医師に自由な転職は難しい?医師531名への最新アンケート結果

医師の転職に関するアンケート結果

 
「医師の世界は狭い」と言われることがあります。特に医学部のある大学が1つしかない地方では、県内のほとんどの病院が1つの大学から医師の派遣を受けているような状態になっていることがあります。

このような状況だと、例えば大学を辞めて県内の病院へ自由に医師が転職することが制限されることも考えられます。実際、「医師が転職先として話を進めていた病院に大学教授からの圧力がかかり、転職できなくなってしまった」という話もあります(右記参照:「医局を辞めようと考えたら?医師の転職事例に学ぶ、退局の方法と注意点」)。

”狭い世界”にいる医師にとって、転職することは困難なのでしょうか?このことについて、実際に転職したことのある医師はどのように考えているのでしょうか?

これまで、直接このような問題についてまとまって調査したものはほとんどありませんでした。

そこで株式会社メディウェルでは、「転職」について医師へのアンケート調査を実施し、合計531名の医師から有効回答を得ました。結果の概要は以下のようになっています。

<結果の概要>

    • 転職活動の進め方、結果いずれにおいても転職経験者の9割が「満足」と回答
    • 転職したいと思うタイミング、多いのは「年収への不満」と「忙しさによる心身の疲れ
    • 転職未経験者が転職活動を始める場合に感じる不安や障壁では半数以上が「希望に叶う転職先が見つからない」ことを挙げた
    • 転職時に利用する方法で多いのは「知人の紹介」と「紹介会社
    • 未経験者が転職経験者やコンサルタントに聞きたいことで多いのは「転職活動・情報収集の方法」と「転職してよかったか
    • 転職活動で苦労したことでは、「退職や以前の勤務先」に関することが最多
    • 転職活動でやっておいて良かったこと・未経験の医師に勧めたいことで多かったのは「知識・経験や資格・人とのつながり等」と「転職先の情報収集
    • 転職活動でやっておけばよかったことや後悔していることは、「特にない」という回答が特に多く、それ以外では「条件の確認・交渉」や「転職先の情報収集」が多かった
    • 転職活動での具体的な失敗エピソードでは、「事前に聞いていた内容と転職後とのギャップ」に関するものが多かった
    • 転職を経験したことのない医師へのアドバイスには、「転職するタイミング」「希望の整理・伝え方・条件交渉」「転職への心得」「転職先の情報収集」に関するものなどが寄せられた

「退職や以前の勤務先」に関する苦労が医師の転職で多いのは印象的ですが、他にも「転職してよかったか」や転職失敗エピソード、未経験者への具体的なアドバイスなど、転職未経験の医師にとっても参考になるような情報も多く寄せられました。以下に自由回答や具体的なデータについて紹介します(回答者の属性について)。

目次

<関連記事>
転職未経験の医師が経験者や紹介会社のコンサルタントに聞きたいこと(自由回答)
医師の転職活動、特に苦労したポイントは?(自由回答)
転職活動でやっておいてよかったこと、転職未経験の医師に勧めたいこと(自由回答)
今思うとこうすればよかった…医師の転職活動で後悔していること(自由回答)
医師の転職活動での具体的な失敗エピソード(自由回答)
転職未経験の医師への経験者からのアドバイス(自由回答)

転職経験者は回答者の7割に。転職複数回の医師も半数近く

回答した531名の医師のうち、転職経験者は378名と71.2%を占めており、転職経験が複数回の医師も45.6%と半数近くを占めました(下表)。

医師の転職回数

ただし、回答者のうち431名は株式会社メディウェルの医師会員(回答者の属性参照)で、その中には転職支援サービスに過去申し込んだ医師も含まれるため多く出ていることが考えられます。

そこで参考までに、Medpeer医師会員の回答者のみ(N=100)で転職回数を調べると以下のようになっていました。

医師の転職回数(Medpeer会員のみ)

Medpeer会員のみの場合では転職回数は全体的に少なくなりましたが、それでも6割弱の医師が転職経験ありと回答しています。アンケート回答に伴う抽出のバイアスは多少残ってはいるものの、転職経験のある医師は少なくないと考えられます。

