外科の医師転職お役立ちコラム
外科の「学会」
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▲医師の転職お役立ちコラム一覧へ主な学会の概要-外科 日本外科学会
1日本外科学会について
〈日本外科学会の概要〉
日本外科学会は、正式名称を「一般社団法人日本外科学会」と言います。日本医学会の分科会の一つとなります。
事務所を東京都港区浜松町の世界貿易センタービル内に置き、2015年1月時点で会員39,797名の会員数を持つ組織です。なおこの会員数については、100%医師による構成となっています。この規模は外科系で最大となる学会です。
入会については、
・外科学に関する知識又は経験を有する医師。
・外科学に関する知識を有する医学士又は学士(医学)。
・その他理事会によって前 2 号のいずれかに準ずると認められた者。
という事が一般社団法人日本外科学会入会規則内に明記されています。
2沿革と国際性
〈日本外科学会の長い国内での歴史と国際的な働き〉
日本外科学会の始まりは1896年(明治29年)になります。12名の外科医学者により、「年一回此ノ如キ小集ヲ開キテ契闊ノ情ヲ慰ムル如何」と発議された事が起こりです。翌年には「日本外科学会規則」草案を起草、さらに創立発起人会を開催、「日本外科学会趣意書」を起稿と進んでいき、1906年(明治39年)には現在の日本医学会である日本連合医学会に合流します。公式な創立となっているのは1899年(明治32年)です。
平成に入ってからは2000年(平成12年)の第100回記念式典の開催、2002年(平成14年)の外科専門医制度の施行、2012年(平成24年)の一般社団法人の設立登記など活発な活動が見られます。
日本外科学会の英文表記は“Japan Surgical Society”、略称として「JSS」も使われます。英文機関誌として年12回発行の“Surgery Today” が存在します。これは1970年(昭和45年)に“The Japanese Journal of Surgery”として創刊されたものを前身とするものです。
また2015年(平成27年)から日本外科学会Case Report誌として“Surgical Case Reports”の発行も行われるようになりました。これは貴重な症例報告の出版を促し、臨床教育に貢献することを目的とした取り組みで、オンラインジャーナルで外科学におけるあらゆる分野の症例報告の掲載が行われます。また国際的な活動としては他にも海外の若手外科医との学術交流などが積極的に行われています。
3目的と取り組み
〈学術総会や専門制度など、日本外科学会の具体的な取り組み〉
日本外科学会の目的として、“外科学に関する会員相互ならびに内外の関連学術団体との研究連絡、知識の交換、提携の場となることを通して外科学の進歩普及に貢献するための事業を行い、学術文化の発展と外科医療の向上に資することで国民の健康と福祉に寄与する”となっています。またその目的を達成するための事業として、下記の取り組みがあります。
1、会員の研究発表会、学術講演会等の開催
2、機関誌、論文図書等の刊行
3、内外の関係学術団体との連絡及び提携
4、外科学に関する研究及び調査
5、外科専門医の育成と専門制度の運用
6、優秀な業績の表彰
7、生涯学習活動の推進
8、外科診療に関する情報や指針の提供
9、国民に対する外科医療の情報提供と啓発
10、医療政策に関する建議
11、その他目的を達成するために必要な事業
1の学術集会としては定期学術集会が年度ごとに開催、予定されています。内容は特別講演、会頭講演、理事長講演、パネルディスカッションやワークショップなどさまざまです。2の機関誌としては「日本外科学会雑誌」を発行しています。年9回の発行で、臨時増刊号3回も含みます。
こうした事業を支える学会全体について、最近は毎年1,000名前後の新規入会があり、若手の外科離れという面からも改善が見られています。また新入会員の約20%が女性という事で外科分野への女性医師の進出も目立っています。これらは“若手外科医に目を向けた日本外科学会”を合い言葉にする専門医制度の成果とも言えそうです。
また10については医療安全で長年の懸案であった第三者機関「医療事故調査・支援センター」に関する法案の国会提出など国や行政の動きと合わせた活動が行われています。
4仕事との関わり
〈日本外科学会が実際に個人の仕事や転職と関わる際には、専門医制度に着目〉
医師個人の実際の仕事や転職との関わりが大きいものとしては、専門医制度が挙げられるでしょう。日本外科学会では「外科専門医」の資格試験が実施されています。これは現在各科と同じく、新制度への移行が進められています。ただし外科専門医制度は他の基本領域専門医制度と比較しても最も充実した完成度の高い制度と学会自身が評価している事から、すでに外科専門医を取得した、あるいは現在すでに外科専門医取得を目指して修練中の学会会員各位が不利益を被ることがないよう最大限に努力していくという方針を打ち出しています。また“若手外科医に目を向けた日本外科学会”というスローガンも学会が今後も継続していくという方針を出しています。こうしたそれぞれの動向も、仕事と併せて注意を払っていくと良さそうです。
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