血液内科の医師転職お役立ちコラム
血液内科の「学会」
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診療科によって様々な医師の転職市場。特に医師の求人・募集状況や転職時のポイントは科目ごとに異なります。血液内科医師の転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した血液内科医師向けの転職お役立ち情報をお届けします。
▲医師の転職お役立ちコラム一覧へ主な学会の概要-血液内科 日本血液学会
1日本血液学会について
〈日本血液学会の概要〉
日本血液学会は、正式名称を「一般社団法人日本血液学会」と言います。日本医学会に所属する分科会の一つです。
事務局は京都事務局が京都市中京区烏丸通二条の前田エスエヌビル、東京事務局が東京都文京区本郷の日内会館内にあり、京都と東京の事務局でそれぞれ役割を分担しています。全国に北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、九州の8の地方会を持っています。
入会については、一般社団法人日本血液学会定款第3章第5条にて
・正会員: この法人の目的に賛同して事業に積極的に協力する意思のある個人
・賛助会員: この法人の事業に財政的支援を行なう個人または法人
と定められていて、正会員になるのに医師である条件は含まれていません。平成25年8月31日現在の正会員数は全国で7,007名、賛助会員数は21です。また同時に本学会に功績のあった個人に名誉会員、本学会に貢献した個人に功労会員の称号を贈ることも定められています。
2日本血液学会の沿革とその活動内容
〈日本血液学会の成立と改革、会員への機関誌の発行内容〉
日本血液学会は1937年(昭和12年)に現在の名称で設立されました。
1959年(昭和34年)に当時の「日本臨床血液学会」が分離してその後は2つの学会が並立していましたが、2002年(平成14年)以降の学術集会の同時期開催、合同開催を経て、2008年(平成20年)に統合され、現在の日本血液学会となりました。1990年(平成2年)には社団法人化、現在は公益法人改革として一般社団法人へ移行されています。
日本血液学会の英文表記は“The Japanese Society of Hematology”です。“JSH”という略称も使われています。
本学会では英語機関誌として “Official Journal of the Japanese Society of Hematology”が、日本語機関誌として「臨床血液(The Japanese Journal of Clinical Hematology)」をそれぞれ年12回毎月発行して、会員の教育面の支援を行っています。いずれも正会員ではネット上での閲覧、及びネットからの論文投稿が可能となっています。
3目的と取り組み
〈日本血液学会にて定められた目的と具体的事業、そして血液学会が認定する専門医制度〉
日本血液学会は定款第2章第3条にてその目的を、「血液学の発展に意義ある学術的研究を支援し、医学教育と血液診療の向上に必要な学術調査や人材育成を積極的に推し進めることにより、学術の発展及び福祉の向上に寄与する。」(一般社団法人日本血液学会定款第2章第3条の引用)としています。そして第4条にて目的の達成のため日本全国で次の事業に取り組んでいます。
1.学術集会、研究等の開催
2.学会誌、術論文集その他出版物刊行
3.教育、研究及び学術調査の実施
4.研究の奨励及び業績表彰
5.血液専門医の認定と育成
6.診療指針の作成と血液向上推進
7.関連団体との絡及び協力
8.国際的研究協力の推進
9.その他この法人の目的を達成するために必要な事業
(一般社団法人日本血液学会定款第2章第4条の引用)
こうした事業を支えるために、本学会では年に1回の学術集会とJSH国際シンポジウムを開催するとともに、各地方会が年に1~2回の頻度で開催されています。その他前項で述べた機関誌の発行や、疾病の診察と治療のガイドラインを定めた「造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版」の発行などを行い、会員医師の教育やスキルアップを行っています。また研修医に向けては「研修医(初期、後期)のための血液学セミナー」を年1回、若手医師に向けては「若手臨床血液学セミナー」を2年に1回開催するなど、研修医や若手医師の教育にも力を注いでいます。
その一方で本学会では「日本血液学会専門医制度」を設置しています。日本血液学会専門医規則の第2章に「血液学会専門医」について、第4章に「研修施設と指導医」についての認定の概要が掲載されていて、血液内科で十分なスキルを持った医師への資格の認定を行っています。
4仕事上での利点や今後の需要
〈血液内科が内科医としてのスキルを最も持つ理由と、血液内科医の需要が期待される理由〉
一般的に血液内科の対象疾患は白血病や悪性リンパ腫等の造血器悪性腫瘍、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群等の貧血症、血友病やvon Willebrand病等の出血性の病気など難病とされているものが多く、そのために内科の中でも特殊な科として見られがちです。しかし一方で血液内科には利点としての大きな特徴があります。
まず血液内科では基礎研究として学んだ知識や技術の進歩を、そのまま臨床の場で生かせる医療分野であることです。特に分子生物学、生化学、免疫学、病理学などの基礎的な分野や、遺伝子診断遺や分子標的療法などの分野は、研究が臨床に直結して生かせることで、研究と臨床のどちらの場においても非常にやり甲斐を感じると考えられている血液内科の現役医師の皆さんが多いようです。
次に血液内科では、貧血や発熱、出血など日常の臨床医師として経験する基本的な症状から、迅速に診断をつけていく技能が求められます。臨床所見と検査所見などの確認の上で論理的に分析を進めて迅速に確定診断を下すことや、患者の症状の急変などの際にその状況から適切な措置を取る必要に迫られるケースが医療現場で数多く行う必要が生じるためです。この技能は本来血液内科以外の医師でも必要ですが、特に対応する外科を持たない血液内科ではこの技能が特に重要で、多様な症状の患者を取り扱うことで症状から理論的に分析を行って診断をつける能力が最も身につく治療科と言っても過言ではありません。この技能が将来の転職を考える医師の皆様には、どの診療科においてもとても必要とされるスキルになると考えられます。
さらに血液内科では、最先端の医療に触れる機会がとても多いことが挙げられます。例えば細胞表面抗原、造血幹細胞移植、再生医療、遺伝子診断分子標的療法などの最先端の医療をいち早く治療に取り入れて患者の治療にあたる機会が多いことで、現在最先端と言われている各医療が一般に普及した際に、各医療機関で医療スキルを医療関係者に指導する立場としての需要が増えることが期待されます。
このように血液内科には内科医としてのスキルの多くを学ぶ環境が整っていることで、逆に血液内科を学んだ医師の皆様には、転職時にその内科医としての多くのスキルを必要とする医療機関からの需要が数多く期待できます。
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