転職したいと思うタイミング、多いのは「年収への不満」と「忙しさによる心身の疲れ」

上記のうち、3割の転職未経験の医師においても、「これまで転職したいと思ったことがある」という回答が73.9%を占めており(回答者の属性参照)、転職経験者も含めて大多数の医師が「転職したい」と過去に考えていたことになります。

それでは、医師はどのようなときに転職したいと思うのでしょうか?転職未経験者、経験者それぞれについて見ていきましょう。
 
<転職未経験者>

転職未経験者が転職したいと思うとき

<転職経験者>

転職経験者が前回の転職で転職したいと思ったきっかけ

 
転職未経験の医師、経験したことのある医師のいずれにおいても多いのは、「休息を取れず忙しい状態が続き心身の疲れを感じた」「年収・待遇面での不満を感じた」の2項目です。

一方で転職未経験者と経験者で異なる部分も垣間見えます。比較を容易にするために、全選択肢中で各回答の占める割合を転職未経験者、転職経験者でそれぞれ出した表が以下になります。

転職経験者と未経験者での転職したいと思うタイミングの比較

これを見ると、転職未経験者では「勤務の時間的拘束が長いと感じた」が多いのに対して、経験者では「結婚・出産・育児・介護など家庭環境で変化があった」「資格取得やスキルを磨く上で、現状の環境に満足できないと感じた」が多い傾向となっていることが窺えます。

実際に転職する場合では、「長時間勤務」など慢性的な問題よりも、家庭やキャリアなどでのより具体的な事情があることが多いということなのかもしれません。

希望に叶う転職先が見つからないのでは?…転職未経験者が感じる不安や障壁

転職未経験の医師に「もし転職活動を始める場合、不安や障壁になりそうなこと」について質問したところ、下表の結果となりました。

転職未経験者の不安

希望に叶う転職先が見つからない」が54.2%と半数以上を占める結果となりました。他に多い項目では「大学医局や現在の職場を離れづらい」が35.9%、「転職活動の方法がわからない」が31.4%となっています。

転職時に利用する方法、多いのは「知人の紹介」と「紹介会社」

転職時に利用する方法について、転職未経験者と経験者それぞれでの回答結果は以下となります(未経験者は「利用すると思う方法」、経験者は「前回利用した方法」をそれぞれ回答)。
 
<転職未経験者>

転職未経験者が利用すると思う転職方法

<転職経験者>

転職経験者が利用した転職方法

 

転職未経験者、経験者ともに「知人や先輩に相談し転職先を紹介してもらう」、「専門の紹介会社に求人を紹介してもらう」の2つの方法を挙げている医師が多くなっています。この傾向は転職経験者でより顕著な傾向にあります。

その他の自由回答では、「バイト先に常勤医として就職した。」「研修先で引き抜き」「民間病院より誘いがあった」といったものなどがありました。

【未経験者】経験者やコンサルタントに聞きたいこととして多かったのは「転職活動・情報収集の方法」と「転職してよかったか」

転職未経験者に「転職を経験したことのある医師や紹介会社のコンサルタントに聞きたいこと」について自由記述で回答してもらったところ、「転職活動・情報収集の方法」と「転職してよかったか」がやや多いという結果になりました(下表)。

転職未経験者が経験者やコンサルタントに聞きたいこと

自由回答の内容は下記のようになっています(一部。全体版はこちら)。

  • <転職活動・情報収集の仕方>

    • 転職方法として、どのような方法が良いか(40代男性・検診・人間ドック)
    • 具体的にどう進めていけばよいのかわからない(40代男性・眼科)
    • 医局退局への話の持っていきかた。病院との勤務条件の交渉方法(40代男性・一般外科)

    <転職してよかったか>

    • 失敗したなと思ったことは?(50代男性・消化器内科)
    • 転職してよかったか、後悔はないかをお聞きしてみたいです。医局を離れたいのですが、なかなか転職先もなく、難しいです。(30代女性・小児科)

    <転職後の働き方>

    • 休みと給与、バイト、学会参加について(30代男性・麻酔科)
    • 勤務時間の融通性はあるか?仕事の内容への介入があるか?(60代男性・消化器内科)

