消化器外科・肛門科の医師転職お役立ちコラム
消化器外科・肛門科の「専門医取得要件」
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1日本消化器外科学会の専門医制度について
〈日本消化器外科学会による資格試験〉
日本消化器外科学会による「日本消化器外科学会専門医」については、一般社団法人日本消化器外科学会専門医制度規則内に次の目的が明記されています。
“この制度は、消化器外科臨床の健全な発展普及と消化器外科学の進歩を促し、国民の福祉に貢献することを目的とする”。
またこの目的を達成していくために日本消化器外科学会による専門医制度委員会の設置についても記載されています。
専門医の数としては、2013年(平成25年)で5,747人となっています。
なおこの専門医制度には5年ごとの更新も義務づけられています。
2資格試験の概要
〈日本消化器外科学会専門医認定試験の概要〉
それでは、この資格試験の概要を見ていきましょう。受験にあたっては、次の条件を満たす必要があります。
■日本国の医師免許を有すること。
■外科専門医であること。
■継続3年以上、日本消化器外科学会会員であること。
■臨床研修終了後、指定修練施設(認定施設及び関連施設)において所定の修練カリキュラムに従い、通算5年間以上の修練を行っていること(450例以上の診療経験が必要)。
ただし、平成15年までの医師免許取得者は、医師免許取得後7年間以上修練し、そのうち5年間以上は指定修練施設において所定のカリキュラムに従い修練を行っていること。
■別に定める業績を有すること(消化器外科に関する筆頭者としての研究発表を6件以上(論文3編を含む)。
■別に定める研修実績を有すること(本学会総会及び大会へのそれぞれ1回以上の参加並びに本学会教育講座(教育集会を含む)全6領域の受講)。
この中にも記載があるように、消化器外科専門医を受験する条件として日本外科学会が認定する、一般外科医としての知識や技術を身につける外科専門医の取得が必須になっているのは一つのポイントです。
申請にあたっては、大まかに下記の流れになります。
1、申請書類作成システム公開。
2、申請書類の受付。
3、書類審査の通知。
4、受験資格の通知。
これらを経て、試験、審査結果の通知が行われます。申請までの流れについては、申請する症例データの時期によりパターンが分けられます。
実際の試験についいてですが、範囲としては消化器外科領域全般にわたる、総論、上部消化管、下部消化管、肝胆膵脾の4領域に分けての出題となります。これが多肢選択法で100題、総正解率の他に各領域での一定以上の正解率も必要となります。
口頭試問も行われ、消化器外科専門医修練カリキュラムの到達目標として示された総合的適正、見識及び各領域全般にわたる技術などについて問われます。これら筆記試験及び口頭試問の成績で合否が判定されていきます。
合格率についてですが、2014年(平成26年)実施の第25回では76.1%となっています。これは筆記試験及び口頭試問だけでなく、申請時の受験資格の有無に関する判定数も公開され、厳格な運営が行われている事が示されています。
3専門医認定の要件
〈日本消化器外科学会専門医認定のための、専門医認定試験の合格と重要な要件〉
日本消化器外科学会専門医について、取得に必要な手術経験は「低難易度手術」「中難易度手術」「高難易度手術」としてそれぞれ50例以上が定められています。これを合わせて経験すべき手術総件数として450例以上となっています。こうした実績数は試験の受験資格であるとともに、一般の方への安心感にもつながっていきます。低難易度手術とは文字通り比較的やさしいものです。中難易度の手術とは主に胃や大腸のがんの手術を指し、高難易度の手術とは食道、肝臓、膵臓などの手術を指します。こうした細かな定めにより、一般の方がより安心できる専門医制度となっています。
なお日本消化器外科学会会員のうちで、消化器外科専門医の割合はおよそ2割となっています(2009年までの実績)。
4専門医制度の変化
〈時代の変化と共に変わる専門医制度〉
日本消化器外科学会は市民講座やオンラインを通して一般の人への情報提供にも力が入れられています。また日本の消化器癌の治療成績は世界でもトップにあるという事も広く告知されていて、それだけに一般にも多くの情報が手に入れやすい科目となっています。たくさんのPRが成される中、専門医である事はより多くの信頼をもたらしています。
2013年に厚生労働省による「専門医の在り方に関する検討会」が出され、新専門医制度への移行が多くの科目で進められています。消化器外科専門医はこの対象となる19領域には入っていませんが、学会内での申請要件の変更などは随時行われています。外科専門医であること、学会の総会及び大会へのそれぞれ1回以上の出席という受験の要件が加わったのも2014年度の新規申請からです。これらは比較的大きな変化なので、よく確認しておく必要があります。
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