大阪府「南河内医療圏」
二次医療圏の医師転職・求人情報
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大阪府の二次医療圏「南河内」の概要と特徴
1はじめに
〈南河内医療圏の自治体と概要〉
大阪府の二次医療圏である南河内医療圏は、主に大阪市から見て南東方向の内陸地区の自治体で構成されています。該当する自治体は、松原市、羽曳野市、藤井寺市、富田林市、河内長野市、大阪狭山市、河南町、太子町、千早赤阪村の全6市2町1村です。
南河内医療圏の面積は約290平方キロメートル、人口はおよそ64万人(平成22年度国勢調査)です。畿内の旧・河内国の南部地域の自治体で構成されていて、古代の天皇陵とされる古墳や飛鳥時代の主要道である竹内街道、そして中世の天皇陵や高野山に向かう高野街道沿いに栄えた地域です。
2南河内医療圏の持つ特徴
〈交通は至便、歴史的な観光資源と大都市のベッドタウンの両方を併せ持った医療圏〉
現在の南河内医療圏には、大阪市から近畿日本鉄道の近鉄南大阪線と近鉄長野線、そして南海電鉄の南海高野線が貫通していて、和泉山地の部分を除けば、公共交通の便は良好と言えます。また町村域内に鉄道の駅を持たない2町1村にも、各鉄道会社の最寄り駅からのバス便がある程度確保されていて、南河内医療圏内の公共交通はある程度便利と言えます。
また道路については、医療圏内を東西方向に北側から自動車専用道の西名阪自動車道と南阪奈道路が貫通していて、更には一般道の国道170号線が大阪市の外環状線としての役割を果たし、また大阪市や堺市から放射状に国道166号線、国道309号線、国道位310号線、国道371号線が通っていて、道路網はとても整備されていると言えます。
そのため南河内医療圏内には、これらの交通の便を利用した大阪市や堺市の工業地帯、及び大阪市中心部に事業所を抱える会社のベッドタウンが多くあり、またその需要を見込んで新規に和泉山地の山中にニュータウンが開発されていて、今後も人口増が見込まれる医療圏になりました。
一方で古代からの古墳や遺跡、中世の遺構など数多くの観光資源を抱えている医療圏でもあり、今後はベッドタウンと観光地との2つの側面を持っていく医療圏になります。
3南河内医療圏の医療体制の現状
〈救急搬送先の選定に時間が掛かり、医療圏外への救急搬送が多いのが問題点〉
南河内医療圏の中核病院は、主な機能を近畿大学医学部附属病院が担っていて、一部の機能を大阪南医療センターが補助している形になっています。平成23年10月1日現在での南河内医療圏での病院40か所、一般診療所463ヶ所です。
南河内医療圏の医療体制の現状として、近年の救急告示病院が減少している点や患者側の専門医受診志向の高まりがあり、南河内医療圏内での救急搬送先の選定が困難となり、医療圏域外への救急搬送が日常的に発生している現状があることが挙げられています。
平成20年に行った調査では、南河内医療圏域の救急搬送の中で医療圏外への搬送は20.6%に及んでいます。もちろん南河内医療圏内のどの地域での救急搬送発生かという点も考慮する必要がありますが、この状態を放置すると救急搬送が困難な疾病の際に、救急搬送先の病院の選定に時間を要することになり、救急搬送後の受入れ体制整備が進んでいないという状況となってしまいます。
この点は大阪府も問題を重要視していて、南河内医療圏に対しての二次救急医療連携の強化事業を行政方針とする施策を行っています。具体的には、救急の受け入れが困難になりがちな脳卒中・循環器疾患等の特定の疾患について、南河内医療圏内の救急告示病院間での輪番当番制等について委員会を設置するなどして連携強化を図るとともに、輪番当番体制を維持継続する目的での財政的な支援を行うなどの施策を実行して、南河内医療圏内での救急医療の確保に務めています。
4南河内医療圏の医師数の概要と特徴
〈医師数はある程度充実も、急性心筋梗塞の死亡率の減少のための施策が課題〉
平成22年度の調査によれば、南河内医療圏の人口10万人あたりの医師数は251.6人で、全国平均の219.0人は上回っているものの、大阪府全体の260.8人は下回っています。南河内医療圏の医療機関数は医療圏内人口の増加とともに充実しつつありますが、さらなる医師の確保も求められています。
南河内医療圏での課題は、急性心筋梗塞の患者に対する予防体制です。平成23年の人口動態調査によれば、急性心筋梗塞での人口10万人対死亡率は南河内医療圏35.1人であり、大阪府の22.4人を大幅に上回っています。平成22年度調査の南河内医療圏内の特定健康診査受診率は、32.1%と大阪府の26.6%よりもはるかに高く、また特定保健指導対象者の指導終了者の割合も13.5%と大阪府での12.7%よりも高くなっている状況での死亡率の高さという現状が、南河内医療圏の現在抱える課題と言えます。大阪府もこの点を問題視しつつ医療行政の対策を行っています。
急性心筋梗塞を発症した際の救命率を改善するためには、発症直後の救急要請を速やかに行うことが重要で、また心筋梗塞の急性期に必要な治療法である「経皮的冠動脈形成術」や「冠動脈バイパス術」の実施状況、及びこれらの治療のために使用される特定集中治療室(ICU)やハイケアユニット(HCU)、冠疾患集中治療室(CCU)の設置が必要になります。
平成23年11月時点の大阪府の調査では、南河内医療圏内の39の病院のうち5ヶ所が「急性心筋梗塞への医療機能の拡充を今後考えている」との回答があり、今後行政と医療機関との連携により急性心筋梗塞の患者への予防体制が拡大して死亡率が減少する方向の施策が取られています。
さらに、心筋梗塞の急性期を脱した患者に対する専門病院とかかりつけ医の連携も必要になり、大阪府の他の医療圏で行われているクリティカルパスの普及が今後の課題となっています。クリティカルパスの普及により患者の情報が共有され、医療現場は急性期医及びかかりつけ医の両者にとっても働きやすい環境での医療提供が可能になります。
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