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香川県「大川医療圏」
二次医療圏
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香川県の二次医療圏「大川」の概要と特徴

1大川医療圏の概要

〈香川県の西端部に位置して、市街地のみならず離島や山間部を抱えた医療圏〉
香川県の二次医療圏である大川医療圏は、香川県の最東部にあたるさぬき市、東かがわ市の2市で構成されています。本医療圏の面積は約310平方キロメートル、平成23 年10月1日現在の香川県統計調査課資料による人口が約8万5千人です。
北側が瀬戸内海に面し、南側が讃岐山脈に接する丘陵地帯にあり、海岸付近や河川の流域に讃岐平野の東部にあたる大川平野がありますが、平野部や丘陵地帯の中にも台地や円錐状の孤峰が多数存在しています。

2大川医療圏の特徴

〈農業と工業が盛んで、農業では付加価値が高く、工業では伝統産品を軸とした生産品を持つ〉
大川医療圏では農業や工業が中心産業です。農業の分野では水稲をはじめとして、たまねぎ、きゅうり、キャベツ等の野菜、いちごやぶどう等の果樹、畜産業を組み合わせた複合農業経営が中心に営まれています。近年では有機減農薬栽培の拡大、大川農産加工コンビナートとの契約栽培による農産品の生産、ジャージー牛の導入による畜産業の効率化、花き類の栽培など、付加価値の高い農業が盛んに行われるようになっています。
一方で工業の分野では、伝統産業である手袋の生産をはじめ、製薬、高級砂糖である和三盆糖の製造などの伝統品製造業を基盤として、現在では本医療圏内に臨海工業団地や内陸工業団地、農産加工工場団地を造成して、クレーンなどの一般機械、ゴム製品、冷凍食品、衣料品製造などの工業製品を出荷しています。これ以外にも、漁業の分野では「はまちの養殖漁業の発祥地」として有名で、さらに観光の分野では四国八十八か所お遍路霊場の八十八番目である満願の寺院を含む3寺院を持ち、観光資源にもあふれています。
公共交通の面では、JR四国のJR高徳線が本医療圏の沿岸部を通り、また高松琴平電鉄の志度線の終着である志度駅と長尾線の終着駅である長尾駅が本医療圏西端部にあり、県庁所在地である高松市への便は良好です。一方で鉄道沿線以外はバスの便になりますが、JR高徳線やバス便とも運行本数に偏りがあるため、医療圏内の移動に自家用車の使用が必要か否かは検討が必要です。
一方で道路網は、自動車専用道の高松自動車道とその延長上の高松東道路が本医療圏内の海岸部分を貫いて、5つのICを持ち、高松市や徳島市方面への足が良好です。一般国道も海岸線部を通る国道11号線や山間部に分け入る国道318号線や国道377号線を幹として各方面に県道が伸びていて、本医療圏内南部の阿讃山脈の山間部を除けば道路網もある程度は整備されています。

3大川医療圏の医療体制の現状

〈周産期医療の従事者の不足に対して、将来的に医学部学生をはじめとする人材育成を実施〉
大川医療圏ではさぬき市民病院が中核病院の役割を担い、一部機能を香川県立白鳥病院が分担しています。本医療圏にはこれらの病院を含めて厚生労働省の平成23年医療施設調査で5の病院と62の一般診療所があります。本医療圏の問題としては周産期医療の問題があります。
本医療圏には分娩取扱可能な医療機関が平成23年12月現在で1施設、医療施設従事医師数は平成22年12月現在で4人と、いずれも不足していて本医療圏内での安定した出産が行いにくくなっている状況があります。このような点を香川県も問題としていますが、現状では既存の香川県内の周産期の医療資源を有効かつ効率的に利用することで本医療圏内の周産期医療の安定を図る方向で施策を進めています。
産科医等の不足が深刻となる状況で香川県内での臨床研修後の若手医師の4割近くが県外に就職している現状から、将来的には香川県において質の高い産科医を養成して県内定着を促す施策を行う計画です。
具体的には、「香川県医師育成キャリア支援センター」を設置して、香川県での産科医師育成キャリア支援プログラムをスタートさせることでプログラム修了者の県内の中核病院への就職斡旋を行うなどの支援を行うこと、香川大学医学部に地域医療に関する寄附講座を設置して、産科の地域医療要員の養成を行うこと、香川県内の産科医療機関に従事する医師の確保に向け、県民医療推進枠等として香川大学に5名、愛媛大学に2名の定員増員を平成22年度から10年間行い、当該学生に対しての大学卒業後に一定期間の県内の医療機関での勤務を条件とする奨学金の支給を行うこと、並びに女性医師の復職支援や、大学の地域医療学講座と連携した地域周産期医療を担う人材育成の実施、臨床技能修得実習室を備えたセンターを香川大学医学部内に整備して、医学部学生のみならず地域の医療機関に従事する医療従事者を対象としたキャリアサポートを行うことなどを施策としています。

4大川医療圏の医師数の現状

〈医師不足の解消と、がん医療に対する医療資源の充実と相互連係が今後の課題〉
平成22年医師・歯科医師・薬剤師調査での平成22年12月末現在での大川医療圏の人口10万人対医師数は150.1人で、香川県の平均である253.7人は元より、全国平均である219.0人にも及ばす、医師不足の現状があります。県の医療行政として、医師不足の解消が急務になっています。
また本医療圏の問題として、がん医療に関する病院の課題があります。厚生労働大臣の指定を受けた都道府県及び地域がん診療連携拠点病院診療連携拠点病院が存在せず、隣接する高松医療圏でのがんの専門治療を余儀なくされています。
さらにがん患者に対して「放射線治療を実施の医療機関」、「外来化学療法を実施の医療機関」、「緩和ケアチームを持つ医療機関」が平成23 年の厚生労働省「医療施設調査」によれば本医療圏内にはいずれも皆無で、がん治療においての本医療圏での医療資源不足が明らかです。香川県ではこの点を問題と考えていて、将来的には地域がん診療連携拠点病院に認定されるような病院の整備や、それに伴うがん治療におけるチーム医療の体制整備などを目標としています。
現在のところは現存する医療資源を有効に活用するため、高松医療圏にある地域がん診療連携拠点病院を中心として、手術療法、放射線療法、化学療法などの各療法を効果的に組み合わせて行う治療やがん治療の緩和ケアの提供とともに、がん患者の病態に応じた適切な治療の普及に努め、拠点病院で院内のクリティカルパスを策定し、キャンサーボードの整備を行う等の整備を施策として実施しています。
今後は拠点病院以外の医療機関でも、患者とその家族が抱える苦痛に対するケアをがん診断時から提供して、確実ながんの緩和ケアを受診可能な診療体制を構築することや、拠点病院を中心とした地域がん診療連携拠点医療機関が、在宅緩和ケアの提供可能な診療所との連携により、患者や家族の意向通り治療の切れ目が無い在宅医療提供体制の整備が必要となります。そのためには、地域の医師ががん治療のための「地域がん登録体制」に参画することが必要になり、診療科にかかわらず「がん治療」での医師の需要が増える見込みです。

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