医師が勤務先の病院を選ぶ時、どんな点に着目して候補を絞り込んでいるのでしょうか。
メディウェル会員医師へのアンケートでは、ワークライフバランスや給与・福利厚生、医師やスタッフの体制などを重視する声が多いことが分かりました。
この記事では、アンケートで実際に「働きたい病院」として名前が挙がった4つの病院についてご紹介します。
アンケートの詳細:「こんな病院で働きたい!」医師に選ばれる病院の条件ランキング―医師1,662名へのアンケート調査より―

目次
- 1. 医師が働きたい病院①聖路加国際病院
 - 2. 医師が働きたい病院②亀田総合病院
 - 3. 医師が働きたい病院③岐阜県立多治見病院
 - 4. 医師が働きたい病院④刈谷豊田総合病院
 - 5. 最後に
 
医師が働きたい病院①聖路加国際病院
病院の概要
聖路加国際病院は、東京都中央区にある520床の特定機能病院です。高度急性期医療を担い、年間1万台以上の救急車を受け入れています。約40の診療科に加えてさまざまな専門外来やセンターなどがあり、スキルを磨きたい医師にとっては魅力的な環境なのではないでしょうか。
アメリカの国際ニュース週刊誌「Newsweek」が毎年公開している良い病院ランキングの日本版(2024年)でも、第2位と高く評価されています。
病院の特徴と取り組み
大学病院から独立した運営がなされており、さまざまな出身大学の医師が勤務しています。教育をする側、受ける側の双方ともに出身校に関わらず、個人の医療に対する姿勢を追及し、技能を磨くことができる環境が確立されています。
また、患者の安全や医療の質改善などを評価する国際的な医療施設評価機関「JCI」の認定や、看護の質に関する国際認証「マグネット認証」を取得しており、提供する医療の質を高める取り組みを続けています。
さらに、1995年に発生した地下鉄サリン事件の被害者を600人以上受け入れ、多くの命を救ったことは広く知られています。
医師が働きたい病院②亀田総合病院
病院の概要
亀田総合病院は、千葉県南部に位置し、計917床の病床と35の診療科を有する大規模な基幹病院です。高度急性期医療の提供に注力しており、Newsweek誌の良い病院ランキング日本版(2024年)では、聖路加国際病院に次ぐ国内第3位にランクインするなど、外部からも高く評価されています。
病院の特徴と取り組み
国際的な医療施設評価認証であるJCI認証や、医療サービス全般に関する国際規格ISO9001認証を取得しており、医療の質向上に積極的に取り組んでいることがうかがえます。
1985年に民間病院として国内で初めて第三次救命救急医療施設に指定された歴史を持ち、2010年からは基幹災害医療センターにも指定されるなど、特に救急・災害医療体制の充実に力を入れていると考えられます。
日本内科学会をはじめとする多くの学会から研修施設や認定施設として指定を受けています。こうした環境は、専門医資格の取得や専門技術の研鑽を目指す医師にとって、魅力的な要素の一つとなるかもしれません。
医師が働きたい病院③岐阜県立多治見病院
病院の概要
岐阜県立多治見病院は、岐阜県の東南部に位置する病床数539床の基幹病院です。地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院に指定されており、新生児内科から血管外科、緩和ケア内科まで多様な35の診療科があります。
病院の特徴と取り組み
東濃可児地域で唯一、救命救急センターおよび周産期母子医療センターの指定を受けています。地域の救急医療や周産期医療において、中核的な役割を担っている病院といえます。
先端医療の充実にも力を入れていて、造血幹細胞移植が可能なほか、手術支援ロボット「ダヴィンチ」「ROSA」やハイブリッド手術室を導入しています。
医療の質を評価する「QIプロジェクト」(日本病院会)や「医療の質の評価・公表等推進事業」(全国自治体病院協議会)に参加し、患者満足度調査結果の公表や苦情の内容分析などを実施して、医療の質の向上を追求しています。
また、病児保育に対応可能な院内保育所が設置されており、子育てをしながら働く医師を支援する環境整備にも配慮が見られます。
医師が働きたい病院④刈谷豊田総合病院
病院の概要
刈谷豊田総合病院は、愛知県の西三河南部西医療圏の地域中核病院です。地域医療支援病院、災害拠点病院などの施設認定を受けており、急性期医療を中心に地域医療を支えています。病床数計704床、勤務医師数222名、診療科目30科目と、多くの医師・スタッフが勤務する大規模病院で、2023年度の1日平均外来患者数は1,653名となっています。
病院の特徴と取り組み
内視鏡外科手術室を4室備えており、2023年度の低侵襲手術件数は1,941件と、先進医療の活用に積極的に取り組んでいることがうかがえます。
また、職員が利用できる院内保育所が設置されています。病児保育に対応し、一部曜日限定で24時間保育も可能です。子育て中の医師などが働きやすい環境づくりに配慮している様子が見られます。
さらに医学書などの資料を18,000点以上収蔵する図書館もあり、医師が自己研鑽を行うための環境も整えられています。
最後に
ここまで、働きたい病院として名前が挙がった4医療機関をご紹介しました。いずれも高度な医療と地域を支える機能を兼ね備えており、各地域で重要な役割を担う病院であることがわかります。医療の質向上にも高い意識をもって取り組み、患者の視点に立った医療提供を志す姿勢が共通しています。
医師によって勤務先の病院に求めるものはさまざまです。もし、不満に感じているものの現在の勤務先ではかなえられない希望条件があるという医師の方は、どのような病院であれば、ご自身が希望するキャリアやライフプランをかなえることができるのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
※記事公開時点(2025年4月)の情報です。最新の情報は各病院の公式サイト等でご確認ください。