地域によって様々な医師の転職市場。特に医師の募集状況や地域の特徴は二次医療圏ごとに異なります。 尾張西部医療圏での転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した地域別の転職お役立ち情報をお届けします。
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〈尾張西部医療圏とは〉 愛知県内における尾張西部医療圏は、一宮市、稲沢市という2つの自治体から成り立っています。 かつては尾西市、木曽川町、祖父江町、平和町などの自治体も尾張西部医療圏に含まれていましたが、 平成の大合併期に尾西市と木曽川町は一宮市に吸収合併、祖父江町と平和町は稲沢市に吸収合併されたことで、現在の一宮市、稲沢市という2つの自治体で形成されるものになりました。 また、一宮市はかつて紡績の町として栄え、女性人口が多い事で知られており、稲沢市は東洋経済が挙げる2012年度「住みやすい街」ランキング44位にランクインをしています。
〈人口の規模は多いが公共交通網に自家用車頼りの背景も〉 尾張西部医療圏は、濃尾平野のほとんど高低差のない面積200平方km弱の範囲に、最新の調査で52万人余りの人口を抱えています。 医療県内には各産業分野の大企業の生産拠点工場が存在していて、住民はこれらの圏内に存在する企業に勤務する人々の近接住居と、 名古屋市圏内や岐阜・各務原県内の工場地帯の企業に勤務する人々のベッドタウンの両方の役割を果たしていて、団地やマンションなどの集合住宅も数多く見られます。 圏内の公共交通網は、東側にJR東海道線と名鉄名古屋本線が、西側に名鉄尾西線が走っており、一宮市中心部と稲沢市中心部を結ぶ交通網は確保されています。 しかし、一宮市内、稲沢市内それぞれの東西方向を結ぶ公共交通は名鉄バスと各市のコミュニティーバスに限られ、 そのバスの路線や便数にも偏りがあることで、主に「自家用車の利用」が県内の移動の重要な手段となっています。 道路事情は、国道22号線、旧岐阜街道、西尾張中央道、国道155号線をはじめとした南方方向への幹線と、それに交差する東西方向への県道にて十分に整備されていると言えます。
〈市町村合併前の旧国立病院を使用した新医療体制を構築中〉 尾張西部医療圏には、各自治体にそれぞれ公立病院が存在していました。 一宮市民病院、稲沢市民病院をはじめとして、尾西市民病院、木曽川市民病院、厚生連尾西病院、一宮市民病院今伊勢分院などの公立病院に加えて、 一宮市内に県立循環器呼吸器病センターがあり、かつてはそれぞれが独自な活動を行っていました。 しかし尾張西部医療圏として医療体制を整える中で、一宮市民病院を圏内の中核病院に位置付けるとともに、その他の病院は県内の各地域に重点を置いた役割を担うことや、 診療科の特化、市の病院と県の施設との経営統合を行い役割分担の明確化を図るなど、圏内の公立病院のあり方を調整することで圏内の住民が安心し て医療サービスを受けられるような方策を講じています。 現在はまだ医療体制の構築途中ですが、かつて一宮市立市民病院今伊勢分院と一宮市立尾西市民病院(旧:尾西市民病院)が公立病院として存在しました。 そして民間に移譲されたように、公立病院の民営化や地元に古くからある医療法人の大雄会病院(社会医療法人大雄会)との連携も含めて、 圏内住民に不足のない医療体制を整えるような構築が現在進行系で行われています。 他に病院としては、一宮西病院、いまいせ心療センター(旧:一宮市立市民病院今伊勢分院)、尾西記念病院(旧:一宮市立尾西市民病院)、 千秋病院(医療法人尾張健友会)、尾洲病院(医療法人来光会)、泰玄会病院(医療法人泰玄会)などがあります。
〈生活環境が良い割には医師不足が顕著な尾張西部医療圏〉 2012年10月16日中日新聞朝刊の記事によれば、同年6月末の時点で医師不足により「診療制限を行っている医療機関」は、 愛知県内全体で21.5%、中でも尾張西部医療圏は31.6%と県内の医療圏の中でも最悪となっています。 県でも将来の診療制限解消に向けて様々な対策を講じていますが、その一方で今現在の医師不足の対策としての求人も切実な問題となっています。 住環境の面から見た尾張西部医療圏は不動産の視点では人気が高く、圏内に大型商業施設を多数抱える上に、名古屋や岐阜の中心部にも簡単に出掛けられ、 一般的には「住みやすい土地」と考えられている分、医師不足での診療制限が愛知県内最悪というこのギャップには驚かせられます。
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