【医師1,846名調査】学会や研修会・セミナーのオンライン化は推進すべき?

医師は、学会や研修会・セミナーなどに参加する頻度が比較的高い職種です。背景には、研究活動や医師としての研鑽の機会になるといったことに加え、専門医資格の取得や更新でも学会への参加が必要となるということが挙げられます。

しかし、新型コロナウイルスの流行に伴い、医師の参加する学会や研究会でも相次いで中止やオンライン化の措置が取られました。

一部取り入れられつつある、学会やセミナーのオンライン化への移行について、医師はどのように感じているのでしょうか?2020年8月に実施した医師1,846名のアンケート結果を紹介します。

 

【医師1,846名調査】学会や研修会・セミナーのオンライン化は推進すべき?

 

「オンライン化をした方がよい」が半数以上―「対面の方がよい」は1割未満

学会や研修会・セミナーのオンライン化の是非に関する医師の回答は、以下のようになりました。

学会・セミナー等のオンライン化についての医師の考え方

「全てオンライン化するのがよい」が19%、「多くの場合でオンライン化した方がよい」が36%と、合計55%の医師が学会やセミナーをオンライン化した方がよいと考えている結果となっています。

一方で、「原則として直接顔を合わせて実施する方がよい」は7%、「全てオンラインでなく直接顔を合わせて実施するのがよい」は1%と、対面での学会やセミナーがよいと考える医師は8%という結果となりました。

多くの医師が学会やセミナーのオンライン化をした方がよいと考える理由

学会や研修会・セミナーのオンライン化をした方がよいと考える医師(55%)を対象にその理由について尋ねたところ、下記のような自由回答が寄せられました(一部紹介)。

    • 感染などのリスクを抑えられる

    • 感染リスクを減らすため 効率が良い (40代男性、整形外科)
    • 三密を避けることができ、講演はオンラインで視聴可能だから。 (50代男性、人工透析科)
    • 一つの科の医師たちが一か所に集まり、もし万が一大災害やテロなどで、一度に日本の一つの科の医師を失った場合、それは計り知れない損害になるので。 (50代男性、麻酔科)
    • 交通機関での移動や密を避けるため 地方のデメリットが少なくなる (40代女性、放射線科)
    • コロナ感染が収束するまではオンライン化で対応すべきと思われます。 (40代男性、麻酔科)
    • 移動の手間が減り時間の節約になる

    • 行く手間が省けるし特に遠方だと行くまでが大変、オンラインで延長放送などあると大変助かると思う (40代女性、リウマチ科)
    • 移動時間がなくなる分、通常の業務の時間を減らさなくて済むため (30代女性、精神科)
    • 移動の手間がなく、内容も直接のものとあまり変わらないと思います。 (50代男性、一般内科)
    • わざわざ、会場へ行かなくて済む分、時間を効率よく使える。 (40代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • はるばる学会・研究会に行く手間隙が省けてよろしい (50代男性、消化器内科)
    • 交通費や宿泊費など費用を節約できる

    • 遠方への旅費を節約できる。 (50代男性、精神科)
    • 無駄な交通費や宿泊費がなくなるから (50代男性、循環器内科)
    • 経費や時間などに関する無駄を省くことが出来るから (50代男性、一般内科)
    • 会場までの往復の時間、交通費、宿泊代などの無駄が省けるため。 (40代男性、泌尿器科)
    • 交通費や宿泊費もいらなくなるので、この際すべてオンラインで良いと思う。 (50代女性、耳鼻咽喉科)
    • 子育て中でも参加しやすい

    • 遠方だと子供がいる医師は参加が難しい。当直などとの兼ね合いもあり、オンラインだと参加率が上がると思う。 (30代女性、小児科)
    • 移動時間が減って効率的。育児中でも出席のチャンスがある (30代女性、乳腺外科)
    • 可能だと思うし、育児中でも移動の時間が取られず参加しやすい。 (30代女性、健診・人間ドック)
    • 子育て中の女医なども参加しやすくなる (40代女性、一般内科)
    • 勉強したい分野、ゆっくり聞きたい時など繰り返し聴きたい。子供の預け先を確保しないと毎回勉強会に参加するのが難しい。 (40代女性、婦人科)
    • 地方の医師でも参加しやすい

