泌尿器科の医師転職お役立ちコラム
泌尿器科の「学会」
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▲医師の転職お役立ちコラム一覧へ主な学会の概要-泌尿器科 日本泌尿器科学会
1日本泌尿器科学会について
〈日本泌尿器科学会の概要〉
日本泌尿器科学会は、正式名称を「一般社団法人日本泌尿器科学会」と言います。日本医学会に所属する分科会の一つです。
事務局は東京都文京区湯島の斉藤ビル内にあり、東部、中部、西日本の3つの支部を持ち、平成24年12月31日現在の会員数は全国で8,265名です。
入会については、一般社団法人日本泌尿器科学会定款第3章第5条にて
・正会員:泌尿器科学について学識又は研究経験のある個人
・賛助会員:本会の事業を援助する個人又は団体
という各会員が定められて、更に本学会に功労のあった者で、総会で承認された者を「名誉会員」とすることが決められています。
2日本泌尿器科学会の沿革とその活動内容
〈日本泌尿器科学会の成立と改革、現在行われている教育面での活動内容〉
泌尿器科学は元々皮膚科学とともに日本にもたらされたことで、明治時代後期までは日本皮膚科学会に包括されていました。1908年(明治41年)に国際泌尿器科学会が誕生したことから日本でも泌尿器科独自の学会設立が求められ、1912年(明治45年)に「日本泌尿器病学会」が設立されました。1985年(昭和3年)に現在の日本泌尿器科学会と改称して、1991年(平成3年)に社団法人として認可されたことで現在の正式名称に改称されました。現在は公益法人制度改革により、一般社団法人に指定されています。
日本呼吸器学会の英文表記は“The Japanese Urological Association”です。“JUA”という略称も使われています。本学会では日本語機関誌として大正元年創刊の「日本泌尿器科学会雑誌」を季刊で年4回、英語機関誌として “International Journal of Urology”を年12回毎月発行して、会員の教育面での支援を行っています。いずれも本学会員にネット上での閲覧や論文投稿を可能としています。
また、元々日本語機関誌に含まれていた「学会総会特集号(抄録号)」を電子媒体にて発行するとともに、会員向けに視聴覚資料である「Audio-visual journal of JUA」及び学会内の新聞にあたる「ニュースレター JUA plus」の発行を行っています。
3目的と取り組み
〈日本泌尿器科学会の目的と具体的事業、そして日本泌尿器科学会が認定する専門医制度〉
日本泌尿器科学会は定款の第2章第3条にて「泌尿器科学の進歩と普及を図り、もって学術の発展と国民の健康の増進に寄与する」(一般社団法人日本泌尿器科学会定款第2章第3条引用)ことを目的としています。そして第2章第4条にて目的の達成のため、国内で次の事業に取り組んでいます。
1.学術集会、研究会等の開催
2.啓発活動の実施
3.学会誌、その他出版物の刊行
4.学会専門医等の認定
5.研究及び調査の実施
6.研究の奨励及び研究業績の表彰
7.内外の関連学術団体等との連絡及び協力
8.その他、本会の目的を達成するために必要な事
(一般社団法人日本泌尿器科学会定款第2章第4条引用)
こうした事業を支えるために、本学会では前項で述べた機関誌の発行を行うとともに、全体での総会と各支部の総会をそれぞれ年に1回ずつ開催し、更に各支部内での地方会を頻繁に開催しています。それに加えて会員に向けて「国際泌尿器科学会」や「国際泌尿器内視鏡学会」、「国際前立腺がん学会」等、さらに国内の泌尿器関連疾病に関わる各学会や研究会の開催の案内を行うなど、熱心に会員医師の教育を行う環境を整えています。また毎年「教育ワークショップ」を開催しての若手医師の育成や、泌尿器科で扱う疾病の「診療ガイドライン」の作成により泌尿器科医が働きやすい環境づくりを進めるなど活発な活動を行っています。
一方で本学会では「泌尿器科専門医」を設置しています。1986年(昭和61年)に制度が制定され1991年(平成3年)から始まったこの専門医制度は、泌尿器科の医療の進歩に応じて高度な知識と技術を取得した泌尿器科臨床医の養成を行い、国民の健康に貢献することを目的として制定されました。泌尿器科の医療環境が大きく進展したことで2015年(平成27年)に泌尿器科専門医に関する新しい基準が定められ、今後新しい基準での専門医資格を有する医師の待遇等に有利に働くことが期待されます。
4仕事上での利点や今後の需要
〈内科と外科両方のスキルが身に付く上に、高齢化社会のQOL向上に直結する疾病に役立つ〉
医師が泌尿器科を学ぶ利点は、泌尿器科で扱う疾病の治療が内科系と外科系の両方にまたがっている点にあります。基本的に泌尿器科医は患者毎に内科的手法と外科的手法との両方を用いてその時々の症状や容態を判断しながら治療を行うことが必要で、結果として内科医の分野と外科医の分野の両方のスキルが身に付くという利点があります。泌尿器科では「診断から治療、緩和ケアまでひとつの科で完結する」という特徴があるため泌尿器科の臨床で学ぶ知識や技術も多いですが、逆に言えば内科と外科の範囲にとらわれない多彩な治療を経験することになります。この点は結果として内科医と外科医のスキルの両方を高めることとなり、自身の総合診療医としての能力を高めることが可能となります。
また、日本の高齢化社会が急速に進行する中で、今までの泌尿器関連の疾患以外にも、「前立腺肥大症/過活動膀胱」等QOLの低下に関わる疾患への対策も必要になりつつあり、高齢化社会の中での泌尿器科の役割がより高くなっています。
更に近年、中高年の女性の半数近くは頻尿や尿失禁等の「下部尿路症状」を有することが明らかになっていますが、泌尿器科の受診に恥しさを感じてQOLを低下させている女性の方々も多く見られるような現状があり、この点を緩和するために女性の泌尿器科医の需要も高まっています。
このような点から都道府県の保健医療計画で進められているかかりつけ医としての総合診療医を目指すという視点と、高齢化社会の中で各性別でのQOLを上げるという視点で、泌尿器科のスキルを持つ医師の需要がこの先さらに増加することが予測されます。
参考資料
- 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 日本医学会分科会情報: 日本泌尿器科学会(日本医学会)
- 日本泌尿器科学会の歴史 学会概要 当学会について 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 会員状況 学会概要 当学会について 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 定款 会則・規則 当学会について 一般社団法人日本泌尿器科学会
- International Journal of Urology 学会誌 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 日本泌尿器科学会雑誌 学会誌 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 学会開催案内 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 泌尿器科の未来を語る 泌尿器科医をめざそう! 医学生・研修医のみなさまへ 一般社団法人日本泌尿器科学会
- 岩手医科大学泌尿器科学講座
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