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在宅医療の「訴訟事例」

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訴訟事例-在宅医療

1在宅医療の訴訟

〈ここで扱う内容について〉全体の医療事故は増加となっていて、原因として「過労・多忙」、「医療チーム内のコミュニケーション不足」(日本外科学会調べ)が多く挙げられる事から、各所との連携などを大切とし、こうした事柄と密接に関わりを持つ在宅医療についても動向が気になる所です。ここでは在宅医療に関係する訴訟や事故について紹介していきます。医療の専門施設以外だからこそ起こり得るアクシデントについても気になる所です。

2在宅医療に関連する訴訟事例

〈実際の訴訟事例〉
それでは在宅医療に関連する事例をいくつか見ていきましょう。訴訟とまではいかないものの、日常的に多くのインシデントが潜んでいる事が見えてくる事例からです。医療だけでなく、関係の深い介護分野についても含んだものです。
【事例1】
■血液一滴10万円
利用者の方に熱が出て、医師が指示を出し、訪問看護師が利用者宅へ採血に行った時のことです。採血の際に血液がポタッと一滴リビングの床に落ちてしまいました。看護師は慌てて、通常病院でするように酒精綿(アルコール綿)で拭き取りました。しかし、それでフローリングの塗装がはげてしまい、そこだけ色が白く変わってしまいました。素敵なリビングの一番目立つところだったので、家族からすごい苦情が出ました。結局10万円かけて床を全部張り替えたということがあったそうです。
■窓の閉め忘れ
訪問看護師が一人暮らしのご老人宅を訪れた際のことです。入浴介助が終わり、お風呂が湯気でカビが生えないように少し窓を開けて換気をしていました。訪問看護師は、それから他のケアを行った後、窓を閉めずに帰りました。しかし利用者は身体が不自由で、その窓を閉めるところまで手が届かなかったのです。利用者は、そこから泥棒が入ってくるのではないかと心配になりました。それが気になって気になって仕方がなく、結局その夜、昼間訪問に来た看護師に電話をかけて再度家まで来てもらいました。
■連絡不足で発生した費用
介護保険サービスの利用者が、ケアプランの中ではデイサービスに行くはずだった日に急に入院することになり、デイサービスを受けられないということもあります。しかしサービス提供側は、利用者が来るものだと思い準備しています。この連絡がうまくいかず余計な出費が生じた場合、誰が負担するのかということが問題になります。あるいは1ヶ月間入院している間、レンタルベッドを借りたままになっている場合、誰がその費用を負担するのか、という問題が生じてくることもあります。
※この他、引用元には家族の虐待に関する事例も掲載されています。
引用元:在宅ケアにおけるリスクマネジメント(Medsafe.Net)

次は医師そのものが対象ではありませんが、在宅の現場を考えさせられる事例です。
【事例2】
愛知県大府(おおぶ)市で認知症の男性(当時91歳)が徘徊(はいかい)中に列車にはねられて死亡し、JR東海が男性の遺族に振り替え輸送代など約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は、遺族側、JR側双方の意見を聞く弁論を来年2月2日に開くことを決めた。認知症を巡る家族の監督責任の有無について年度内にも判断を示すとみられる。
(中略)
争われているのは07年12月に起きた事故。要介護度4の認定を受けていた認知症の男性がJRの駅構内で列車にはねられ、死亡した。JR側が「事故で列車が遅れ、損害が出た」として遺族を相手取って訴訟を起こした。

3在宅医療関係の訴訟の現状

〈在宅医療で発生し得る事故〉
事例2について、一審に対して医師や厚生労働省の元職員をはじめとする複数の専門家の意見書には、次のようなものがあったそうです。
「地域での認知症患者の見守りを重視する国の施策に逆行」
「徘徊を完全に防ぐことはできない」
このように内容としては遺族に責任があるとした一審判決を批判しているのが、興味をひかれる点です。在宅医療という分野においては家族の協力や関係性が大切になって来ます。こうした事故を未然に防ぐという意味でも、それは重要になってくるはずです。直接医師や医療機関が訴訟に問われた事案ではないものの、やはり医療に関連したものとして少しでも抑制の力になれるようするのも在宅医療の役割と考えられるかもしれません。

4在宅医療の訴訟への対処

在宅医療は特定の医療機関や施設とは違い、異なった環境や状況で行われるものですから訴訟や事故の可能性もさまざまに変わって来ます。個人のスキルアップとしては、今回事例1の引用元とさせて頂いたMedsafe.Netの「在宅ケアにおけるリスクマネジメント」に掲載された演習を行ってみるのも良いでしょう。
処置中の医療事故とケア事故で多くのトラブルが起こりがちですが、在宅医療独自の難しさをよく理解した環境で働く事も医師個人のリスクマネジメントと言えそうです。また人材不足が叫ばれる業界の中で、勤務先が他の専門医療機関やケアマネジャー、ホームヘルパーとどれだけのネットワークを築けているかも、在宅医療では重要なチェックポイントと言えるでしょう。

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