心臓血管外科の医師転職お役立ちコラム
心臓血管外科の「専門医取得要件」
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1心臓血管外科専門医認定機構の専門医制度について
〈心臓血管外科専門医認定機構による専門医の詳細〉
「心臓血管外科専門医」は、心臓血管外科専門医認定機構による専門医です。心臓血管外科専門医認定機構は特定非営利活動法人日本胸部外科学会、特定非営利活動法人日本心臓外科学会、特定非営利活動法人日本血管外科学会により構成される団体です。業務としては専門医に関わる次のものを行っています。
■心臓血管外科専門医制度の整備。
■心臓血管外科専門医の認定業務、登録業務、更新業務。
■心臓血管外科専門医認定修練施設の認定業務。
■その他、前条の目的を達成するために必要な業務。
また専門医制度の目的としては、心臓血管外科専門医制度規則内に次のものが明記されています。
“心臓血管外科を専門とする医師について公正かつ明解な認定を行うことによって、国民の福祉に貢献することを目的とする。”
専門医の数としては、2013年(平成25年)で1,880人となっています。
またこの専門医制度には5年ごとの更新も定められています。
2資格試験の概要と認定の要件
〈心臓血管外科専門医試験の概要と要件等の詳細〉
それでは、まずは心臓血管外科専門医の試験内容から見ていきましょう。2015年心臓血管外科専門医認定試験の案内を基にしていきます。
【試験の概要】
○問題数
100問(必修問題は30問、選択問題は110問中70問を選択。)
○問題形式
必修問題はA1タイプ(5つの選択肢から1つの正解を選ぶ形式)、ただし一部例外あり。
選択問題はA1タイプかX2タイプ(2つ選ぶ方式)。
内容、及び難易度について、必修問題は専攻分野に関係なく心臓血管外科医の基本的知識を問うものとなっています。どの医師も80%程度正答するレベルとされ、知識の有無を問う「想起型」の問題と設定されています。選択問題は臨床経験から得られた専門的知識、臨床判断力、問題解決力を問う高いレベルの内容となっています。各分野の専門医師であれば、70%程度正解できるレベルで設定されていて、選択問題は選択一般問題と選択臨床問題で構成されています。
また既出問題の一部が機構のWebサイト上に掲載されています。
http://cvs.umin.jp/spcl_test/index.html
【要件(申請資格)】
2015年心臓血管外科専門医申請のお知らせに記載された申請要件です。
■日本国の医師免許証を有すること。
■外科専門医あるいは外科専門医筆記試験合格者であること。
(ただし、外科専門医筆記試験合格者においては、心臓血管外科専門医を認定する時点では、外科専門医資格が必要)
■卒後修練期間7年以上を有すること。
■認定修練施設において3年以上の修練期間を有すること。
■修練期間中に別に定める手術経験を有すること。
(心臓血管外科専門医認定のための臨床経験評価方式)
■心臓血管外科学に関する一定の業績を有すること。
規定の論文・著書や学会発表、セミナー参加等。
■申請時において、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会の内の少なくとも2学会の会員であり、それぞれ3年以上の会員歴を有すること。
■主たる認定修練施設の修練責任者からの申請者の評価を含めた推薦状を添付すること。推薦状には修練責任者の自筆署名と署名日をつけること。
■新規申請者は少なくとも直近3年間は修練医登録を行っていなければならない。
(2015年申請者は2年以上、2016年以降の申請者は3年以上有すること)
次に、出願書類についてです。2015年心臓血管外科専門医申請のお知らせに記載された内容を基に紹介します。
1、申請書式
2、医師免許証(写)
3、外科専門医認定証(写)あるいは外科専門医筆記試験合格証(写)
※外科専門医筆記試験合格者においては、心臓血管外科専門医認定時点で外科専門医は必要。
4、各種添付文書
※論文の別刷りまたはコピー等。
なおこの認定試験の合格率は、毎年70%ほどになっています。
3専門医更新の要件
〈日本老年病学会専門医を更新するための要件に関する詳細〉
心臓血管外科専門医の5年ごとの更新については、心臓血管外科専門医認定基準に定められています。
■申請時において外科専門医及び心臓血管外科専門医であること。
■申請時において引き続き5年間、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会のうち、少なくとも2学会の会員であること。
■5年間に術者または指導的助手として100例以上の手術経験を有すること。なお、その内50例以上は、難易度B以上でなければならない。
※ただし、2011年度更新申請者から「動静脈シャント」を、2012年度更新申請者から「経皮的血管形成術」を、2014年度更新申請者から「IABP」「PCPS抜去」はカウントしない。
■5年間に心臓血管外科学に関する一定の業績を有すること。
※論文・著書、セミナー参加等。
4専門医制度の現状と変化
〈時代の変化と共に変わる専門医制度〉
単独の学会による運営ではないサブスペシャルティの専門医制度として行われる心臓血管外科専門医ですが、勤務状況の過酷さや手術に専念できないといった事も指摘されています。これには手術の数や待遇などの問題も含まれます。
一方専門医制度自体がさらに大きな変革の時期になっています。各学会から第三者機関である「日本専門医機構」へと専門医制度が移行されていく事になっており、心臓血管外科専門医はサブスペシャルティ領域としての専門医となっています。心臓血管外科専門医認定機構では「心臓血管外科専門医プログラム整備指針(案)」の作成に取り組むなどの準備が進められています。