
医師の働き方も多様化してきていますが、どのような働き方で満足度が高いのでしょうか?医師1,511名への勤務状況調査からは、下記の5つのタイプが見えてきました。
| タイプ | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| A:バランスの取れた安定勤務タイプ | 635名 |
42% |
| B:常勤先での過労・不満蓄積タイプ | 330名 |
22% |
| C:時短・非常勤メインタイプ | 257名 |
17% |
| D:外勤で多忙も納得勤務タイプ | 151名 |
10% |
| E:オンコール・見えない拘束タイプ | 138名 |
9% |
以下では、これら5タイプがそれぞれどんな働き方なのかについて紹介しつつ、満足度の高い医師の働き方について考えていきます。(回答者の属性)
調査方法およびデータの見方
医師の勤務状況アンケートのデータを使用し、勤務日数・残業時間・当直回数(主たる勤務先)・オンコール負担・日勤アルバイト日数・当直アルバイト日数・主観的な労働時間の長さ・勤務満足度の8つの項目をもとにk-means法でクラスタ分析を行い、5つのグループ(タイプ)に分類しています。
各タイプの項目別に偏差値でスコア化したレーダーチャートを記載していますので、各タイプの働き方の特徴を確認する際にご活用ください。
A:バランスの取れた安定勤務タイプ
今回の医師アンケート調査で最も該当者が多かったタイプです。週4~5日の勤務で、当直・オンコール負担はほとんどなく、ワークライフバランスの取れた安定した働き方をしているのが特徴です。
現在の勤務時間についてもほとんど(94%)の医師が長いとは感じておらず、勤務満足度は93%と全タイプの中で最も高くなっています。
該当する医師の属性について、絶対数では一般病院の勤務医が最も多いですが、クリニック勤務医や開業医も多く該当しています。一方、大学病院の医師は少なめとなっています。
B:常勤先での過労・不満蓄積タイプ
常勤先での勤務負担が大きいタイプです。週5日のフル勤務で、月40時間程度の残業に加えて、当直や持ち回りでのオンコールなどの夜間対応をしていることも多くなっています。また、一般的な過労死水準とされる月80時間以上の残業をしている医師も17%程度含まれます。
勤務時間について64%が長いと感じており、勤務に不満をもつ医師も6割となっていて、全5タイプの中で最も勤務に対する辛さや不満を感じることの多いタイプとなっています。
該当する医師の属性としては、男性医師が83.6%と高くなっており、年代は30代~40代前半と比較的若手から中堅層が多くなっています。勤務先別では大学病院の医師の約半数がこのタイプに分類されるなど突出して多く、逆にクリニック勤務医は少ない傾向です。
C:時短・非常勤メインタイプ
メインの勤務先で週2日+アルバイト先で週1日といった、非常勤のみでの勤務や時短勤務をしているタイプです。残業時間は平均で月2時間程度とほとんどなく、当直やオンコールなど夜間の対応もほとんどないのが特徴です。
89%の医師は勤務時間を長いとは感じておらず、勤務満足度も87%と高い水準となっています。
このタイプに該当する医師は大きく2パターンあり、30代~50代の女性医師と、60歳以上のシニア層の医師が多くなっています。業務内容もクリニックでの外来や健診業務、産業医など、時間単位で働きやすい勤務先が多い傾向となっています。
D:外勤で多忙も納得勤務タイプ
常勤先では週4~4.5日ほど勤務し、研究日や当直などで外勤のアルバイトを多く入れているタイプです。残業は月5~10時間程度と比較的少ないものの、約半数は常勤先でも当直に入っていて、平均月3~4回ほどとなっています。加えてアルバイトでは、日勤と当直をそれぞれ週1回ずつ入っている状況です。
このタイプの医師の84%は常勤先での勤務時間について特に長いと感じてはおらず、現在の勤務の満足度も87%と高くなっています。
属性としては男性の割合が90%と非常に高く、年代では50代が多くなっています。勤務先は病院が中心で、診療科では消化器内科や一般内科など、やや内科系の割合が高い傾向にあります。
E:オンコール・見えない拘束タイプ
このタイプでは常勤先の勤務日数は4.5~5日程度、残業も月10~18時間と目立って多いわけではありませんが、常にPHSを手放せずオンコールの状態となっています。うち63%は1stコールを含めて常にオンコール対応している状況です。
勤務時間について長いと感じている医師は26%で、勤務の満足度は72%と他のタイプと比較するとやや低くなっています。勤務時間に換算されないオンコールでの拘束が見えない負担となっていることがうかがえます。
このタイプの属性としては男性医師が83%と高くなっており、年代としては40代後半から50代が多くなっています。勤務先は病院が多く、他には介護施設の割合も高くなっています。また、エリアとしては都市部よりも地方で多い傾向です。
5つの勤務タイプに見る、満足度の高い医師の働き方とは?
