地域によって様々な医師の転職市場。特に医師の募集状況や地域の特徴は二次医療圏ごとに異なります。
中濃での転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した地域別の転職お役立ち情報をお届けします。
〈岐阜県のほぼ中央にある二次医療圏で、気候のバリエーションが豊富〉
岐阜中濃二次医療圏は、関市、美濃市、美濃加茂市、可児市、郡上市、坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、御嵩町、東白川村の5つの市と7つの町、
そしてひとつの村から構成される岐阜県の中央部分にある二次医療圏です。
南西部には濃尾平野が広がっていますが、圏域は飛騨山脈などの山間部が面積のほとんどを占めており、その主な気候は暖かく湿潤な太平洋気側候となっています。
ただし標高の高い位置にある地方は中央高地式気候で、冬には大雪の降る豪雪地帯となっている地域もあります。
濃尾平野部はおもに市街地のほか農業地帯が発達し、山間部は林業が発達しています。
銘産となるのは梨やぶどう、柿などの果物で、関市の伝統工芸品として刃物等も名産品となっています。
〈鉄道は美濃加茂市・可児市付近を中心に4つの路線が走る状況〉
公共交通機関である鉄道はJR高山本線、JR太多線、名古屋鉄道広見線、長良川鉄道が医療圏内に走っています。
JR高山本線は岐阜駅から坂祝町、美濃加茂市などを経由して高山駅から富山県に至る路線でありJR太多線は高山から美濃加茂市の美濃太田駅、可児市、多治見市を通る路線です。
また、長良川鉄道は美濃太田駅が起点となり北濃地域に向かう路線です。そして名古屋鉄道広見線は愛知県の犬山市から可児市を通り、御嵩町までを結ぶ路線です。
道路交通の面では高速道路の東海北陸自動車道、東海環状自動車道が圏域内に走り、愛知県や富山県への自動車でのアクセスが容易となっています。
〈過疎の進んだ医療圏であり、病院数、診療所数ともに少ない状況〉
地域医療情報システムの統計データによると岐阜中濃二次医療圏の人口は2010年の国政調査の時点で、
約38万人となっており、人口だけで見ると岐阜県内の5つの医療圏内のうち第三位の順位となります。
しかし、面積あたりの人口で見ると飛騨二次医療圏についで少ない人口密度(155.84人/平方km)となり、過疎型となっている医療圏と言えるでしょう。
同様に岐阜中濃二次医療圏では病院数は18、診療所数は200となっていて、病院数、診療所数のみを見るとそれぞれ第三位の順位となりますが、
人口十万人対で施設数を見ると、病院は4.3と県内で最も少なく、診療所施設数は57.1と岐阜県内では中濃、西濃二次医療圏に次いで少ない数値となります。
岐阜中濃二次医療圏では中濃厚生病院が病床数383床で救急救命センター、へき地医療拠点病院としての役割を果たしており、
郡上市民病院が病床数150床で中濃厚生病院とともにへき地医療拠点病院の役割を担っています。
〈岐阜県内でも医師不足の進んだ医療圏、県全体で不足を改善する取り組みがなされている〉
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査によると、医師数は岐阜の二次医療圏では、医師数(施設別常勤換算人数)は529人となっていて、
人口10万人あたりで見ると138.3人となり、これは岐阜県の二次医療圏の中では最低の数値で、全国平均値の219.0に比べても極めて低い値となっています。
しかし医師数は年間数十名ずつ増えていっている傾向にあり、若干ではありますが改善の傾向が伺える状況となっています。
現在岐阜県では医師不足改善政策の取り組みとして、岐阜大医学部では岐阜県内出身の学生を優先して入学させる地域枠の設定や、
県が指定した病院で勤務することを条件とした医学生に向けての修学資金など、県内で働く医師を増やし、医師不足を解消するための制度改革が行われています。