リハビリテーション科の医師転職お役立ちコラム
リハビリテーション科の「専門医取得要件」
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1日本リハビリテーション医学会の専門医制度について
〈日本リハビリテーション医学会による資格試験〉
公益社団法人日本リハビリテーション医学会による「リハビリテーション科専門医」には、専門医制度に関する規則の第1条に次の事が掲げられています。
“リハビリテーション医学に関する学術の進歩と医療の発展のために貢献することを目的として、日本リハビリテーション医学会専門医制度について定める。”
“この専門医制度はリハビリテーション医学・医療に関する専門的な知識や技術を有する医師を認定するものである。”
以上の事からリハビリテーション科専門医はリハビリテーション医学の発展、及び専門医知識や技術を有する医師の育成と認定を行っていると考えれば良いでしょう。より具体的に学会では
“運動障害、認知障害を横断的、総合的に診る専門家。”
として紹介しています。さらに業務内容も挙げていきましょう。
・疾病や障害の診断・評価・治療、リハビリテーションゴールの設定。
・理学療法、作業療法、言語聴覚療法、義肢・装具等の処方。
・運動に伴うリスクの管理、リハビリテーションチームの統括、関連診療科との連携。
また診療の対象となる疾患・障害も脳卒中や外傷性脳損傷、脊髄損傷、関節リウマチなどいくつも挙げられます。
こうした幅広い内容を受け持つ専門医の数は、2013年(平成25年)で1,930人となっています。
またこの専門医制度は専門医の生涯教育といった意味を含め、5年毎の更新となっています。
2資格試験の概要と認定の要件
ハビリテーション科専門医試験の概要と要件等の詳細〉
それでは専門医資格試験と申請要件について見ていきましょう。
【試験の概要】
試験の概要については、専門医の認定に関する申し合わせ内に記載されています。
○筆答試験
専門医としての基礎知識を考査。
試験問題委員会が作成。 ○口答試験
臨床を含めた専門医としての資質を確認。
認定委員会及び理事長が委嘱した試験特別委員が実施。
【要件(申請資格)】
専門医の申請にあたっては、専門医の認定に関する内規に定められています。
■医師免許取得後5年以上、及び本医学会加入後3年以上を経過していること。
■日本リハビリテーション医学会の定めた専門医制度卒後研修カリキュラムに基づき本医学会が認定する研修施設において3年以上の研修を行ったものであること。
■日本リハビリテーション医学会における主演者の学会抄録2篇を有すること。
■前項の2篇のうち1篇は、本医学会地方会における会誌掲載の学会抄録または地方会発行の発表証明書をもってこれに代えることができる。
■自らリハビリテーション医療を担当した30症例の症例報告を提出すること。
■自らリハビリテーション医療を担当した100症例のリストを提出すること。
次に、出願書類についてです。専門医認定試験の実施に関する申し合わせに定められています。
1、所定の認定申請書(上半身の写真を貼付したもの)
2、医師免許証の写し
3、履歴書(上半身の写真を貼付したもの)
4、内規第2条(2)に関する研修証明書
5、日本リハビリテーション医学会における主演者の学会抄録2篇の写し
6、内規第2条(5)に掲げる症例報告(経験症例の要約30症例)
7、症例リスト(経験症例一覧表)
これに審査料を納入し、手続きとなります。
なおリハビリテーション科専門医の最近の合格率は70~80%となっています。
3専門医更新の要件
〈リハビリテーション科専門医を更新するための要件に関する詳細〉
5年ごとの更新に関しては、専門医の生涯教育及び資格更新に関する内規に定められています。
大きな内容としては
■5年間に200単位を履修
■医療倫理・安全に関する講演受講、専門医活動報告
となっています。単位の履修及び要件は、下記に示す通りです。
・履修大項目は学会参加、教育研修講演等受講、論文、学会発表等とする。
・大項目に定める項目及び単位は、別に定める。
・200単位のうち、本医学会年次学術集会参加による単位、専門医会学術集会参加による単位を必須とする。
また、日本リハビリテーション医学会年次学術集会または専門医会学術集会での医療倫理・安全に関する講演の受講が必須となっています。専門医活動報告の項目としては専門医診療活動、医療倫理と安全に関する自己研修となっています。
4専門医制度の現状と変化
〈時代の変化と共に変わる専門医制度〉
専門医制度自体が大きく変わるように動いています。各学会から第三者機関である「日本専門医機構」へと専門医制度が移行されていく流れです。リハビリテーション科専門医は基本領域専門医となっている事から、新制度への動きが活発です。既に学会のWebサイトには“新専門医制度について”というカテゴリが設けられ、更新も含めた新制度での内容説明会などもアナウンスされています。冒頭で紹介したリハビリテーション科専門医の目的や業務は地域のリハビリテーション現場でも強く求められていて、制度の変更と共にそれがどう変わっていくかも気になる所です。
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