先決定までの期間は1~4ヶ月の間に集中しているものの、勤務開始までの期間は分散しており、転職活動開始後1年以上経過してから転職先での勤務を開始しているケースも比較的多いということです。

医師の転職活動期間は一般的な転職と比べて長いのか?短いのか?

ここまで見てきた医師の転職活動期間は、一般的な転職と比べて長いのでしょうか?それとも短いのでしょうか?厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」の資料にある転職活動期間(22、23ページ)をもとに比較してみます。

ただし、厚生労働省の出しているデータは「転職活動開始から離職までの期間」「前職の離職から現職の勤務開始までの期間」で分けられているため、正確に対応させた比較はできません。そこで、それぞれのデータの中央値の期間を足したものを「転職活動開始から現職の勤務開始までの平均的な期間」とすることにします。

一般的な転職活動における転職活動期間

上記の表より、業種を問わない転職一般においては、「転職活動開始から前職の離職までの期間」で1ヶ月~3ヶ月が中央値の期間にあたり、「前職の離職から現職の勤務開始までの期間」で1ヶ月未満が中央値の期間にあたることがわかります。つまり、一般的な転職での「転職活動開始から転職先での勤務開始までの平均的な期間」は1ヶ月~4ヶ月ということになります。

この結果は、一般的な転職(1ヶ月~4ヶ月)に比べて、医師の転職活動期間(半年程度)は長いということを示しています(転職活動開始~転職先決定までの期間)。

しかし、医師においては求職者に対して求人数が多く、他業種の転職よりも求人が見つかりやすいという事実も合わせると、意外な結果であるようにも思えます。なぜ、医師の転職活動は長期化する傾向にあるのでしょうか?

転職活動パスから考える医師の転職活動が長期化する背景

医師の転職活動が長期化しやすい背景について検証するため、クリニカルパスならぬ医師の転職活動パスを下表にて整理し、転職活動開始(申し込み)から新たな職場での勤務開始までの各プロセスで医師の転職活動が長期化する要因をまとめました。

紹介会社を利用する場合の医師の転職活動パス

これを見ると、医師が一般的に多忙な職業であることが要因の1つにあることがあります。転職しようと思っても、現在の職場が多忙で転職活動にかけられる時間がとりにくい医師が多いため、どうしても転職活動自体長期化しやすいということがいえます。

また、特に医療機関の場合は採用側の責任者も医師(院長・副院長・診療部長など)多忙のことが多いため、採用時の条件確認などでタイミングが合わず時間がかかる場合や、面接を設定できる日程が先になることがあります。

そのほかには、以前の職場の引き継ぎ体制と新しい職場での受け入れ体制が整いやすいタイミングまで転職を待つという傾向が見られます。特に医師の場合は、転職により医療機関などに与える影響は大きいこともあり、勤務先自体は早めに決めておきつつも、転職自体は4月など体制を変えやすいタイミングで転職することが多くなっています。

まとめ

医師の転職活動は、一般の人が転職するよりも長期化する傾向にあります。そのため、今後転職を検討する医師の方は、上記の転職活動パスを参考にしていただきつつ、早めに転職活動を始めておくと良いでしょう。

特に、見学・面接を終えて勤務条件が出てからの最終判断が重要なため、家族など周囲の人とも十分に話し合って納得のいく転職ができるよう、候補となる医療機関への見学・面接までは早めに終えておくことをおすすめします。また、退職を伝えるタイミングが遅くなると現在の職場への影響も大きくなるため、現在の職場にも配慮しつつ転職する上でも、転職活動の開始は早い方が良いといえます。

転職活動期間は、希望の転職時期や、希望する地域・科目・条件での求人の状況などによっても左右されます。特にはじめて転職活動を始める際には、地域別の医師の転職市場に詳しいメディウェルの医師専門コンサルタントにご相談ください。