    <転職のきっかけ>

    • 転職の決心した最終的な動機(60代男性・一般外科)

    <転職が上手くいかなかった場合の対処法>

    • 書面提示された雇用条件と実際の雇用条件が違った場合の対応はどうなるのか(40代女性・腎臓内科)

    <転職活動に関するその他の情報>

    • 医局を離れて地元の病院に就職した先生の経験談。紹介会社経由での転職だったとのこと。(30代男性・整形外科)

    <その他>

    • 一度医局を離れて転職された医師は、次から次に転職しているイメージがありますが、実際どうなんでしょうか。(50代男性・循環器内科)
    • コンサルタントは医師一人常勤契約させることで、医療機関から中間マージンをどれ程とっているのか。(30代男性・精神科)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>転職未経験の医師が経験者や紹介会社のコンサルタントに聞きたいこと(自由回答)

【経験者】医師の9割以上が転職活動を「うまく進められた」

前回の転職活動がうまく進められたかどうか」についての転職経験者の回答は下図のようになりました。

転職活動がうまく進められたかどうか

「うまく進められた」が50%、「まずまずうまく進められた」が43%と、9割以上の医師は前回の転職活動を振り返って「うまく進められた」と考えていることが窺えます。

【経験者】転職活動の結果についても9割が「満足している」

転職経験者の、転職活動の結果に対する満足度については下図のようになりました。

転職活動の結果に対する満足度

転職活動の進め方と同様に、「満足している」46%、「どちらかと言えば満足している」44%と合わせて9割の医師が転職活動の結果に満足しているという結果となりました。

【経験者】転職活動で苦労したことでは、「退職や以前の勤務先」に関することが最多

転職経験者が前回の転職活動で苦労したこと(自由回答)について内容から分類したところ、「特にない」という回答が46件とそれほど苦労していない医師も多い一方、「退職や以前の勤務先に関する苦労」が22件という結果となっています(下図)。

前回の転職活動で苦労したこと

自由回答の具体的な内容は以下のようになっています(一部。全体版はこちら)。

  • <退職や以前の勤務先に関する苦労>

    • 以前属していた医局からの圧力(50代男性・整形外科、転職2回)
    • 退職する際に引きとめや嫌がらせがあり、前職場ともめました。(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科、転職2回)
    • 後任者が決まらないという理由で、退職時期を引き伸ばされたこと。(50代女性・一般内科、転職3回)
    • 患者様の転院の受け入れ可能な病院探し(50代男性・婦人科、転職3回)

    <条件の不明瞭さ、事前に聞いていた内容と転職後の条件の不一致>

    • 口約束での年収アップを条件に転職したが病院からはそんな約束いてないと言われた。回復するのに大変だった。(50代男性・救命救急、転職1回)
    • 転勤先の事務長の話と実際の勤務内容に差異があった。(50代男性・一般内科、転職1回)
    • 退職金制度ありと言われていたが、実際に就職してみると退職金制度なしの条件となっていたため、不愉快な思いをした(50代男性・泌尿器科、転職1回)

    <希望通りの転職先がなかなか見つからない>

    • 中々条件に見合う案件が無かった。(50代男性・一般内科、転職5回以上)
    • 比較的ニッチな分野であり、こちらのスキルアップの目標などを併せると全国的にかなり施設が絞られた。また同様の転職をした前例が無かったため、エージェントにニュアンスを伝えるのがなかなか難しかった。(30代男性・形成外科、転職1回)
    • いい時期を逃してしまったので条件のいい案件があまりなかった(30代女性・その他診療科、転職1回)

    <転職後の苦労・トラブル>

    • 雇われ院長で就職。 オーナーが違法行為を行うところで、辞めるのに弁護士が必要だった。(30代男性・一般内科、転職4回)
    • 就職したらパワハラにあい、あるいは過重労働を強要された。(50代男性・麻酔科、転職5回以上)

    <転職活動に割く時間がない・スケジュール調整が難航>

    • 多忙でなかなかすぐに連絡することができなかった。(30代男性・緩和ケア、転職1回)
    • 面接の時間調整(40代男性・精神科、転職5回以上)

