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緩和ケアの医師転職お役立ちコラム
緩和ケアの「専門医取得要件」

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専門医取得要件-緩和ケア

1日本緩和医療学会の専門医制度について

〈日本緩和医療学会による専門医の詳細〉
特定非営利活動法人日本緩和医療学会による専門医制度が2008年(平成20年)に発足しています。これは「緩和医療専門医」と呼ばれるもので、専門医認定制度細則に様々な取り決めが定められています。
専門医制度を見ていく前に、1996年(平成8年)設立という比較的新しい学会である日本緩和医療学会について触れておきましょう。設立趣旨としては患者のクオリティ・オブ・ライフ、最近よく使われる表現でいくとQOLの向上を目指す緩和医療の取り組みという事です。海外に比べ十分とは言えない日本の医療、福祉の各専門分野を包括した緩和医療を確立させるのがこの学会の役割となっています。特定非営利活動法人になったのは2006年(平成18年)で、医学会加盟は2012年(平成24年)となっています。
ちょうどこの間の期間に立ち上がった専門医制度では、緩和医療専門医と共に暫定指導医という制度が設けてあります。専門医認定制度細則内にはこの二つと認定研修施設の審議、運営のための専門医認定・育成制度委員会の設置などが定められています。
またこの専門医の目的についてですが、専門医医師像として次のような内容が掲げられます。
・専門医は緩和医療の進歩に基づく治療とケアに精通し、国民の保健と福祉に貢献することが期待される。
・生命を脅かす疾患に伴う様々な問題に直面している患者と家族の身体的、心理社会的、スピリチュアル(spiritual)な諸問題の早期かつ適切な評価と対応を担う。
・これにより患者と家族の苦しみを予防し、苦しみから解放することを目標とする。
これらの事から専門医は,患者と家族を全人的に把握し、理解できる能力と資質を持ち、病気を疾患としてとらえるだけでなく、その人の人生の中で病気がどのような意味を持つかまでを見ていく存在と言えます。

2資格試験の概要と認定の要件

〈緩和医療専門医試験の概要と要件等の詳細〉
それでは、緩和医療専門医を取得するための条件を見ていきましょう。
【試験の概要】
試験は、専門医認定制度細則に定められた下記から成ります。専門医として十分な知識と技術を有していることを問う内容で、専門医認定試験作成WPGが問題を作成します。
○筆記試験
○口頭試問

【要件(申請資格)】
要件については2015年度専門医募集要項を基に見ていきましょう。研修の内容により2つに分かれます。
<認定研修施設における研修期間が 2 年以上の場合>
■日本国の医師免許を有する者。
■5年以上の緩和医療の臨床経験を有する者。または「がんプロフェッショナル養成プラン緩和医療専門医コース」を修了した者。
■日本緩和医療学会が認定する認定研修施設において2年以上の緩和医療の臨床研修を修了した者。
■下記の条件を満たし、自ら緩和医療を担当した20例の症例報告を提出すること。
・10例以上は認定研修施設の症例であること。
・20例のうち、「身体症状(疼痛)」「身体症状(疼痛以外)」「精神症状」「せん妄」「終末期の鎮静」「社会的な関わり」「スピリチュアルな関わり」を中心とした症例が1例ずつ以上あること。
■緩和医療に関する教育歴を2件以上有すること。
■緩和医療に関する筆頭の原著論文または症例報告、かつ学会発表の業績を有すること。
■日本緩和医療学会認定の講習会を1回以上受講していること。
■申請時点で2年以上継続して日本緩和医療学会会員であり、当該年度の会費を納めていること。

<認定研修施設外研修を利用した場合>
■日本国の医師免許を有する者。
■5年以上の緩和医療の臨床経験を有する者。または「がんプロフェッショナル養成プラン緩和医療専門医コース」を修了した者。
■以下の条件を両方とも満たす者。
・直接対面指導が可能な専門医または暫定指導医の承諾を得た上で、認定研修施設以外での研修開始から3か月以内に研修開始届けを提出してあること。
(研修開始前より提出可能)
・日本緩和医療学会が認定する認定研修施設における緩和医療の臨床研修が2年に満たず、2年より不足した月数の1.5倍以上の期間(認定研修施設での研修期間がない場合は3年以上)の認定研修施設以外での緩和医療の臨床研修を修了した者。
■下記の条件を満たし、自ら緩和医療を担当した20例の症例報告を専門医または暫定指導医の指導の下で作成し、提出すること。
・全例が認定研修施設あるいは認定研修施設外での研修を開始後の症例であること。
・20例のうち、「身体症状(疼痛)」「身体症状(疼痛以外)」「精神症状」「せん妄」「終末期の鎮静」「社会的な関わり」「スピリチュアルな関わり」を中心とした症例が1例ずつ以上あること。
■緩和医療に関する教育歴を2件以上有すること。
■緩和医療に関する筆頭の原著論文または症例報告、かつ学会発表の業績を有すること。
■日本緩和医療学会認定の講習会を1回以上受講していること。
■申請時点で2年以上継続して日本緩和医療学会会員であり、当該年度の会費を納めていること。
申請に必要な書類についても、認定研修施設における研修期間が 2 年以上の場合と認定研修施設外研修を利用した場合とで違って来ます。

3専門医更新の要件

〈緩和医療専門医を更新するための詳細〉
緩和医療専門医の5年ごとの更新については、専門医認定制度細則に定められています。申請に必要な書類は、下記の通りです。
1、緩和医療専門医更新申請書 職歴および診療実績
2、緩和医療専門医更新申請書 業績1部
3、業績を証明する写しまたは原本1部
4、その他、募集要項で求めるもの
これに更新料の支払いを行い、専門医認定更新試験を受験し、一定の基準に達していることが必要要件になります。

4専門医制度の現状と変化

〈時代の変化と共に変わる専門医制度〉
日本の専門医制度は全体的に見ると第三者機関である「日本専門医機構」へ移行していく過渡期にあります。緩和医療専門医に関しては今のところこの動きには入っていないため、模索している状態に見えます。
緩和医療専門医制度自体は受験医師数の伸び悩みなどの問題が指摘され、また専門医名簿を見れば他の科目と同じく都市に偏在している事も課題と言えるでしょう。

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