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心療内科の医師転職お役立ちコラム
心療内科の「訴訟事例」

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訴訟事例-心療内科

1心療内科の訴訟

〈数字と最近の傾向から訴訟を見る〉
心療内科を含んだ精神科医療の訴訟件数は、毎年30件前後起こっています。実際に最高裁判所の中に設置された「医事関係訴訟委員会」から出されている、医事関係訴訟に関する統計データである医事関係訴訟事件(地裁)の、「診療科目別既済件数」で見ると平成25年は33件、平成26年は31件となっています。
全体の医療訴訟は最近再び増加傾向と言われますが、精神科医療について数としての大きな増減はないようです。

2心療内科に関連する訴訟事例

〈実際の訴訟事例〉
次に心療内科に関連する訴訟事例をいくつか見ていきましょう。なお事例は心療内科ではなく精神科医療全般からの紹介となっています。
【事例1】
被害者の母親は、平成17年10月28日から、心療内科に通院するようになり、現在も通院を計測していること、平成19年5月15日には、うつ病と診断されていることが認められる(なお、被害者の母親は、PTSDに罹患していると主張するが、そのような事実を認めるに足りる証拠はない。)。そして、通院するに至った一因として本件事故を否定することはできず、平成19年5月1日までの通院についても、治療の必要性、相当性がないとまでは認められない。同日までの治療費は18万5420円、通院交通費は2万3900円であったと認められるから、これらの合計20万9320円は本件事故による損害と認めるのが相当である。
引用元: 娘の死亡事故による母親の精神的ショックのための心療内科での治療費と通院交通費を損害と認めた裁判例(ありあけ法律事務所)

【事例2】
患者(昭和54年生、男性)は、平成13年8月、交際していた女性から身上関係等を偽られて精神的に不安定になったなどと訴えて、被告病院(大学病院)精神神経科を外来受診し、担当医師に対し精神状態を安定させてほしいと依頼した。
担当医師は、患者に対し、パシキルの投与が適切であると説明し、強迫性人格障害と診断した。
患者は、その後、月に1~2回の頻度で被告病院を受診していたが、担当医師は、患者の症状が安定化に向かっていると判断し、平成14年8月19日で診療を終了した。
患者は、最終診療日において、担当医師に対し、上記女性に作成させた念書、示談契約書、死因贈与契約書等(患者に対し数百万円の金員の支払等を約束する内容)を提示した上、PTSD、パニック障害、強迫性障害及びうつ状態の病名を記載した診断書を書くよう依頼した。
担当医師は、患者はPTSDではないとして病名をPTSDと記載した診断書の作成に応じなかった。その際、担当医師は、患者に対し、上記女性から多額の賠償金を受け取ることは常識的に考えて妥当でないこと、患者(法学部在籍)が勉強した法律知識を自己図利目的で用いるのは了解し難いことなどを告げ、病名を強迫性障害及びうつ状態とする診断書を作成し、患者へ交付した。
患者が、担当医師に対し、治療が不適切であったとして損害賠償請求訴訟を提起したところ、第1審で請求が棄却された。患者は控訴し、控訴審において請求を交換的に変更し担当医師の暴言等により精神的損害を被ったとして慰謝料を請求した。
東京地方裁判所 平成14年(ワ)第476号 慰謝料等請求控訴事件
平成15年7月16日判決
結論:請求棄却
引用元: 過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例 精神科・心療内科 東京地判平成15年7月16日判決(堀法律事務所)

3心療内科関係の訴訟の現状

〈心療内科と交通事故〉
精神科医療は交通事故と関係の深い分野にもなっています。交通事故の被害者について食欲がない、不眠、不安を感じやすいなど比較的軽度のものについては一般医療機関の受診を、そして自殺願望が起こっていたり、自分自身の存在価値を認めないような場合については精神科医療を勧めるのが良いという見解もあります。
心療内科は厳密には精神科とは違いますが、実施には同様のものとして運営している医療機関がほとんどとされています。事例1もそうですが、交通事故との関わりにおける訴訟も実際に出て来ています。

4心療内科の訴訟への対処

〈精神科医療での訴訟や事故はどう判断されるか〉
精神科医療に限りませんが、訴訟となればまずは法的責任があります。これについては刑事責任、行政責任、民事責任の三つから見られていきます。これは行為規範に違反したものが問われていきます。
次に医師側の責任について見ていきましょう。これは専門家であるという責任を果たすための信頼責任、常に危険と背中合わせの危険責任、また一般的にもよく言われる説明責任が存在します。
近年の訴訟では医師の責任について最高裁で言及される事も多くなっていますので、これらを自分なりによく解釈しておくのも大切です。法的なものについては医療従事者として最低限押さえておくべき内容を研修や講座などを通して学んでいくのも良いでしょう。また勤務する医療機関にガイドラインやノウハウの蓄積があれば、より安心と言えます。

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