    <紹介会社の利用に関して>

    • 仲介業者がこちらの意図を理解していなかった(30代男性・心臓血管外科、転職1回)
    • 業者さんが事務長から聞いてこちらに説明したことと、面接で部長医師に言われたことが全く違う(50代女性・整形外科、転職4回)

    <転職活動の手間>

    • 現居住地でも、地元でもない地域に探したので、移動が大変だった。(40代男性・精神科、転職1回)

    <条件交渉に関して>

    • 紹介で強く希望が言えず週4日希望が週4.5日勤務になってしまった(給料面でも下がってしまった)(60代男性・脳神経外科、転職2回)

    <転職先に関する情報の不足>

    • 面接では何も分からない、勤めて暫く経ってから後悔する(主に人間関係)(40代男性・一般内科、転職5回以上)

    <募集の充足・他の転職希望医師との競争>

    • 常勤の枠での就職予定だったが、直前に他の人に決まってしまい、非常勤での就職になった。(30代女性・腎臓内科、転職1回)

    <希望の明確化・選定の基準に関して>

    • 選ぶ基準がわからない(40代男性・一般内科、転職2回)

    <年齢による制約>

    • 最後の病院を定年退職後、新しい職場を探したときに高齢が理由で断られたこと。これは常勤ではなく非常勤勤務でのこと。(60代男性・麻酔科、転職3回)

    <転職活動への不慣れ・不安>

    • 全く違う世界に移ることになるので不安があった(40代男性・循環器内科、転職4回)

    <その他>

    • その直前の勤務終了の間、1か月間バイトで過ごした。(50代男性・消化器内科、転職5回以上)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>医師の転職活動、特に苦労したポイントは?(自由回答)

【経験者】転職活動でやっておいてよかったことや未経験の医師に勧めたいこと、回答上位は「転職にあたっての知識・経験や資格・人とのつながり等」と「転職先の情報収集」

「前回の転職活動でやっておいてよかったことや、未経験の医師に勧めたいこと」についての転職経験者の回答は、下表のようになっています。

医師の転職活動でやっておいてよかったこと

転職にあたって身につけておきたい知識・経験や資格・人とのつながり等」と「転職先の情報収集について」が多いという結果になっています。自由回答では下記のようなものがありました(一部。全体版はこちら)。

  • <転職にあたって身につけておきたい知識・経験や資格・人とのつながり等>

    • しっかり自己研鑽をして業績をあげること(40代男性・皮膚科、転職1回)
    • 不動産の知識(30代男性・救命救急、転職3回)
    • 学会で会った先生に名刺をいただいたら、「お礼のメール」をしておく。また学会で会うことがあるときに、相談をすると、色々な体験談が聞けてものすごく励まされました。(40代女性・一般内科、転職2回)
    • 専門医の取得、大学での診療経験(60代男性・形成外科、転職2回)
    • 留学のような転職で、医局に入る前から将来的にしようと決めていた。なので手術を他人よりなるべく多くこなすようにしたり、参加できるワークショップは極力参加して、退局までに効率良く過ごせました。専門を決めた時に将来具体的に何をしていくか明確な目標を立てる事が必須だと思います。それができない人は医局にいようといまいと何も成せない人が多い印象です。(30代男性・形成外科、転職1回)

    <転職先の情報収集について>

    • 勤務時間や勤務地が希望の範囲に収まるのであれば、多少希望とはズレる求人でも検討した方が良いこともあると思います。意に沿わないところでも、何かしら参考になったり今後のキャリアを考える上で糧となる経験ができることもあります。(40代女性・形成外科、転職1回)
    • 入職前は良い話ばかり聞かされてしまうので、実際の評判等を周囲の医師や実際に勤務経験がある方から、現場の実際の声を聞いた方が良いです。(30代男性・循環器内科、転職5回以上)
    • 事前の病院見学。地域(県)が変わる時にはその土地の医療情勢(地元の大学医局は力(実力)があるかどうか)を把握すべき。(30代男性・神経内科、転職1回)
    • 下見に行った時、タクシーの運転手さんに評判を聞いた。(60代男性・一般内科、転職4回)
    • 納得するまで面接や問い合わせをして良かったと思う。(30代男性・心臓血管外科、転職2回)

