大阪府での医師転職市場

大阪府の医療機関

大阪府は、特に北部おいては人気エリアでもあり、医学部のある大学も多数あることから医療機関数も多くなっています。よって、救急医療圏においては救急難民が生じるようなエリアではありません。南部エリアでも、周産期においては「大阪府立母子保健センター」を中心に救急医療の機能分化を行っており、各医療機関の役割分担体制は整いつつあります。

大阪府内では、大阪大学を筆頭に大阪市立大学、大阪医科大学、関西医科大学、近畿大学と府内だけで5大学が存在し、さらには周辺の他府県から京都大学や兵庫医科大学などの派遣で体制を組んでいる医療機関もあります。しかし、新臨床研修制度が始まり、かつては一つの大学で運営していた病院で急に人員不足となったところもあります。大阪府内は、救急医療圏が円を描いたように存在し未だ棲み分けが整備できておらず、二次救急病院であっても実際には救急対応をほとんどしていない医療機関もあります。回復期リハビリテーションや透析医療など各医療機関もそれぞれに特色を出そうとしておりますが、患者の獲得に対しての競争が激化した状態にあります。人口は多いので年収は比較的高い条件を提示する医療機関も多く、民間医療機関では内科・外科の別なく10年目で平均1,500万円程度という相場になっています。大学の医局派遣先のエリアは、関西医科大学は京阪電車の沿線が比較的多く、大阪大学は北摂にかなり集約しているなどの特徴があります。

医療行政の特徴

大阪府内では、総合周産期ネットワークシステムがあります。産婦人科医師の不足が全国的に問題となっている中、周産期医療に取り組んでいる医療機関では周産期救急の連携に取り組んでおり、数々の医療機関でかかりつけの妊婦とは異なる妊婦の緊急分娩搬送受入のサポートを行っています。奈良県で起きた妊婦の死亡事故などの事例も踏まえ、必ずどこかの医療機関で対応できるよう、大阪府として整備に努めております。最近では、社会医療法人化した民間の医療機関も増加傾向にあり、夜間時間外の救急搬送受入実績を年間750件以上（重症、軽症に関係なく）出す事が必須とされています。こうして半公的病院の存在を担うべく、府内の救急医療充実に一役買っているという状況です。北摂は高度経済成長期に万博開催で発展を遂げた為、多くの住宅地や医療機関があります。現在は老朽化も目立ってきており、移転や改築なども大きな課題となっています。移転・改築が難しい場合は他の医療法人との統合なども考えられますので、診療圏の新たな構図が生まれるかもしれません。大きな公的病院でも移転の計画案が出ているなどの事例も聞いています。南部では、公的病院同士の診療連携が行われたり、民間の医療法人に売却・運営を依頼するケースもあります。このように、府内全域で様々な体制変更が起きております。

居住地としての特徴

大阪の商業の発展地は、「梅田」（大阪駅）、「難波」を中心として、新大阪駅周辺などがあります。通天閣で有名な大阪南部は吉本新喜劇などの活動拠点となっています。空港が「伊丹空港」「関西国際空港」と経営会社を統合し、2空港で共存共栄を図るべく、様々な事業を展開を続けています。府内全体で約886万人（平成22年統計）もの人口が存在する西日本でもトップクラスの大都市となっております。

大阪市生野区では在日韓国人が多く「コリアンタウン」として有名で、大阪府北部の箕面市などでは芸能人の居宅が多く、また泉佐野市や大阪狭山市、和泉市では関空の影響もあってニュータウン開発が続いているなど、この数年でも様々な変化があります。居住地域として人気があるのは、「北摂」（主には高槻市、茨木市、吹田市、箕面市、豊中市）と呼ばれるエリアで、居住物件の相場が比較的高く、さらに阪急・阪神ホールディングがその「北摂」の再開発に積極的で、マンションやショッピングタウンの開発も次々に行われている現状です。

大阪市の中央区や北区などはレジャー地域、もしくはビジネスエリアなので、医療機関の数は少ないものの、北野病院や大阪市立総合医療センター、大阪医療センターなど高度医療を行っている全国的にも有名な医療機関があります。