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石川県「能登北部医療圏」
二次医療圏
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石川県の二次医療圏「能登北部」の概要と特徴

1能登北部医療圏の概要

〈石川県北部で能登半島先端部と離島を含む4自治体による医療圏〉
石川県の二次医療圏である能登北部医療圏は、石川県の能登半島北部にあたる輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の4自治体で構成されています。医療圏の南側は同県の二次医療圏である能登中部医療圏に接していますが、他の西、北、東の三方は日本海に面しています。また、輪島市に含まれて毎日の定期船便がある舳倉島も本医療圏に含みます。
本医療圏の面積は約930平方キロメートル、平成23年の県推定人口が約7万4千人で、年齢区分割合は幼年人口が9.1%、生産年齢人口が51.1%、老年人口が39.7%と、老年人口の割合が県全体の23.7%や他の二次医療圏と比較しても突出しています。

2能登北部医療圏の特徴

〈水産業と観光業が産業の二本柱、東京から飛行機での直行便が有り〉
能登北部医療圏の主産業は、水産業と観光業です。水産業では富山湾や日本海の漁場で水揚げされた魚介類が中心で、特に日本海側の輪島港は石川県内でも有数の水揚高を誇ります。また富山湾側の能登町では岩牡蠣などの養殖業も行われていて、これらの水産物の出荷が本医療圏の中心産業です。
また観光業の面では、朝市をそのまま観光化した輪島朝市や、曹洞宗総本山総持寺などの観光資源、または海産物料理が主目的となった宿泊施設など、観光産業が本医療圏を支えるもうひとつの柱と言えます。
公共交通は、元々鉄道網は1990年代までは穴水町以外の自治体にも鉄道が通っていましたが、2000年代になって穴水駅以北の鉄道がすべて廃止されました。従って現在では穴水町以北はバス路線が唯一の足となっています。しかしバス路線も「金沢市や能登空港から直通で各地に向かうバス」が主流となっていて、医療圏内を結ぶバス便は十分とはいえない状況です。従って本医療圏では自家用車の利用が懸命と言えます。
また道路の面では、国道249号線が能登半島をぐるりと一周する形でほぼ海岸線付近を通り、各自治体間を結んでいます。能登半島自体が急峻な地形ではないので半島を横断する県道も多く敷設されているため、観光シーズン以外では本医療圏は自家用車の利用は不自由が無いでしょう。また、のと里山空港が本医療圏内に開港して、毎日羽田空港まで2往復の便があり、空港に無料駐車場が完備されているので、東京方面への出張も短時間で行いやすくなっています。

3能登北部医療圏の医療体制の現状

〈入院患者の医療圏外の流出が問題だが、石川県の行政方策で将来は回復の傾向に〉
能登北部医療圏では市立輪島病院が中核病院の役割を担いますが、医療圏の面積が広いために他の公立病院である珠洲市総合病院や公立穴水総合病院、公立宇出津総合病院などが中核病院の役割を分担しています。本医療圏にはこれらの病院を含めて平成23年10月時点の厚生労働省の調査で5の病院と58の一般診療所があります。
本医療圏の医療体制としての現状として、入院患者の二次医療県外への流出があります。石川県福祉部の平成23年での患者1日調査によれば、本医療圏に在住する入院患者のうちの35.9%が他の医療圏外に流出している現状があります。流出先は隣接する能登中部医療圏よりも、県庁所在地である金沢市を含む石川中央医療圏への流出が入院患者の約25%で多く、本医療圏の入院患者のうち4人に1人が石川中央医療圏に、10人に1人が能登中央医療圏への入院を選択していることになります。
この点は二次医療圏見直しの対象項目となりえますが、今回の医療計画では、「患者の日常の生活圏域や身近な地域での入院医療の確保・充実のための地理的条件なども考慮した」上で、本医療圏を見直すことはしませんでした。ただし今後は医療の需給状況の改善に向けた取り組みを推進していく方針を石川県としても定めています。
例えばがんについては、石川中央医療圏に存在する「石川県立中央病院と金沢医科大学病院」が本医療圏の地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たす等の役割分担を行い、その中で本医療圏への支援や指導を実施していく対策を立てています。
このように石川県は広く人口も一部地域に密集しがちですが、本医療圏を本医療圏外にあたる県庁所在地の病院が支援することで、現状の医療資源を継続させて次項で述べる将来の医療の充実に向けて行政の対策を行っています。

4能登北部医療圏の医師数の現状

〈過去の医師数不足も、石川県の先々を見据えた医療行政の成果が実りつつあり回復に〉
平成22年12月末現在の厚生労働省の調査によれば、能登北部医療圏の人口10万人あたりの医師数は201.2人で、全国平均230.4人や石川県の平均241.0人との比較でも低い値となっています。ただしこの値は石川県が医師増の対策を既に進めている結果で、医師の確保のために平成22年度からの金沢大学と金沢医科大学への寄附講座等設置による診療支援、及び自治医科大学卒業医師の派遣、そして地域医療人材バンクでの医師斡旋等を行政施策として実施しています。
これにより本医療圏における公立4病院の医師数は回復していて、平成24年度での医師充足率は97.4%と、平成15年度と比較して12ポイント上昇しています。
さらに、現在は長期的対策として、将来の地域医療を担う医師の確保のため、平成21年度から金沢大学医学類に特別枠を設けており、卒業後に臨床研修を経て、平成29年度から順次本医療圏の病院を中心に勤務することとなっている点や、修学資金制度を活用することで特定診療科の医師確保を行うこと、更には幅広い分野の診療に対して総合的に対処可能な医師確保の観点から、平成23年度に設置した「能登地域総合診療強化研究会」を中心に、指導医や臨床研修医等に対する研修会の開催を継続して実施することで、総合診療に係る若手医師への指導体制強化を図るなど、本医療圏への医師不足解消への将来への布石も実行しています。
このような施策が継続して実行されることで、今後は救急搬送の迅速さが重要なファクターとなる脳血管疾患や急性心筋梗塞等の年齢調整死亡率も改善され、将来的に本医療圏の医療環境は良くなると考えられます。

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