    • 地方では学会が少なく参加が難しいのでオンラインなら参加ができる (50代女性、眼科)
    • 地方で業務していると 遠いところでの学会に参加できないので オンラインで聴講できることは ありがたい (60代男性、婦人科)
    • 地方や人数の少ない病院の医師がたすかる (40代男性、消化器外科)
    • 地方在住でも参加しやすくなるから。 (30代男性、消化器内科)
    • 田舎で1人勤務だと学会に行きようがない。なのに専門医更新の義務になっている。地域格差も甚だしい。 (40代女性、リウマチ科)
    • 日常業務への支障が少ない

    • 外来を休診にしなくてよい。家から時間を気にせず視聴できる。時間が被っているプログラムも視聴できる。 (30代女性、健診・人間ドック)
    • 時間的なメリットが生まれ業務休止の必要が少なくなり合理的。 (50代男性、麻酔科)
    • 今回オンラインの学会を体験し時間の縛りやクリニックを休診する時間を短縮できた為。体力的にも有意義であったから。 (40代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 一番勉強熱心な最若手が病棟業務に追われて学会にフルで参加できない現状があるため。(オンデマンドなどの活用ができる方が望ましい) (30代男性、消化器外科)
    • 学会のために診療を休むなどの負担が大きいため (30代男性、腎臓内科)
    • オンラインの方が聴講に適している

    • コロナの感染リスク軽減のみならず、座席による見え方や聞こえ方の不平等感もなくなる。さらには主催者は場所の確保やコスト、我々には出張に伴うコストが大幅に軽減できる。 (30代男性、救命救急)
    • 循環器学会、内科学会に参加したが、これまでよりもじっくり聴講できた。 (40代男性、一般内科)
    • 日常業務を継続しながらの参加も可能である。スライドが席によらず見やすい。 (30代女性、形成外科)
    • 今回の学会総会で実際に経験して。オンラインだと見返せるし、自宅だと会場より多くの時間を取れる。 (30代男性、放射線科)
    • スライドが良く見える。音声もしっかり聞こえて集中できる。現地へ到着するまでの時間の節約になる。 (50代男性、脳神経外科)
    • 時間が合わない場合でもアーカイブで見られる

    • 学会では聴きたい物が時間がかぶると選ばないといけなくなるけれど、オンラインであればとりあえずいろいろ聞いてみる、なんて事も出来るし出来れば2倍速、早送りなども出来て同じ学会参加費でたくさん情報が得られるようになるならば便利だと思う。 (40代女性、麻酔科)
    • オンデマンド配信にしてくれれば、同時刻にやっている発表も聴取できるし、好きな時間に聴取できる (40代男性、小児科)
    • オンライン(オンデマンド)化で重複して聴けない演題がなく、出張旅費も浮いてその分本やPCが買える。これまで随分無駄なことをしていたと思う。人との交流も必要なので、時々従来型の学会をすればよい。 (50代男性、病理診断科)
    • 同じ時間帯に複数のセッションがあった場合、オンラインであれば全てを見ることができるため (30代女性、産科)
    • コンテンツをオンデマンド配信にすれば,各々の都合の良い時に履修できるから.システムを工夫すれば,履修単位登録も便利になると考えられるから. (40代男性、整形外科)
    • 運営側も会場などのコストを抑えられる

    • 自宅でも受けることができる。企業側もコストカットができる (40代女性、形成外科)
    • オンデマンドで視聴することができるようにできる。経費がかからない分、学会費を安くできると思う。Webだけで開催するのに、会場費がいらないのに、学会会費が同じなのが、納得いかない。 (60代女性、小児科)
    • お互いコストがかからない (30代男性、一般内科)
    • オンライン化によって参加者の移動、宿泊等にかけるコスト、運営のコストを削減でき、医療全体の業務効率に寄与するから (30代男性、放射線科)
    • 会場の確保、移動、ホテルの費用など負担から (60代男性、老人内科)
    • その他

