医師の休憩時間、実際は休めていない?医師1,802名へのアンケート結果

医師は昼食時の休憩時間についてどのように過ごしているのでしょうか?

労働基準法上では、労働時間が6時間以上の場合は少なくとも45分、8時間以上の場合は少なくとも1時間の休憩を設けることが義務付けられていますが(詳細:荒木弁護士の解説記事参照)、実際には休憩を十分に取れていない医師も多くいることが考えられます。

以下、医師1,802名のアンケートをもとに医師の休憩の実態について見ていきます(回答者の属性)。

 

医師の休憩時間、実際は休めていない?医師1,802名へのアンケート結果


 

医師の主たる勤務先での所定の休憩時間

主たる勤務先での所定の休憩時間に関する医師の回答は下図のようになっています。

医師の所定の休憩時間

「60分」が65%と最も多く、次いで「45分」が13%となっています。「なし」が一定数いるのは、午前のみ勤務など非常勤だけで勤務している医師が一定数いるためと考えられます。

また、「その他」では「決まっていない」「適宜」「知らない」といった回答もあるため、所定の休憩時間について正しく把握していない医師もいると思われます。

医師が実際に取れている休憩時間は60分未満が7割

上記の回答から休憩時間「なし」を除いた1,597名の医師を対象に、実際に取れている休憩時間について質問したところ、回答の内訳は下図のようになりました。

医師の実際に取れている休憩時間

「45分以上60分未満」が31%と最も多く、各回答を合わせると「45分未満」が39%、「60分未満」が70%という結果となっています。

7割の医師が60分未満の休憩となっており、所定労働時間に対して十分な休憩を取れていない医師がやはり多いことが窺えます。

医師の休憩時の状況、8割以上がPHSありの待機時間

医師の休憩時の状況についての回答結果は以下のようになりました。

医師の休憩時の状況

「PHSなどを携帯し何かあれば常に対応できるようにしている」が84%となっており、「PHSなどから完全に解放され自由に休憩できる」は14%に留まりました。休憩時間といっても実質は何かあれば対応することを求められる待機時間となっている医師が非常に多い状況といえます。

過去の判例では、休憩時間にも院内連絡用の携帯電話ありで待機させていた際に、休憩時間ではなく労働時間としてカウントすべきという判決が出ていました。PHSで実質待機状態になっている休憩は、医師にとって当たり前とはいえ、法に則して考えると見直すことが必要なのかもしれません。

医師の休憩時の食事、院外に出るのは2割未満

医師が休憩時にどのように食事を用意しているのかについて質問したところ、回答は下図のようになりました。

医師の休憩時の食事

「院内・施設内の食堂」が34%、「家からの持参」が次いで33%と多くなっています。院外に出る「外食」「院外・施設外の店舗での購入」については、合わせて17%と2割未満という結果です。

PHSを持ったままでの短い休憩が多いということもあって、医師の休憩時の食事にも一定の制約があるケースが多いのかもしれません。

「食べ始めた瞬間に呼び出し」「休憩だから繋がると思って」…医師の休憩に関する自由回答

医師の休憩時間について自由形式で質問したところ、以下のような回答が寄せられました(一部紹介)。

    • ほとんど休憩が取れていない

    • 裁量労働制にて自由にとれるはずですが、基本的には全くとれずブラックです (40代男性、神経内科)
    • 急患や救急車が来れば休憩時間は自ずとなくなるし、休憩時間といえども院外に出ることは無言の制限を感じます。 (50代男性、一般外科)
    • 契約書に記載されていたとしても 実際は診療時間が押して 数分での早食いの生活です。インスタントは食べられません。 (40代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 休憩時間はない。契約では1時間休みのはずなのだが、昼ご飯を急いで食べる15分ほどしかとることができない。 (40代男性、整形外科)
    • 契約にあってもなくても、休憩時間は自他ともにないと認識されている。食事摂取も同様。どんな病院においても、休憩時間内でも時間外と同様の対応が至極当然となっている。 (40代男性、消化器外科)
    • 休憩はあるが、PHS携帯で何かあれば対応が必要

    • 医師は休憩時間でもすぐに呼び出されるが、病棟看護師はしっかり休憩している。 (60代男性、一般内科)
    • 食べ始めた瞬間呼び出されラーメンのびてまずくなった (40代女性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • ピッチなし完全に休憩は聞いたことないです (30代女性、健診・人間ドック)
    • 研修医のとき、食堂でお昼を食べようとしたら不安定狭心症の患者さんが発作を起こして、ご飯を置いて病棟に走っていったことがある。数時間後に食堂に行ってみたら閉まっていて食べられなかった。 (40代男性、腎臓内科)
    • 休憩時間であっても至急に対応しなければならず、休憩時間が中断になることもあります。 (40代男性、麻酔科)
    • 比較的休憩が取れている

    • きちんと取れるようにしないとコメディカルも取れなくなるので、なるべく自分も時間いっぱい取るようにしている。 (60代男性、泌尿器科)
    • 大学病院では、休憩時間中にもカンファレンスなどがあり、休むのが難しかった。休める現在の職場の方が、断然良い。 (30代女性、放射線科)
    • 今の勤務先で昼食を摂るときに、ゆっくり外の景色を見ることができます。前職場では全できなかったことです。 (50代男性、精神科)
    • 今の病院だからこその休憩時間だと思っています。 (40代女性、血液内科)
    • この施設は、午前中の診療が遅くなったら、午後の開始を遅らせ、1時間は休めるので助かっています。予約制ではなく、午後開始が遅いのを許容してくれる土地風土なので助かっています。都心、予約制、権利意識高いと無理と思われます。 (60代男性、整形外科)
    • その他

    • 休憩時間はきちんと取れなくても、お昼ご飯を食べる時間があればいい。10分単位で分散して休憩することも可能であればいい。 (50代男性、精神科)
    • 子供がいない時は、休憩時間のあるなしはあまり気にならなかったが、子育てが始まり、なるべく早く帰宅したいと思うようになってから、昼休みは短く、むしろなくて良いからまとめて働いてさっさと家に帰りたいと思うようになった。 (40代女性、形成外科)
    • 忙しさを理由に休憩が取れないことがしばしばあったが、自分が赴任後に自分とスタッフを守るため労基違反を主張し慣習を改めさせた。 (50代男性、整形外科)
    • 訪問診療のため、クリニックに戻るのは往復時間のロスになる時があり、その際は外食しているが、コンビニでトイレ休憩、車中で10分軽食の時もあれば、カフェでランチを楽しむ時もあり、いずれにしても仲間と一緒に過ごす楽しさがある。 (60代女性、在宅診療)
    • 患者家族から「この時間なら先生の休憩時間だから、先生に電話繋がると思ってお電話しました」と電話がかかってきた。人の休憩時間を何だと思っているのか聞いてみたかった。 (30代女性、神経内科)

 
医師の働き方改革に関しては、休日・夜間の勤務や残業について特に話題に上ることが多いですが、昼食時の休憩時間についても合わせて見直していく余地があるのかもしれません。

 

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 医師の休憩に関するアンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 2024年4月23日~2024年4月30日
有効回答数 1,802件

 

年齢


回答者の年齢

 

性別


回答者の性別

 

診療科


回答者の診療科

 

地域


回答者の地域

 

主たる勤務先


回答者の主たる勤務先

 

 

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