これまで見てきた5つの勤務タイプについて、満足度の高い順に並べると以下のようになっています。
| No. | タイプ | 満足度 |
|---|---|---|
| 1 | A:バランスの取れた安定勤務タイプ |
93% |
| 2 ※1 | C:時短・非常勤メインタイプ |
87% |
| 3 | D:外勤で多忙も納得勤務タイプ |
87% |
| 4 | E:オンコール・見えない拘束タイプ |
72% |
| 5 | B:常勤先での過労・不満蓄積タイプ |
40% |
満足度の高いタイプではワークライフバランスが取れていて、最も満足度の低いタイプでは勤務時間が長い傾向にあることから、勤務時間が長すぎないことはやはり勤務の満足度の要因の一つになっているように思われます。
一方、「D:外勤で多忙も納得勤務タイプ」では、アルバイトを多く入れていて多忙なものの勤務満足度は高くなっています。アルバイトを入れる、入れないは自身の判断でコントロールしやすくなっています。そうした勤務に対する裁量の有無や、負担に対して対価がしっかり得られるかどうかという点も勤務の満足度に影響すると考えられます。
「E:オンコール・見えない拘束タイプ」でのオンコール負担についても、勤務時間として換算されない負担となっていることが多く、対価として見合っていないということから満足していない医師が一定数いると想定されます。
ここまで、医師1,511名の勤務状況アンケートからクラスター分析した5タイプについて見てきました。あなたはどのタイプの働き方に近いでしょうか?
今の働き方にあまり満足できていないという場合は、こちらの5タイプを一つの参考として、今後どういう働き方にしていくか見直してみるのもよいかもしれません。
【参考】回答者の属性
調査概要
| 調査内容 | 医師の勤務状況に関するアンケート |
|---|---|
| 調査対象者 | 株式会社メディウェルに登録している医師会員 |
| 調査時期 | 2026年2月17日~2026年2月27日 |
| 有効回答数 | 1,511名 |
年齢
| 年齢 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 29歳以下 |
15 |
1.0% |
| 30代 |
349 |
23.1% |
| 40代 |
485 |
32.1% |
| 50代 |
361 |
23.9% |
| 60代 |
234 |
15.5% |
| 70歳以上 |
67 |
4.4% |
性別
| 性別 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 男性 |
1,107 |
73.3% |
| 女性 |
404 |
26.7% |
地域
| 地域区分 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 |
162 |
10.7% |
| 関東 |
563 |
37.3% |
| 中部 |
195 |
12.9% |
| 近畿 |
318 |
21.0% |
| 中国・四国 |
105 |
6.9% |
| 九州・沖縄 |
168 |
11.1% |
| 不明・海外 |
0 |
0.0% |
診療科
| 現在の主たる診療科 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 一般内科 |
194 |
12.8% |
| 総合診療科 |
29 |
1.9% |
| 消化器内科 |
77 |
5.1% |
| 呼吸器内科 |
39 |
2.6% |
| 循環器内科 |
52 |
3.4% |
| 腎臓内科 |
17 |
1.1% |
| 神経内科 |
21 |
1.4% |
| 内分泌・糖尿病・代謝内科 |
44 |
2.9% |
| 血液内科 |
19 |
1.3% |
| 腫瘍内科 |
7 |
0.5% |
| 老年内科 |
19 |
1.3% |
| 人工透析科 |
15 |
1.0% |
| リウマチ科 |
9 |
0.6% |
| 一般外科 |
36 |
2.4% |
| 消化器外科 |
45 |
3.0% |
| 呼吸器外科 |
11 |
0.7% |
| 心臓血管外科 |
7 |
0.5% |
| 脳神経外科 |
31 |
2.1% |
| 乳腺外科 |
8 |
0.5% |
| 泌尿器科 |
29 |
1.9% |
| 整形外科 |
78 |
5.2% |
| 形成外科 |
24 |
1.6% |
| 美容外科 |
6 |
0.4% |
| 小児外科 |
4 |
0.3% |
| 現在の主たる診療科 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 眼科 |
47 |
3.1% |
| 皮膚科 |
36 |
2.4% |
| 美容皮膚科 |
10 |
0.7% |
| AGA |
1 |
0.1% |
| 耳鼻咽喉科 |
34 |
2.3% |
| 精神科 |
125 |
8.3% |
| 心療内科 |
5 |
0.3% |
| 放射線科 |
43 |
2.8% |
| 小児科 |
76 |
5.0% |
| 産婦人科 |
58 |
3.8% |
| 婦人科 |
19 |
1.3% |
| 麻酔科 |
50 |
3.3% |
| 救命救急 |
21 |
1.4% |
| ペインクリニック |
3 |
0.2% |
| 緩和ケア |
8 |
0.5% |
| 病理診断科 |
14 |
0.9% |
| 臨床検査科 |
3 |
0.2% |
| 在宅医療 |
13 |
0.9% |
| 健診・人間ドック |
53 |
3.5% |
| リハビリテーション |
18 |
1.2% |
| 産業医 |
35 |
2.3% |
| 社医 |
0 |
0.0% |
| 上記以外 |
18 |
1.2% |
主たる勤務先
| 現在の主たる勤務先 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 病院(大学病院以外) |
800 |
52.9% |
| 大学病院 |
146 |
9.7% |
| クリニック(勤務医) |
338 |
22.4% |
| クリニック(開業医) |
90 |
6.0% |
| 企業 |
51 |
3.4% |
| 介護施設 |
25 |
1.7% |
| 休職中 |
26 |
1.7% |
| その他 |
35 |
2.3% |
<注>
※1 CとDの満足度は同等だが、「満足している」「どちらかといえば満足している」の内訳で特に「満足している」の割合が高いCを2位としている。




