人工透析科の医師転職お役立ちコラム
人工透析科の「専門医取得要件」
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1日本透析医学会の専門医制度について
〈日本透析医学会による専門医の詳細〉
一般社団法人日本透析医学会による「透析専門医」については、日本透析医学会専門医制度規則の第1条に、次の目的が明記されています。
“日本透析医学会は血液浄化療法およびそれに関連する医学と医療の進歩に即応した優秀な医師の養成をはかるとともに、透析医学の向上発展をうながし、国民の福祉に貢献することを目的として、本学会専門医制度を施行する。”
第2条にはこの専門医制度の実施、改善に関する業務を行う日本透析医学会が設置する専門医制度委員会についても定められています。
専門医の数としては、2013年(平成25年)で5,000人となっています。
またこの専門医制度には5年ごとの更新も定められています。
2資格試験の概要と認定の要件
〈透析専門医試験の概要と要件等の詳細〉
それでは、2015年度専門医認定試験の要項を基にこの資格試験の概要と認定の要件を見ていきましょう。
【試験の概要】
○筆記試験の方式
・マークシート方式 100問
○内容
広く腎不全の病態と診療、血液浄化療法に関する知識を問うもの。
AタイプとX2タイプの2種類。
○時間
2時間の予定で実施。
○その他
第二次試験のみの不合格者については、その後5年間で3回まで第一次試験が免除されます。
これに加え、口頭試験が実施されます。
実施は筆記試験終了後で、3 人の面接官により各受験者がそれぞれ10分から15分程度で行われます。内容は腎不全の病態と治療、血液浄化療法、日常透析室業務全般、感染対策や医療倫理など幅広いものになります。
なお試験判定には書類審査(症例要約のレポート評価)も含まれ、総合的な評価になります。
【要件(申請資格)】
専門医の申請にあたっては、専門医制度規則に定められた次の条件を全て満たしておく必要があります。
■日本国の医師免許証を有し、医師としての人格および識見を備えていること。
■次の認定医または専門医であること。
・日本内科学会および日本外科学会(認定医または専門医)
・日本泌尿器科学会および日本小児科学会(専門医)
・日本麻酔学会(指導医)
これらに加え、臨床経験5年以上を有することが必要。
※ただし、これに該当しない場合においても、日本透析医学会の専門医制度委員会の規定によって認定された認定施設において5年以上の臨床経験を有する者については、同等の資格を有する者とみなすことが出来る。
■日本透析医学会の専門医制度委員会の規定によって編成された研修カリキュラムに従い、学会認定施設において1年以上または教育関連施設において3年以上を含む通算3 年以上を主として透析療法に関する臨床研修を行いかつ業績のあること。
■日本透析医学会年次学術集会出席ならびに業績について30単位を満たしていること
■専門医認定の試験および審査において適格と判定され、専門医として登録を完了した者であること。
■申請時において、日本透析医学会の会員歴3年以上であること。
次に、出願書類についてです。下記のものを準備する必要があります。
以下は、日本透析医学会専門医制度規則の第9条に専門医の申請書類として定められた内容です。
1、専門医認定申請書
2、医師免許証(写)
3、認定施設または教育関連施設勤務証明書
4、規則第8条第2項に定められた資格を有する者は、それを証明する書類(写)もしくは規則第 8 条第2項の規定を満たす認定施設における臨床研修を証明する書類
5、診療実績必須症例一覧表・診療実績必要項目症例および規則第8条第4項ならびに別表に定める取得単位を証明する書類
規則第8条第2項とは、日本内科学会や日本外科学会といった要件を満たす他学会の専門医などの証明を指します。
3専門医更新の要件
〈透析専門医を更新するための要件に関する詳細〉
透析医専門医の5年ごとの更新については、専門医制度規則の第11条に定められています。
■専門医資格取得後引続き透析医学会会員であること。
■専門医認定証の有効期限の満了する日の前1年以内であること。
■当該認定期間5年のうちに別に定められた所定単位を取得していること。
■病気、出産、その他止むを得ない事情により所定の単位に満たない場合は、更新の保留を申請する。保留期間は2年を限度として年単位とし、認定期間は有効期限の満了する日に保留期間を加えた年数だけ延期されるが、保留の期間中は専門医を呼称することは出来ない。
■海外留学のため休会措置を受け、所定の単位に満たない場合は更新の延長を申請する延長の期間は 4年を限度として年単位とし、認定期間は有効期限の満了する日に延長の期間を加えた年数だけ延期されるが、延長の期間中は専門医を呼称することは出来ない。
■専門医更新の審査において適格と判定され専門医更新者として登録を完了した者であること。
4専門医制度の現状と変化
〈時代の変化と共に変わる専門医制度〉
日本の透析治療成績は諸外国と比べて最も優秀なものになっているという評価がされていて、その中のスペシャリストとして透析専門医が存在しています。
専門医の大きな流れとしては各学会から第三者機関である「日本専門医機構」へと専門医制度が移行されていきます。透析専門医については機構に加盟しているものの、現段階では今後認定を検討する専門医の一つとなっています。
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