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緩和ケアの医師転職お役立ちコラム
緩和ケアの「訴訟事例」

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訴訟事例-緩和ケア

1緩和ケアの訴訟

〈ここで扱う内容について〉緩和ケアはガンとの関わりが深い分野です。ですからここでは対象となるガンを含めた訴訟や医療過誤の事例、その傾向について紹介していきます。ただし治療ミスなど特定の診療科目にかかるものは、予め対象外としておきます。ですので自ずとガンと患者、そして医療機関の三者で何かしらの意思の疎通が図られないといった場合の事故が目立って来ます。

2緩和ケアに関連する訴訟事例

〈実際の訴訟事例〉
次に緩和ケアに関連する訴訟事例をいくつか見ていきましょう。
【事例1】
東京地方裁判所 平成24年7月26日判決 損害賠償請求事件
患者(男性・当時57歳)は2003年3月に食道がんと診断され、某病院の医師から外科手術または根治的放射線化学療法を勧められました。しかし、患者は新免疫療法を希望。被告医師宛の診療情報提供書を持参し、4月に被告医師の医療機関を受診しました。
被告医師は、患者に標準治療と新免疫療法との併用を勧めましたが、患者は新免疫療法の単独治療をあくまで希望。そこで、まずは単独で治療して経過を観察し、がんの進行が認められれば標準治療を併用することにし、経過観察の画像検査をA医大で受けるように説明しました。
ところが、被告医師が8月に患者に確認したところ、経過観察の検査を受けていないとのこと。12月に腫瘍マーカーの悪化傾向や胃のもたれ、腹部の膨満感などを訴えたので、がんの進行を疑って検査を受けるよう指示しましたが、これも受けないままでした。
結局、患者がB病院で検査を受けたのは、翌年5月6日。胃接合部にボールマンI型病変の腫瘍が認められた。B病院は、患者と配偶者に放射線治療、外科的手術、抗がん剤治療を提案。しかし、ここでも患者は拒否。治療法の選択は被告医師と相談すると述べ、同月8日に相談した被告医師からは、根治手術および放射線治療と新免疫療法との併用を提案されました。
同月24日、患者はC大学病院を受診、最後のチャンスと手術を説得されましたが拒否。6月7日にA医大に入院し、放射線治療と抗がん剤治療を受けたものの、肝臓・肺へ転移し、同年10月1日に死亡しました。この経緯において、被告医師に損害賠償請求がなされました。
引用元:患者が拒否した治療の説明不足で損害賠償(Pioneer Medical Info Service)

【事例2】
患者は多発性骨髄腫のため東海大学医学部付属病院に入院していました。家族にのみ病名が告知されており、平成3年4月13日、昏睡状態が続く患者について、妻と長男は治療の中止を強く希望し、助手は、患者の嫌がっているというフォーリーカテーテルや点滴を外し痰引等の治療を中止しました。長男はなおも「いびきを聞くのがつらい。楽にしてやって下さい。」と強く主張し、医師はそれに応じて、鎮痛剤、抗精神病薬を通常の二倍の投与量で注射しました。しかしなおも苦しそうな状態は止まらず、長男は「早く家につれて帰りたい」と求めました。そこで助手は殺意を持って、塩酸ベラパミル製剤を通常の二倍量を注射しましたが、脈拍等に変化がなかったので、続いて塩化カリウム製剤20mlを注射し、患者は同日、急性高カリウム血症に基づく心停止により死亡しました。その後このことが発覚し、助手は殺人罪により起訴されました。
引用元: 安楽死についての裁判ではどのような判断がなされましたか(朝日中央インターネット法律相談

次は医療訴訟ではありませんが、ガンに関わる事件として紹介します。
【事例3】
 同意の上で末期がんだった長男(64)を殺害したとして、大阪府警和泉署は19日、承諾殺人容疑で同府和泉市伯太町の無職、容疑者(85)を逮捕した。
逮捕容疑は8月28日午前3時ごろ、長男の同意を得た上で、自宅で長男の首をひものようなもので締めて殺害したとしている。
同署によると、室内には争った形跡がなく、長男が書いたとみられる遺書のようなメモが見つかった。容疑者と長男は2人暮らし。長男は当時、末期の乳がんだったという。
引用元: 末期がんの長男殺害 承諾殺人で母逮捕 和泉署(産経WEST)

3緩和ケア関係の訴訟の現状

〈緩和ケアの特性と関係が深い事故〉
ここまで見てきたように、緩和ケアが直接的に訴訟対象となる事例は多く見られません。逆に言うといつ、どういった形でガンに関わる医療では訴訟や事故が襲って来るか予想できないものがあります。またガン告知については、緩和ケアとも非常に関係性の高い問題と考えられます。
末期、または進行期のガンに対しての高度医療を選択しなかった場合の緩和ケアという観点でこの分野を見れば、患者やその家族との非常にナーバスな関係の上に成り立つと言えます。それだけに細心の注意を日頃から払う医師と現場の姿が見えて来ます。

4緩和ケアの訴訟への対処

〈医療事故を防ぐための医師たちの取り組み〉
実際にガン告知については、医療現場でもさまざまな意見があります。緩和ケアの立場で見るとクオリティ・オブ・ライフ、またインフォームドコンセントは重要です。インフォームド・コンセントは現在の医療現場においてよく言われるものですが、患者の内面により深く関わっていく緩和ケアは、これに加え患者との十分な意思の疎通が一層必要な分野と言えるかもしれません。
勤務先がこられにどの程度理解があるかは、訴訟リスクを回避するという意味でも重要な指針になりそうです。

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