    <条件の確認・交渉>

    • 給与、待遇の確認(50代男性・婦人科、転職2回)
    • 当直を何歳までおこなうか(50代男性・産科、転職1回)
    • 事前に希望書面を事前に出しておくことが大切(60代男性・脳神経外科、転職2回)
    • 治療が難しいと言われている疾患の治療(40代女性・精神科、転職3回)

    <紹介会社の利用に関して>

    • 言いにくいことは、仲介業者の方に言っていただけたので助かった。(40代女性・皮膚科、転職2回)
    • 業者さんの言うことを鵜呑みにせず、部長医師に勤務条件をきちんと確認すること。事務長と部長医師の意思疎通がなされていないことが多い。また、転居してからこんなはずではなかったということが多いので、転居は長く勤務できると思った後のほうが良い。(50代女性・整形外科、転職4回)
    • 複数の紹介会社に登録すること、希望の優先順位をしっかりと考えておくこと(途中で変更になった場合も躊躇せずに伝えること)(30代男性・小児科、転職2回)
    • 会社は一つに絞る(30代男性・緩和ケア、転職1回)

    <希望の整理・伝え方・自己PR>

    • 何をやりたいのか、自分でしっかり考える事(60代男性・病理診断科、転職1回)
    • 希望する待遇等(給料、定期昇給の有無、当直回数、学会費や学会出張について等々)についてはきちんと伝え、納得して転職するのが肝要です。(50代男性・一般内科、転職2回)
    • 信頼し、誠実な情報開示を行うこと(50代男性・緩和ケア、転職5回以上)

    <退職に関して>

    • 引き継ぎ資料の作成は後ろ指ゆさされないようにしっかりと作成。味方になるスタッフとの信頼関係をしっかり保っておくこと。(40代男性・精神科、転職4回)
    • 医局での自分の仕事を引き継げる相手をきめてから医局に辞める話をだすほうがスムーズに辞められる。(29歳以下女性・皮膚科、転職1回)
    • あせらずに2年かけて円満退職した。(50代男性・整形外科、転職1回)

    <その他>

    • 自分の可能性を信じて、どのような環境でも生き抜く力と精神を養うことでしょうか。(50代男性・一般内科、転職2回)
    • バイト先であったので、仕事内容がスムーズに進められた。(50代男性・消化器内科、転職5回以上)
    • まあゆっくり待つ(50代男性・精神科、転職3回)
    • 自分を信じて歩む 他人任せにしない(50代男性・整形外科、転職2回)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>転職活動でやっておいてよかったこと、転職未経験の医師に勧めたいこと(自由回答)

【経験者】転職活動でやっておけばよかったことや後悔していること、「特にない」が52件と多数、それ以外では「条件の確認・交渉」や「転職先の情報収集」が多い

「前回の転職活動でやっておけばよかったと思うことや、後悔していること」についても転職経験者に自由回答方式で回答してもらったところ、「特にない」が52件と最も多いという結果となりました。その他の回答について分類すると下表のようになっています。

医師の転職活動でやっておけばよかったこと、後悔していること

「条件の確認・交渉」と「転職先の情報収集について」で後悔している回答が多くなりました。自由回答は下記になります(一部。全体版はこちら)。

  • <条件の確認・交渉>

    • 当直や院外バイトなど 詳細に訪ねておけばよかったと思います(40代女性・小児科、転職1回)
    • 待遇面をもっと確認して入職すればよかった(40代女性・その他診療科、転職1回)
    • とにかく契約内容は事細かに文書に残す。口約束はNG。(50代男性・一般内科、転職1回)
    • 契約をきちんと確認できなかったこと(30代女性・麻酔科、転職1回)
    • 給与の確認だけではなく、住宅手当や交通費の確認、想定される昇給額の確認(30代男性・精神科、転職1回)

    <転職先の情報収集について>

    • できれば少しバイトや試用期間などで病院の本当の状況を見ておいたほうが良かった(50代女性・整形外科、転職4回)
    • 同じ診療科であっても、病院によって勤務の内容や特徴、雰囲気などは実際に働いている医師に聞かないとわからない部分も多く難しいが、もっと情報収集に努めればよかった(50代男性・小児科、転職5回以上)
    • 医師の年齢構成の確認(40代男性・精神科、転職3回)
    • 幅広く見学や情報収集すればよかった(30代女性・病理診断科、転職1回)
    • 医療情勢の把握不足。自身の科が少なく、診断で苦慮した際に県内に紹介先がない。(30代男性・神経内科、転職1回)