    • 学術活動に関してはオンラインで事足りることが多いように感じる (30代男性、麻酔科)
    • 学会のそもそもの目的は、最新の情報を入手することで、インターネットなどなかった時代ではその場に集まるしかなかったかもしれないが、現在は容易に入手できるので。 (50代男性、形成外科)
    • 最近の学会がオンラインになり、実際、オンラインで参加してみると、オンラインで事足りることが多いと感じる。というか、時間的にも無駄がないような気がする。 (40代男性、消化器外科)
    • オンライン化するからこそ、遠方で自分の専門分野でない分野の講座でも聴くことができるように感じるから。 (30代男性、精神科)
    • 情報はWebで得る時代。交流会もZoomで。 (40代男性、麻酔科)

「状況によってオンラインと対面を使い分けるのがよい」と考える医師の理由

学会やセミナーのオンライン化に関しては「状況によってオンラインで実施する場合と、直接顔を合わせて実施する場合があってよい」という回答も37%ありました。そのように回答した医師の理由としては、下記が挙がりました(自由回答の一部を紹介)。

    • メリットとデメリットがある

    • オンラインの良いところ、対面の良いところを取り入れたほうが良い (50代男性、耳鼻咽喉科)
    • どこでも参加できるといったオンラインのメリットはあるものの、直接顔を合わせて交流することも一定程度必要と考えるから。 (30代男性、整形外科)
    • 学会や会議の場に足を運ばなくてもよいメリットは大きいが、懇意にしていない相手とも、懇親会や休憩時間の雑談の中で、新しいことを学べたり、新しい共同研究などが生まれることもあるので、対面も必要と思う。 (40代男性、神経内科)
    • オンラインは、時間短縮、交通費削減のメリットがあり、質問の上乗せができない、他の人の雰囲気がわからないというデメリットがあるため。 (40代男性、眼科)
    • オンラインで移動・宿泊なく参加出来るメリットは大きいが、直接会って人間関係を築く場も必要と思う。 (30代女性、小児科)
    • ハンズオン講座やワークショップは対面の方がいい

    • ハンズオン講座ではオンラインでは限界があると思う (50代女性、眼科)
    • 実際にやってみたら、オンラインでも可能であったが、学会側の読みが甘く、開始と同時にサーバーがダウンした。今後は慣れてくればこういうことも減ると思う。内視鏡のハンズオンはどうしてもオンラインだけでは補いきれないかもしれません。 (40代女性、消化器内科)
    • スモールグループに別れるようなセミナーは直接が良い。 (40代男性、一般内科)
    • 講演については基本的にオンラインで良いと思うが、ハンズオンセミナーなどは難しいと思うので。 (30代男性、消化器外科)
    • 情報を得るだけならオンラインで構わないが、実習に近いことが行われることもあり、その場合は無理だと思う。 (30代男性、精神科)
    • 便利だがコミュニケーションは取りづらい

    • 基本リモートに賛成だが、対面の時の方が、多くの非言語情報を得られるメリットはある。 (40代女性、健診・人間ドック)
    • オンラインでは難しいコミュニケーションがあると思われるため (40代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • プログラム以外のコミュニケーションがとりにくい (40代男性、精神科)
    • 議論が深まらない、コミュニケーションエラーが生じやすいから (40代男性、呼吸器外科)
    • 発表や講演はオンラインで良いし、リモートで参加しやすいが、顔を合わせることでより良いコミュニケーションや、共同研究のきっかけができたりするように思う。現状のオンラインは、技術的にまだ不自然さがあって、気がそがれる。 (50代女性、一般内科)
    • 質問や議論は対面の方がいい

    • 講演会形式ならばリモート化してもよいだろうが、少人数の研究会などはリモート化するとタイムラグが生じ議論が発展しにくいと思われる (50代男性、リウマチ科)
    • 討論や質疑応答はオンラインでない方が活発化すると思う。 (40代女性、小児科)
    • 直接質問できるメリットは大きいためすべてオンラインはすすめない (50代男性、脳神経外科)
    • 学会での報告・教育に関しては、オンラインで可能ではあるが、議論は対面でできる方が良いのではないのか。 (60代男性、放射線科)
    • 直接人と会わないと、十分な議論が出来ない場合がありそう (40代男性、消化器内科)
    • 懇親会や人との交流がオンラインだと難しい

