放射線科の医師転職お役立ちコラム
放射線科の「学会」
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診療科によって様々な医師の転職市場。特に医師の求人・募集状況や転職時のポイントは科目ごとに異なります。放射線科医師の転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した放射線科医師向けの転職お役立ち情報をお届けします。
▲医師の転職お役立ちコラム一覧へ主な学会の概要-放射線科 日本医学放射線学会
1日本医学放射線学会について
〈日本医学放射線学会の概要〉日本医学放射線学会は、正式名称を「公益社団法人日本医学放射線学会」と言います。事務局は東京都文京区本郷のVORT本郷内にあり、北日本、関東、中部、関西、中国・四国、九州の6地方会を持ちます。平成27年2月末日現在の会員数は8,999名です。入会については、公益社団法人日本医学放射線学会定款第6条にて・正会員:放射線科学領域の業務・研究、またはそれと関連ある領域において、専門の学識・技術または経験を有する者・賛助会員:事業を後援する個人、法人又は団体と定められています。正会員の入会条件は「関連した診療、研究もしくは事業に従事している者」とされていて、入会には申込み後に理事会の承認を必要とします。
2日本医学放射線学会の沿革とその活動内容
〈日本医学放射線学会の成立と改革、現在行われている手厚い教育面での活動内容〉日本医学放射線学会は、ドイツでレントゲン博士がX線を発見して医療に用い始めた以降、その手法が日本にも持ち込まれて研究が進み、1923年(大正12年)に「日本レントゲン学会」が発足したのが始まりです。1933年(昭和8年)には「日本放射線医学会」が分離独立しましたが、両者は1940年(昭和15年)に再度合併して、現在と同じ名前の日本医学放射線学会が創立し、当時から日本での放射線科学の分野でも主要な学会でした。以後、2012年(平成24年)には公益社団法人となり現在に至ります。日本医学放射線学会の英文表記は“Japan Radiological Society”です。“JRS”という略称も使われています。本学会では機関誌として2009年以降“Japanese Journal of Radiology”を年10回出版して、会員の教育面での支援を行っています。本誌は印刷版とオンライン版があり、オンラインの投稿も可能です。尚、2008年以前の機関誌の「日本医学放射線学会雑誌」は、オンラインにて閲覧可能です。
3目的と取り組み
〈日本医学放射線学会にて定められた目的と事業、そして学会が認定する専門医制度〉日本医学放射線学会は定款第2章第3条にてその目的を、「放射線科学及びその関連分野に関する学術について研究発表、知識の交換、会員相互及び内外の関連学術団体との連携協力等を行うことにより、これらの分野の進歩・普及・啓発を図るとともに、安全で質の高い医療を提供するための事業活動を通して、国民の健康と福祉の増進に寄与する」ことを目的(公益社団法人日本医学放射線学会定款第2章第4条引用)としています。そして目的の達成のため、国内外で次の事業に取り組んでいます。1.学術集会、学術講演会等の開催2.学会誌その他の刊行物の発行3.専門医・認定施設等の認定4.研修および教育の実施5.研究の奨励及び研究業績の表彰6.研究及び調査の実施7.関連学術団体との連絡及び協力8.国際的な学術協力と交流の推進9.及啓発活動10.その他この法人の目的を達成するために必要な事業こうした事業を支えるために、本学会では総会と秋季臨床大会を年1回ずつ開催するとともに、前項で述べた機関誌の発行や、定期的な各地方会の開催などを行い、会員医師の養成を行っています。一方で本学会は「専門医制度」を設置しています。本学会が描く放射線科専門医の姿としては、画像診断(X線、超音波、CT、MRI等)、核医学、インターベンショナルラジオロジー(IVR)、放射線治療の知識と経験を有し、放射線障害の防止に努め、安全で質の高い医療を提供することを求めています。専門医は5年毎の更新制で、結果としてその専門医の資格が医師の職場での待遇等に有利となっています。2015年10月1日現在で6,342名の専門医が登録されています。
4仕事上での利点や今後の需要
〈内科医としての総合的スキルが身に付き、検査の正確性や患者の負担軽減のために需要は高いまま推移が予想〉放射線科医の分野には2つのカテゴリーがあります。ひとつは「画像診断医」と称する、X線撮影やCT、MRI、内視鏡等の検査で得られた画像から患者の病気を診断する医師で、言わば「患者の健康状態を考察しつつ、フィルムやモニタに向かって診断を行う」放射線科医が該当します。もうひとつは「放射線治療医」で、特にがん治療での患部だけに治療線量の放射線を照射して治療を行うことや、IVRと称される「画像で体内を見ながらカテーテルのような細い医療器具を体内に注入して、患部に直接治療を施術する」ことを行う医師で、「患者に直接向き合って治療を行う」放射線科医が該当します。このような点から放射線科医は「画像診療医」「放射線治療医」のいずれにおいても、内科全般のスキルを必要とします。例えば画像診療医の場合、内科の特定な臓器のみの画像診断ではなく、文字通り「頭のてっぺんから足の先まで」画像の診断を行うため、画像診断で得られる多くの情報を正確に理解して治療に役立てるために、「内科医としての総合的なスキル」が必要となります。また放射線治療医の場合も、放射線を照射する腫瘍の部位ならびにIVR治療を必要とする疾患の部位が全身のほぼ全てに当たるため、「内科医としての総合的なスキル」を持った上で治療を行う必要があります。このように放射線科医はどちらのカテゴリーでも「内科医としての総合的なスキル」が必要となるため、放射線科を学ぶということで「内科医全般のスキルを身につける」ことが可能となります。これは放射線科を学んだ医師の皆様が他の専門科に転職を希望される際にも有利になります。また、放射線科医の需要は現在増加していて、今後更に増えることが期待されます。画像診断医の場合には、患者の正確な診断のために診断に用いる画像数が増加して、「臨床医が外来の合間に画像を見て判断する」レベルを超えているため、画像診断を専門に行う医師が必要となっているからです。画像から導いた画像専門医の客観的な診断と、実際に患者を診察して様子を見ている臨床医との協議にて正確な診断を下すため、画像専門医の需要も増えています。一方で放射線治療医においても、今まで外科的な治療を行ってきた患者の心身への負担の軽減のために、放射線照射及びIVRを活用した治療を選択するケースが増加していて、それに伴って放射線治療医の需要も増えています。このように「内科医として総合的なスキルが身に付く」点と、「患者の治療時の負担の軽減を行う」点で、放射線科を学んだ医師の需要は高いまま今後も推移する見込みです。
放射線科の医師求人特集トップ参考資料
- 公益社団法人日本医学放射線学会
- 日本医学会分科会情報: 日本医学放射線学会(日本医学会)
- 概要 学会案内 公益社団法人日本医学放射線学会
- 定款 学会案内 公益社団法人日本医学放射線学会
- 地方会 会員向けの情報 公益社団法人日本医学放射線学会
- About JRS Japan Radiological Society
- 放射線医学の草分け藤浪剛一 井原医師会
- 学会誌・出版物 会員向けの情報 公益社団法人日本医学放射線学会
- 学術集会 会員向けの情報 公益社団法人日本医学放射線学会
- 公益社団法人日本医学放射線学会放射線科専門医制度規定
- 専門医一覧 専門医制度 会員向けの情報 公益社団法人日本医学放射線学会
- 若手医師・学生の皆様へ 公益社団法人日本医学放射線学会