    <転職にあたって身につけておけばよかった知識・経験や資格・人とのつながり等>

    • 一般的な技術で最も要求されるものは何かに対応しておくべき(60代男性・一般内科、転職1回)
    • 半分転科のようになるので、専門医機構の動きを察知し転科先の学会に早めに入会しておけば旧専門医制度で専門医が取れたのに、と思いました。時代の流れにも気を配っておかないと予期しない事(専門医の維持が困難になるなど)が起こるかもしれないため、そうした情報は医療系のサイトなどでチェックしておいた方が良いです。(30代男性・形成外科、転職1回)
    • 前の職場で仲間をもっと作っておくべきだった(40代男性・一般内科、転職3回)

    <紹介会社の利用に関して>

    • 疑問に思った点は溜め込まずに、早い段階から転職担当者に相談を。直接問い合わせるのも間違いではないが、第三者の介入を求めた方が、後々、自分の非だけを職場内で一方的に責められ、あるいは何らかのハラスメントを受けることを避けられるかもしれないので。(50代男性・精神科、転職5回以上)
    • 複数の業者さんと、連絡を密に取ること。(50代男性・婦人科、転職3回)

    <退職に関して>

    • やめる勤務先に辞める旨を3ヶ月よりもっと早く伝えるべきであった。(40代女性・精神科、転職3回)
    • 転職は決まっても、転職先職場へ勤務開始時期を延ばすように依頼し、半年以上前に前職場に退職の意向を伝えました。それが間違いで、むしろ余計な仕事を押し付けられたり、様々な責任転嫁をされてトラブルになってしまいました。転職活動以上に退職活動が重要だと思います。(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科、転職2回)

    <その他>

    • 何回か失敗する事です。(60代男性・婦人科、転職1回)
    • 年齢的にある程度早めに行動すること(60代男性・形成外科、転職2回)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>今思うとこうすればよかった…医師の転職活動で後悔していること(自由回答)

【経験者】転職活動での具体的な失敗エピソード「事前に聞いていた内容と転職後とのギャップ」が多い結果に

「前回の転職活動での具体的な失敗エピソード」についての自由回答は、下表のような内訳になりました。

医師の転職活動での具体的な失敗エピソード

「事前に聞いていた内容と転職後とのギャップについて」が最も多く、次いで「条件の確認・交渉に関して」が多い結果となりました。回答内容は以下のようになっています(一部。全体版はこちら)。

  • <事前に聞いていた内容と転職後とのギャップについて>

    • 知人である事務長に請われて転職したものの、院内の力関係が事務長ではコントロールできない状態になっており、一部の古株が幅を利かせていた事を入職後に痛感したこと。(30代男性・循環器内科、転職5回以上)
    • ホームページと紹介会社の情報のみでほぼ決めていたが、実際に面接に行った際にギャップが強く、そこから再度候補を選び直した 幸い良い病院(現在)が見つかったが、実際に行くまでは断定しないことが大事と感じた(30代男性・小児科、転職2回)
    • かなり斜陽のクリニックだったので、事前に見ていたら転職しなかったかも…(50代男性・婦人科、転職2回)
    • 繁忙期は9-11月の3か月間と聞いていたが、実際の労働量からみてみると6.5か月は繁忙期でさらに+2か月も準繁忙期だった。健診としては結構忙しい職場の気がする。(それでも臨床よりは負担は断然軽いが。)(29歳以下男性・検診・人間ドック、転職1回)
    • 一人の医師と他の医師の仲が悪いと聞いていたが、実際は全員お互いに口もきかないほど仲が悪く非常に居心地が悪い(50代女性・整形外科、転職4回)