    • 勉強自体はオンラインで良いと思いますが、顔繋ぎの意味もあるので、時々は対面もあった方が良いと思います。 (50代女性、人工透析科)
    • 全てオンラインにすると懇親会での情報交換ができないから (30代男性、消化器外科)
    • 久々に合う医師やコメディカルとコミュニケーションを取る場でもあるのでオンラインではそれが難しい (30代男性、眼科)
    • オンラインは移動の手間なくよい。ただ人との交流があまりないのは寂しい。 (30代男性、一般内科)
    • 学ぶことだけが目的ならオンラインでよいと思うが、人間関係の形成などのためには対面の方が良いこともあると考えるから。 (30代男性、美容)
    • オンライン化すると集中できない

    • オンラインのほうが出席はしやすいが集中しにくい (40代女性、耳鼻咽喉科)
    • 会場で開催すると集中できるが、オンラインだと日常業務をこなしながら片聞きになってしまう。 (30代男性、脳神経外科)
    • 家では集中して聴講できない。 (40代女性、皮膚科)
    • 学会も実際に行かないと勉強しないかもしれない。ただ動画を流し続けるだけだと、あまり集中しないかも。 (40代男性、消化器外科)
    • オンライン化すると通常業務しながらになってしまう。結局、プレゼンに集中できず聞き逃してしまう (40代男性、放射線科)
    • その他

    • 器械展示などは実際に触れて、質問するほうが良いが、講演などはオンラインでも良いと思う (50代男性、麻酔科)
    • 学会はオンラインになるとオンデマンドという反面、まとめて時間を取りづらい。研修はチームづくりの意味もあるため。 (30代男性、一般内科)
    • 聴衆を前にする講演・発表とオンラインでの講演では留意すべき点などに違いがあり、両方を経験するほうが良いと思うから。 (40代男性、産科)
    • オンラインのみでは限界だか、オンラインで現地で混雑のなか聴講しなくていいのはメリット (40代男性、循環器内科)
    • 若手への教育効果はオンラインより会場へ行く方が高い (40代女性、放射線科)

「学会やセミナーは直接顔を合わせて実施する方がよい」と考える医師の理由

「学会やセミナーは直接顔を合わせて実施する方がよい」と考える医師(8%)の理由については以下のようになりました(自由回答の一部を紹介)。

    • 議論や交流などのコミュニケーションがしづらい、盛り上がらない

    • オンラインでの学会や研究会では、議論が盛り上がらず、廃れていくから (40代男性、小児科)
    • 伝える力やその場で考えたり、含めて現場にいた方が大いに盛り上がるから。 (30代男性、泌尿器科)
    • 懇親会などはface to faceに勝るアプローチがない (30代男性、神経内科)
    • 雰囲気が分からず、話の要点がずれていることが多々ある。 (50代男性、循環器内科)
    • お互いに誤解が少ないと思う (50代女性、心療内科)
    • モチベーションを保てない/集中できない

    • webは臨場感がなくてきいても面白くない (40代男性、脳神経外科)
    • 対面でないと私は参加するモチベーションが上がりません。 (50代男性、循環器内科)
    • リモートだとつい他のことが気になってしまう。 (40代男性、精神科)
    • オンラインばかりだと単調で楽しくないから (50代男性、消化器外科)
    • オンラインは集中力が出ない (50代男性、循環器内科)
    • その他

    • オフレコの話題もあるはずだから。 (50代男性、一般内科)
    • オンラインだと、本読んだりとかするのと変わらないし、会場で話聞きたい。 (40代男性、小児科)
    • メーカーからの情報提供の場が必要 (40代男性、消化器内科)
    • 色々な資料がもらえるから (60代男性、一般内科)
    • 情報の機密保護が難しく、出し惜しみが生じる (40代男性、形成外科)

 

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 「学会・研修会・セミナーのオンライン化について」-医師の業務のオンライン化に関するアンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 2020年8月10日~2020年8月28日
有効回答数 1,846件
調査公開日 2020年9月30日

 

年齢


回答者の年齢

 

性別


回答者の性別

 

診療科


回答者の診療科

 

地域


回答者の地域