地域によって様々な医師の転職市場。特に医師の募集状況や地域の特徴は二次医療圏ごとに異なります。 区東北部医療圏での転職成功のため、医師転職ドットコムが徹底調査した地域別の転職お役立ち情報をお届けします。
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〈文化的な街並みを多く擁する風光明媚な医療圏〉 東京都の区東北部二次医療圏は東京23区の荒川区、足立区、葛飾区の3つの区から構成される東京都の北東にある医療圏です。 荒川区は、日暮里繊維街が服飾の街として有名となっており、80を超える服飾店が立ち並ぶファッションの発信基地となっています。足立区は歴史と文化の街として、史跡や神社仏閣などが豊富にあり、それらは区の観光スポットとなっています。また、葛飾区は「男はつらいよ」シリーズの舞台となった柴又帝釈天や漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の舞台となった亀有が有名となっている区です。
〈利用者10万人以上もの日暮里・西日暮里駅が交通の中心となっている〉 東京都区東北部二次医療圏の交通は、JR東日本、東京都交通局、東京地下鉄などさまざまな路線が入り乱れていますが、その中でもメインとなる山手線の駅が荒川区に二駅(日暮里駅、西日暮里駅)存在しており、東京都東北部二次医療圏で最も利用人数が多い駅として、両駅ともに1日に10万人以上もの利用者を誇る巨大駅となっています。また、この駅を中心として周辺にはサンマークシティ日暮里などの高級マンションや商業施設などが立ち並ぶようになり、発展した地域となっていきました。 一方で足立区、葛飾区には山手線の駅は存在しておらず、電車で足立区、葛飾区に向かうには常磐線などを用いる必要があります。
〈高齢化率は東京全体のものよりやや高めであり、病院は東京全体の平均より多い〉 東京都区東北部二次医療圏の平成22年の国勢調査の時点で、医療圏の面積は約98平方km、人口は約133万人となっています。この人口は東京都全体(約1300万人)のおよそ10%にあたる人数で、そのうち65歳以上の高齢者は約29万2千人であり、高齢者の割合を示す高齢化率は22.0%となっています。この高齢化率は東京都の高齢化率の平均値である20.1%をわずかに上回るデータとなっています。また病院総数は85、診療所数703施設となっていて、人口10万人あたりに換算した施設数を見ると病院数は東京都の平均を上回り、診療所数は下回っています。また圏内の区のうち病院が最も多いのは足立区となっていて、圏内の半数以上の病院が足立区内に存在しています。 区東北部二次医療圏には公益財団法人東京都保険医療公社東部地域病院があり、病床数314を誇り、急性短期患者を主な対象として、この医療圏の中心的な病院としての役割を担っています。 区東北医療圏の課題として、医療圏内病院での急性心筋梗塞に対する治療法別実施割合が、他の医療圏と比較しても格段に低いという現状があります。『冠動脈バイパス手術/冠動脈閉塞に対する経皮的治療(カテーテルによる治療)/経静脈的血栓溶解療法』という急性心筋梗塞での病院での緊急治療法が、いずれも東京都の割合と比較して30%~55%程度でしかなく、この先の急性期患者の対応に不安が残ります。東京都としてもこの点を医療行政の課題として、急性心筋梗塞患者への治療実施割合を増やすべく施策を検討する必要があります。
〈医師数はやや少なめであり、患者の流出が多くなっている〉 東京都区東北部の医師数は2138人と、人口10万人対で換算すると160.8となります。これは東京都の平均、全国の平均と比べるといずれも低めの数値を記録しています。また東京都区東北部二次医療圏の特徴として、受療患者の流入出について、流入に比べて流出が顕著となっている状況があげられます。他の医療圏から区東北部二次医療圏への受療患者の流入が26.9%に対して、流出は47.2%と、およそ倍近くもの差が発生しています。 その中でも特に悪性新生物の流出率は高く、流出が50%を超えている状況となっており、逆に最も患者の流入が多く流出が少ない疾患は高血圧性疾患となっています。また、悪性新生物以外の心疾患、脳血管性疾患、糖尿病、心疾患については流入・流出ともに50%を下回る状況となっています。 現在、東京都区東北部二次医療圏では救急医療機関が荒川区などの圏内の西側に偏在しており、圏全体の救急医療に対応できるように医療機関を設置することが目標として掲げられています。
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