    <条件の確認・交渉に関して>

    • 面接の際に際どい条件を飲まされた。被面接者は弱い立場なので、パワハラだと思う。(60代男性・その他診療科、転職5回以上)
    • 口約束だけで入職し、有給や給与など全てに不満(30代女性・麻酔科、転職1回)
    • 当直が月8回(50代男性・小児科、転職5回以上)
    • 失敗ではないが、比較なしで決定したので、移ってみたら給与が安かった(60代男性・病理診断科、転職1回)

    <紹介会社の利用に関して>

    • 仲介業者に意図が通じず無駄な見学、無駄な話し合いを持った(30代男性・心臓血管外科、転職1回)
    • 業者によっても得て不得手の領域がありそうだ(50代男性・小児科、転職1回)
    • 転職を急いだが為に担当者に足下を見られ危うくとんでもない条件のクリニックと契約しそうになった。担当者の態度や話し方があまりにも酷く契約寸前で我に返り他の紹介会社に切り替えて現在の勤務先に決定した。本当に危ないところだった。(50代女性・在宅診療、転職4回)

    <退職に関して>

    • 前任先のトップから、次の行き先を患者に伝えることを禁止された。その通りしたところ、のちに再開した患者から、行き先も告げずに去った悪い医師とのイメージがあると言われた。他の患者ともそう話していたと言われた。トップに禁止と言われても、自分の患者にはきちんと事情を説明しておけばよかった。(40代男性・精神科、転職4回)
    • 退職の意向は早期(半年以上前)に伝えたが、退職届を3か月前に出したら、突然の退職で困ったと流布された。正確には当方の失敗ではない。 (50代男性・一般内科、転職3回)

    <その他>

    • 家賃をダブルで払ってしまった(30代男性・救命救急、転職3回)
    • 転職に際し出身大学医局の先輩に相談したが、その先輩から誘われてしまい、断ることになって心が痛んだ。(50代男性・一般内科、転職2回)
    • 同じ診療科についてふたつの病院から選んだが、選ばなかった病院の方がより自分が診たい疾患や患者を診療しており、結果的に自分の希望とは異なった選択になってしまった(50代男性・小児科、転職5回以上)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>医師の転職活動での具体的な失敗エピソード(自由回答)

【経験者】「転職するタイミング」「希望の整理・伝え方・条件交渉」「転職への心得」「転職先の情報収集について」…転職を経験したことのない医師へのアドバイス

転職経験者から、「今まで転職を経験したことのない医師へのアドバイス」としては、以下のようなものがありました。

転職未経験の医師へのアドバイス

具体的な回答は以下のようになっています(一部。全体版はこちら)。

  • <転職するタイミング>

    • 転職は最小限にした方がいい。プロ野球のフリーエージェントと同じで、ここぞというタイミングで一回限りのつもりで。(60代男性・その他診療科、転職5回以上)
    • チャンスなんて自分でつかめばいい。無駄なことはないね。下手な鉄砲も数打ちゃあたる。(60代男性・検診・人間ドック、転職5回以上)
    • 今の職場に不満があるようなら怖がらす、転職にトライすべき (60代女性・婦人科、転職1回)
    • 転職は無理にしなくてもいいが、経験すると世界が広がるのも事実。 (30代男性・救命救急、転職2回)
    • 20代、30代なら先輩諸氏の助言に従うのが良いと思います。40歳を過ぎたら、自分の考えを優先させた方が良いと思います。 (60代男性・救命救急、転職1回)
    • 心を病む前に、逃げる勇気を持ってください (29歳以下男性・麻酔科、転職1回)

    <希望の整理・伝え方・条件交渉>

    • 意外とスムーズに進むことが多いので、悩まずに希望は全て伝える方が良い。(40代男性・泌尿器科、転職2回)
    • 何処に行っても良い面や悪い面はそれなりにあります。何をどこまで許容して、何が絶対に譲れないかは明確にしておくべきです。(30代男性・循環器内科、転職5回以上)
    • 常にアンテナをはっておくこと。条件は十分確認しておくこと。希望ははっきりと先方に伝えて、文章等での合意をもらうこと(50代男性・小児科、転職1回)
    • 給与条件が、税込みか、手取りか、確認すること。(50代男性・産科、転職2回)
    • 転職に際して最重要な目的をはっきりさせること。(60代男性・一般内科、転職5回以上)

