内分泌・乳腺外科の医師転職お役立ちコラム
内分泌・乳腺外科の「学会」
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診療科によって様々な医師の転職市場。特に医師の求人・募集状況や転職時のポイントは科目ごとに異なります。内分泌・乳腺外科医師の転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した内分泌・乳腺外科医師向けの転職お役立ち情報をお届けします。
▲医師の転職お役立ちコラム一覧へ主な学会の概要-内分泌・乳腺外科 日本乳癌学会
1日本乳癌学会について
〈日本乳癌学会の概要〉
日本乳癌学会は、正式名称を「一般社団法人日本乳癌学会」と言います。日本医学会に所属する分科会の一つです。
本部事務局は東京都中央区日本橋のぶよおビル内にあり、全国に「北海道」、「東北」、「関東」、「中部」、「近畿」、「中国四国」、「九州」の7の支部を持っています。
入会については、評議員の推薦が必要で、
・正会員 : 医師及び医学研究者
・準会員 : 看護師、診療放射線技師、臨床検査技師など
と定められています。2014年10月28日現在の会員数は全国で9,846名です。
2日本乳癌学会の沿革とその活動内容
〈日本乳癌学会の成立と改革、現在行われている教育面での各種活動内容〉
日本乳癌学会の歴史は、前身である「乳癌研究会」が1964年(昭和39年)に最初の学術集会が開催したところから始まります。その後1993年(平成5年)から「日本乳癌学会」が発足することになりました。2008年(平成20年)からは一般社団法人化され、日本医学会加入などさらに社会性を高めています。
日本乳癌学会の英文表記は“The Japanese Breast Cancer Society”です。本学会では英語機関誌として “Breast Cancer”を電子版で、また医療の情報交換等に利用可能な「乳癌ニュースレター」をそれぞれ季刊としてそれぞれ年4回発行しています。
3目的と取り組み
〈日本乳癌学会にて定められた目的と具体的事業、そして乳癌学会が認定する専門医制度〉
日本乳癌学会は定款第5条にてその目的を、「乳癌に関する基礎的ならびに臨床的研究を推進し、社会に貢献するとともに、社員及び会員である医師等の乳癌の研究、教育及び診療の向上を図ること。」(一般社団法人日本乳癌学会定款第3条から引用)を目的としています。そして第4条にて目的の達成のため、次の事業に取り組んでいます。
1.学術集会の開催
2.機関誌の発行
3.国内、外の関連学術団体との提携および交流
4.専門医制度に関する事業
5.その他本法人の目的を達成するために必要な事業
(一般社団法人日本乳癌学会定款第4条から引用)
こうした事業を支えるために、本学会では「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン1 治療編 2015年版」及び「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン2 疫学・診断編 2015年版」の出版、そして「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライ2015年Web版ガイドライン」の公開を行うなどして、医療関係者への乳癌治療のガイドラインを作成しています。さらに一般市民に向けて日本乳癌学会学術総会での市民公開講座の開催や、「データで見る乳がん 全国乳がん患者登録調査報告」の公開、「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2014年版」の発行を行うなどして、一般市民への乳癌への啓発活動を行い、理解を求める等の取組みを行っています。
その一方で本学会では「乳腺専門医制度」を設置しています。この専門医制度は「乳腺疾患の高度かつ専門的な知識と診療技能を有し、指導的立場になり得る者」を認定するために設置された制度で、乳腺診療の分野で一定の研修業績や診療経験を有する医師の中から希望者を審査によって認定するものです。
そのため、専門医と認定された医師の職場での待遇等に有利な条件となるような現状があります。2015年07月21日現在で掲載されている専門医数は1,333名です。ただし2016年からの専門医制度についての条件変更があります。
4仕事上での利点や今後の需要
〈女性の死亡率で高い割合を占める乳がんの対策として、行政施策としての重要性が増〉
近年は日本を含めて世界的に女性の乳がんが急増しています。日本では厚生労働省の統計によれば、平成26年の女性のがんによる死因の中では死亡者の実数及び人口10万人あたりの死亡率とも4位となっています。さらに統計を取り始めた昭和30年代からずっと増え続けていて、現在ではどの都道府県の保健医療計画においても「女性の乳がん予防対策」が挙げられています。例えば東京都南多摩医療圏での地域保健医療推進プランでは、世界的に行われている「乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を伝える運動」である「ピンクリボンキャンペーン」を導入して、乳がんに対する啓発活動を行っています。
このような現状がある中、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療につながる内分泌・乳腺外科の需要が年々高くなっています。40歳代、50歳という家庭で最も頼りにされる年代に乳がん発症のピークがあることで、この年代の女性を乳がんから救う対策のため、内分泌・乳腺外科の重要性が増しています。これにより乳がんへの羅患率を下げることが可能なためです。
内分泌・乳腺外科の役割としては、まずは乳がんの早期診断/早期治療です。最新の画像診断の組み合わせで、触診では発見できない早期のがんの診断が可能になっていることから、内分泌・乳腺外科の持つスキルが求められています。
一方で乳がんの治療においては、近年効果が向上した乳房温存療法をはじめとして、それぞれの病状に応じた化学療法(抗がん剤)、内分泌療法、放射線治療や、最新の「がん遺伝子を標的とする分子標的治療と抗がん剤を組み合せた治療法治療」等を用いて、乳がん治療への効果が高まり、乳がんの治療を受ける患者がQOLの高い治療法を選択することが可能となっています。
このように乳がんの発見、診断、治療とも過去と比較すると格段の進歩が認められ、そのスキルを有する内分泌・乳腺外科の需要は、今後も全国で引く手あまたで求められることになるでしょう。
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