地域によって様々な医師の転職市場。特に医師の募集状況や地域の特徴は二次医療圏ごとに異なります。 松江医療圏での転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した地域別の転職お役立ち情報をお届けします。
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〈古の神話や古墳などが豊富に残る医療圏〉 島根松江二次医療圏は松江市、安来市の2つの自治体から構成される二次医療圏です。島根県北西部に位置し、 北で日本海、東で鳥取県に接する位置関係に存在しておりその面積は993.9平方㎞と、島根県の14.8%を占めています。 この医療圏は島根県の県庁所在地である松江市を擁しており、人口は島根県の医療圏の中で最大の約25万人となっています。 ただし人口は減少傾向にあり、1年でおよそ千人ペースの減少を続けています。 この医療圏には日本書紀にも記される伊邪那美命・伊邪那岐命の伝説にも登場する黄泉の国への入り口があるとされ、 伊邪那岐命を祀った神社(揖夜神社)もこの医療圏に存在しています。 また、古墳などの発掘も多く日本古代の出雲王朝の中心地だったと言われている土地です。 以上のことからこの圏域は日本の創世神話や古代にまつわる伝説が豊富に存在する医療圏であると言えるでしょう。
〈山陰本線、木次線が鉄道交通の主要路線となっている〉 鉄道交通をみるとこの医療圏にはJR西日本の鉄道が二つ走っています。そのうち一方の山陰本線は日本海の沿岸に沿って伸びる路線で、 もう一方の木次線は松江市の宍道駅から広島県庄原市までを結ぶ路線であり山陰本線から分岐する形で南北に路線が伸びています。 また、医療圏西部にある宍道湖の北沿岸に沿う形で一畑電車の路線も存在しています。 道路交通をみると山陰自動車道のIC松江自動車道のICがあり、主要な国道は国道9号や54号、431号など5つの道路となっています。 このように電車・道路の面でみても交通の便は充分とは言えませんが、不自由はあまり無いと言っても良いでしょう。
〈高齢化が進む医療圏であるが、島根県の主要な医療機関が集積している〉 この圏域の人口構成をみると高齢者の割合が64.292人で25.6%(2010年度)となっており高齢化は島根県内の他の医療圏に比べ抑えられていますが、 それでも全国平均値の23.0%より高く、高齢化の進行している医療圏であると言えます。 またこの医療圏の特徴として、島根県内の主要な医療機関がこの地域に集積していることがあげられます。 病院数は人口10万人あたり6.39(全国平均6.62)と全国平均より若干少ないですが、それを補うように一般診療所の数が80.66(全国平均68.33)と大幅に上回っています。 その主張の補強としてあげられるのが入院患者の動向です。 入院患者の受療動向をみると入院の域内完結率は97.6%で、他の圏域からの流入も隠岐医療圏31.9%、雲南圏医療圏18.0%と島根県の他の医療圏と比べて多いデータとなっており、 一般病床は1627.08(全国平均1219.73)と多いことからもわかります。 この地域の中心的な病院をみると松江市立病院が中核病院に指定され、病床数470床を擁し救急・集中治療センター、消化器病センター、 緩和ケア病棟を抱えた病院として地域の医療連携の担い手となっています。 また松江赤十字病院も大病院となっていて、病床数670床を擁し、救急救命センターやICUを配備した中核病院となっています。 これら二つの病院がこの松江医療圏で重要な役割を果たしている病院だと言えます。
〈産婦人科医の不足・高齢化が目立つ、救急医療体制においては松江市立病院、松江赤十字病院が中心的な役割を果たす〉 この圏域での10万人対あたりの医師数はそれぞれ160.99(全国平均156.16)と若干多いですが、充分な数字であるとは言えません。 また島根県では深刻な医師不足と地域偏在が顕著となっており、この医療圏でもその特徴は大きくあらわれています。 特にこの圏域では産婦人科医師が不足しており、しかも大半が50歳以上と若手医師の不足が目立つ状況となっています。 一方で救急医療体制をみると救命救急センターである松江市民病院にヘリポートがあり、ドクターヘリによる救急搬送が行われています。 安芸市においては隣接した鳥取西部二次医療圏への搬送が行われており、鳥取県との連携もはかられている状態です。 二次救急まででは対応できない一刻を争う高度の処置が必要な重篤な救急患者に対応する救急医療である三次救急医療としては松江赤十字病院に救命救急センターが設置されています。 さらに救急業務のさらなる向上をめざした「松江・安来地区メディカルコントロール協議会」の設置や、救急救命士の養成や専門研修の充実、救急隊員の専任化を進めて対応しています。 また、松江市立病院では近年不足が懸念されている小児救急医療に力を入れているので、益々医師の力が必要とされている地域です。
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