
日々診療や研究、教育など様々な業務に携わる中で、多くの医師が何らかのスキル上の課題を感じています。一方で、そうしたニーズに対して医師向けの知識・技術習得を支援するウェブサイトやコンテンツ、サービスも少なからずあります。
医師はどのようなサイト・サービスを活用してスキルアップや学習に活かしているのでしょうか?2023年8月~9月にかけて実施した医師のアンケート自由回答を集計したところ、下表のようになりました。
m3の利用が最も多く、次いでケアネットが多くなっています。他には学会医療団体のサイト・セミナー等が回答として多くありました。
以下それぞれのサービスの詳細について紹介します(※医師転職研究所調べ)。内容は2024年2月時点のものとなりますので予めご了承ください。
m3
エムスリー株式会社が運営する言わずと知れた医療情報サイトで、32万人以上の医師が登録しており、医師向けのニュースや臨床クイズなど様々なコンテンツが用意されています。
ケアネット
医師会員数22万人以上の医療情報サイトで、特に動画コンテンツが充実しています。アンケートからはその中でもCareNeTVやがん@魅せ技を利用しているという回答が複数ありました。
メドピア
医師会員数17万人の医療情報サイトで、医師間での情報・ナレッジ共有などに強みをもったプラットフォームとなっています。
日経メディカル(オンライン)
日経BPが運営する医療情報サイトで、医師会員数は20万人以上となっています。一般の方が読める記事も多く、SNS上で話題として取り上げられることも多くなっています。
メディカルトリビューン(ウェブ)
医師会員数14万人以上の医療情報サイトで、本紙である医学新聞の購読と合わせると合計約27万人の医師会員を有するサービスとなっています。
YouTubeなどの動画サイト
動画サイトも少なくない医師が利用しており、その中で最も多かったのはYoutubeでした。「精神診療プラチナマニュアルの著者の松崎先生のyoutube(30代男性、精神科)」など、他の医師や医療関係者が発信している情報を参考にしているようです。
その他、外科系の医師からは手術動画などが掲載されているUpstreamも利用サイトとして挙げられました。
PubMedなどの論文検索・まとめサイト
医師にとっては基本的な情報源でもあるため、あえて挙げていない医師も多いかもしれませんが、PubMedなどの論文検索サイトや論文のまとめサイトを利用しているという回答もありました。
具体的に挙げられていたサイトとしてはPubMedのほか、NEJMやNatureのサイトや、コクランライブラリー、UpToDate、メディカルオンラインなどとなっています。
学会・医療団体のサイト・セミナー等
各専門分野の学会や医師会など医療団体でも、e-Learningやセミナーなど様々な学習機会が用意されています。また、サイトには最新の診療ガイドラインなどの情報もあり、自身のスキルアップのために活用している医師も多いようです。
製薬・医療機器会社のサイト・セミナー等
医療情報サイトの主要なスポンサーでもある製薬企業や医療機器メーカーの会社は、自社でも医師向けの学習コンテンツやセミナーなどを提供して情報提供に努めています。
SNS
医療情報の中にはX(旧Twitter)SNS経由で共有されているものも多くあります。特にSNSでは医療に関する怪しい情報やデマなども出回りやすいため、それに対して正しい情報を発信しようと努める医師や医療団体もおり、そうした情報を医師も参考にすることがあるようです。
英語学習サイト・サービス
英語論文の読解・執筆や国際学会、外国人の診療など、医師は身近に英語を使う機会を得やすいため、スキルアップとして英語学習に取り組む医師もいます。
使っているサイトやサービスとしては、YouCanSpeakやスタディサプリ、Fruitful Englishなどが挙げられており、医師向けに特化したものというよりは一般的な英語学習サイトを使っていることが多いようです。
その他
上記の他に挙げられたサイト・サービスとしては、HOKUTO(医師向け臨床支援アプリ)、Dr.s Prime Academia、ChatGPTなどがありました。
以上挙げた中には、ここ数年の間に開始されたサイト・サービスもあり、年々医師の中でも使うものが変わってきていることがうかがえます。
サービスの提供者側にとっても、日々様々な工夫や新しい機能を取り入れているかと思いますので、時には使い慣れたもの以外に自分に合ったサイトやサービスを探してみても良いのかもしれません。
【参考】回答者の属性
調査概要
| 調査内容 | 医師のスキルアップに関するアンケート調査 |
|---|---|
| 調査対象者 | 株式会社メディウェルに登録している医師会員 |
| 調査時期 | 2023年8月23日~2023年9月1日 |
| 有効回答数 | 1,500件(うち上記の自由回答424件) |
年齢
性別
診療科
地域
主たる勤務先





