医師の給与・年収はどう決まっている?満足度の高い報酬体系とは?

医師の給与・年収はどう決まっている?

自分の方が責任のある仕事をしているはずなのに給料は同僚の方が高い

仕事量が増えたのに年収は以前と変わらない

今の報酬には自分の専門性やスキルが全く反映されていない

収入はもちろん多いに越したことはないですが、少なくとも自分の仕事に見合った給与が支払われているかどうかということは、職場への満足度に大きく影響します。これには、報酬の決定される基準が深く関わってきます。

それでは医師の場合、支払われる給与はどのように決められているのでしょうか?また、医師にとって満足度の高い報酬の決まり方とはどのようなものになるのでしょうか?2019年に医師1,855名に行なった年収アンケートをもとに見ていきます。

 
<関連記事>
 ・コロナ禍での医師の年収事情―特にどの診療科の医師の収入に影響があった?(医師1,869名調査より)
 ・医師の年収事情【2020年版】ーコロナ禍で医師の収入状況に変化は?(1,869名調査)
 ・医師の年収・給料はどのぐらい?1,855名の医師の最新アンケート調査
 ・大学病院の医師の年収は低い?その他の勤務医と年収を比較した結果

医師の年収の状況

まず、医師によって年収はどれぐらい異なるのでしょうか?アンケートの結果は下表のようになっています(副業・アルバイト込みの年収、休職中の回答除く)。


アルバイト・副業込みの医師の年収

医師で最も多い年収は1,400万円~1,800万円ですが、800万円未満の医師が7.5%、また3,000万円以上が5.8%と年収の幅もかなり広くなっているといえます。

医師の給与はどのように決まっているのか?

医師の給与が決定される基準について、「出来高払い(患者数や診療報酬に応じて変動)」、「医師年数(経験年数)」、「能力・スキル」、「勤務時間」、「業務量」、「経営層の判断」の6つから医師にアンケートを実施したところ、下図の結果となりました。


医師の年収が決められる基準

「反映されている」「どちらかといえば反映されている」の回答が多い順に、医師年数(43%)、経営層の判断(37%)、勤務時間(36%)、能力・スキル(24%)、業務量(19%)、出来高払い(13%)となっています。

ウェブ上に掲載されている医師の求人でも、目安となる年収には「医師5年目○○万円、医師10年目○○万円」と医師年数が基準となることが多くなっています。このように、医師の報酬体系は年功序列の面が比較的強いといえます。

医師にとって満足度の高い報酬体系は?

それでは、医師にとって満足度の高い報酬体系とはどのようなものなのでしょうか?上記で医師が回答した「年収に反映されている基準」と、「年収への満足度(現在の年収が見合っているかどうか)」を掛け合わせて調べたところ、下表の結果となりました[1]


医師の年収が決められる基準

能力・スキル」が年収に反映されている場合に年収への満足度は87.9%と高くなっており、「業務量」が年収に反映されている場合も同様に85.2%と高くなっています。

反映されている場合と反映されていない場合の差分を見ても、「能力・スキル」と「業務量」の項目で特に差が大きくなっています。

これを踏まえると、「能力・スキル」と「業務量」が反映される報酬体系であると、医師にとって満足度が高くなると考えられます。

 
「能力・スキル」や「業務量」が年収に反映されている場合は医師においてはまだ少ないものの、インセンティブ制を導入する、資格手当を設けるなどの対応をしている医療機関もあります。

年収の多い・少ないといったことはすぐ目にとまります。しかし、長期間安定して働けるような職場を探す際には、「どのようなことが評価される職場なのか」「どのようにして報酬が決まっているのか」ということも加味した上で、自分の考え方や大切にしていることに合った職場を選ぶようにすることも大切なのではないでしょうか。

 
<注>
[1] 年収に反映されている基準については、「反映されている」と「どちらかといえば反映されている」の回答を「反映されている」群にまとめ、「反映されていない」と「あまり反映されていない」の回答を「反映されていない」群にまとめている。また、年収への満足度については、現在の年収が「見合っている」もしくは「どちらかと言えば見合っている」とした回答を「満足」に該当するとみなして算出している。