    <転職への心得>

    • 人生は人それぞれです。一つのことを突き詰めるのもよし、一度しかない時間で色々なことに挑戦してみるのもよし、過去は成功であろうが失敗であろうが学びの機会として、自分の描いている夢に向かって歩みを進めましょう。(50代男性・一般内科、転職2回)
    • 前向きな転職を(60代男性・整形外科、転職2回)
    • 医局の人事では、意に沿わないことがあったとしても基本的には医局に守られている部分があるように思います。自分のことは自分で責任を取る、というスタンスと、今まで積み上げて来た立場は一度離れて新たにスタートする気持ちを持って転職されるのが良いのではないかと思います。私自身は大学病院を中心に働いて来たので、知らず知らずのうちに上から目線でものを言うようになっており、悪気はなく言った言葉や説明が、患者さんにとってはきつく感じられたり、不快に思われたことがありました。(40代女性・形成外科、転職1回)
    • 人間万事塞翁が馬。ライセンスさえあればなんとかなります。(50代男性・婦人科、転職2回)

    <転職先の情報収集について>

    • 実際にその施設で働いている医師からの声や情報をできる限り集めることも大切だと思います(50代男性・小児科、転職5回以上)
    • 一度、現場を見に行ってほしい。患者の振りでも、お見舞いの振りでもいい。私は産業医をしているので、会社を見に行く。昼休憩、朝の通勤時間がいい。通えそうか、交通の便は、社員の顔色は?一度見ておくと、俄然面接がいい答えができる。(40代女性・一般内科、転職2回)
    • できれば試用期間で勤務してから契約したほうがいいと思います(50代女性・整形外科、転職4回)
    • 勤務先を調べることも大事ですが、転居先の住まい環境もよく調べてください。(60代男性・一般内科、転職2回)

    <転職にあたって身につけておきたい知識・経験・実績>

    • ヘッドハンティングされるだけの実績をつくるのがベスト(50代男性・その他診療科、転職1回)
    • やはり大学などで一定の教育を受け、臨床経験を積んでから、より小さい組織で働くべき(60代男性・形成外科、転職2回)
    • 専門医資格など必要な資格は早めにとっておくこと エージェントを選ぶこと(60代女性・精神科、転職4回)

    <紹介会社の利用に関して>

    • エージェントさんに頼むほうが、より具体的に話が進むと思います。(40代男性・老人内科、転職4回)
    • 仲介業者は多数あり担当と合わなければ迷わず他の担当者を探すべき(30代男性・心臓血管外科、転職1回)
    • 人材派遣会社のしっかりとした担当者に巡り会える事(50代男性・消化器内科、転職2回)

    <退職に関して>

    • 後腐れない様に、前の施設ともうまくやっていける様な転職が良い(50代男性・一般内科、転職2回)
    • あせらずに、円満退職することが大切(50代男性・整形外科、転職1回)

    <その他>

    • 転職後に技術力が上がることも多いです。(60代男性・一般内科、転職5回以上)
    • そこの病院の実情は働いてみないとわからないが、経営者(院長あるいは理事長)との面談で、力になってあげたいと思うところに就職したほうがよい。(50代男性・泌尿器科、転職3回)
    • 医師免許というセーフティネットがある分他の業種より大分恵まれています。転じて臨床以外での医師資格の使い道に目を向けて見ると、案外面白いことがいろいろあるものです。(40代男性・小児科、転職5回以上)

上記以外の回答については以下をご参照ください。
>>転職未経験の医師への経験者からのアドバイス(自由回答)

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 医師の転職に関するアンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員、および株式会社Medpeerに登録している医師会員
調査時期 2018年11月28日~2018年12月25日
有効回答数 531件(うちメディウェル会員431件、Medpeer会員100件)
調査公開日 2019年1月22日

 

年齢


回答者の年齢

 

性別


回答者の性別

 

診療科


回答者の診療科

 

地域


回答者の地域

 

勤務形態


回答者の勤務形態

 

転職回数


医師の転職回数

 

【転職未経験者】これまでに転職したいと思ったこと


これまでに転職したいと思った経験

 

医師転職研究所では、今後も医師の方々のキャリアに役立つ一次情報を調査・提供していきます。