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脳神経外科の医師転職お役立ちコラム
脳神経外科の「訴訟事例」

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訴訟事例-脳神経外科

1脳神経外科の訴訟概要

〈訴訟リスクが高いと言われる外科。その中での脳神経外科の状況〉
萎縮医療とも言われ、外科は訴訟リスクが高い科目とされています。脳神経外科領域は一般外科領域に比べ、訴訟となりやすい対象疾患が分類しやすいという意見があり、実際にそうした研究を行った論文も存在します。それによると脳動脈瘤が圧倒的に多く、脳腫瘍、AVMがそれに続くという結果になっています。では実際の事例を見ていきましょう。

2脳神経外科に関連する訴訟事例

〈実際の訴訟事例〉
【事例1】
患者(大正12年生、女性)は、平成12年12月初旬ころから右眼の瞼が下がって見えにくくなったため平成13年1月31日、被告病院(大学病院)脳神経外科を受診した。頭部MRl検査の結果、右内頸動脈-後交通動脈分岐部に脳動脈瘤が指摘され、患者は担当医師より直ちに入院して手術を受ける必要がある旨を告げられた。
患者は、被告病院に入院し、2月1日午後1時30分ころに血管撮影室に入室し、午後1時45分ころから脳血管撮影検査を受けた。脳血管撮影検査では、右鼠径部からカテーテルが挿入され、午後2時14分ころ右内頸動脈の正側像が、午後2時19分ころ右内頸動脈の斜位像が、午後2時32分ころに右椎骨動脈が、午後2時52分ころ左内頸動脈がそれぞれ撮影された。
患者は、2月1日午後5時30分ころ、血管撮影室に再入室し、脳動脈瘤塞栓術(コイル塞栓術)を受けた。手術では、午後6時05分ころから午後6時15分ころにかけて、右大腿動脈に挿入されたシースを通じてガイディングカテーテルが右内頸動脈へと誘導され、午後7時00分ころ、ガイディングカテーテルを通じてマイクロカテーテルが脳動脈瘤内に誘導され、午後7時03分ころと午後7時09分ころ、マイクロカテーテルを通じて脳動脈瘤内にコイルが挿入され、2本のコイルによって脳動脈瘤内にフレームが形成され、午後7時20分ころから、へパリン(抗凝固剤)3000単位の静脈注射が開始された。午後7時30分ころ、午後7時40分ころ、午後7時43分ころ、順次コイルが本件脳動脈瘤内に挿入され、午後7時43分ころに挿入されたコイルが留置されるのと同時にマイクロカテーテルが脳動脈瘤から押し出されてきたため、A医師、B医師らは、午後8時00分ころ、マイクロカテーテル及びガイディングカテーテルを抜去して手術を終了した。なお、手術中、随時、脳血管撮影検査が実施されていた。
(中略)
患者は、6月5日に身体障害者手帳(左上肢機能障害〔2級〕、左下肢機能障害〔4級〕)の交付を受け、6月23日に被告病院を退院した。その後、患者は、平成14年1月4日、本件脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し、甲病院(総合病院)医療センターに入院して、脳動脈瘤塞栓術による治療を受けた。
患者は、担当医師らに手技上の過失や説明義務違反があったなどと主張して、被告病院を開設する法人に対し、損害賠償請求訴訟を提起した。
東京地方裁判所 平成17年8月29日判決 控訴
引用元:
過去の医療事故・医療過誤(医療ミス)の裁判事例 脳神経外科 東京地判平成17年8月29日(堀法律事務所)

【事例2】
被控訴人(事故当時58歳)が、控訴人(地方公共団体)の経営する病院において、同病院脳神経外科のA医師及FF医科大学脳神経外科助教授のB医師の執刀により、右内頸動脈と脳底動脈の2箇所の動脈瘤について、開頭術による動脈瘤頸部クリッピング術(注)の方法で脳動脈瘤破裂予防手術を受けたところ、脳梗塞が発症し、後遺障害(左片麻痺)が発生。
手術の手技上の過失があったかが争点。
名古屋高等裁判所判決 平成15年7月16日
引用元:
No.11「脳動脈破裂予防術。多数回のクリップかけ直し等の過失を認定」(Medsafe,Net)

3脳神経外科関係の訴訟の現状

〈訴訟に関して高い関心が窺えます〉
脳神経外科の症例や研究を紹介する雑誌「脳神経外科」に連載された「医事法の扉」というコラムは高い人気を博したそうです。多くの脳神経外科医が日頃から訴訟に対して高い関心を持っている事がわかります。なお実際の脳神経外科に関する訴訟の対象や裁判所の判断では、手技ミスと説明義務に対するものが多くなっています。

4脳神経外科の訴訟への対処

〈医療事故を防ぐための医師たちの取り組み〉
説明義務も大きなウェイトを示す事からインフォームド・コンセントの重要性がしばしば言われるのも、対策のポイントでしょう。また脳動脈瘤に対して最近は知名度が高い医師がいる所に患者が集まって来る傾向があるようです。こうした高い技術と豊富な経験を持ち、次の世代にそれを伝えようとしている医師の元で働くのは若い外科医にとっては良い経験になるでしょう。また緊急時にすぐに対応できる体制、時間に関わらず患者に対応できるといった点も脳神経外科の分野では大切なポイントになって来ます。訴訟リスクの低減というだけでなく、こうした良い環境での勤務は脳神経外科医としてのかけがえのない財産になるはずです。

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