転職を考えたことのある医師はどれぐらい?ケアネット医師会員への転職アンケート結果の概要

株式会社ケアネットに登録する医師会員を対象に株式会社メディウェルにて転職アンケート調査を行ないましたので、その調査内容と結果について下記に公表します。

【調査詳細】ケアネット医師会員への転職アンケート結果の概要
調査内容 医師の転職意識に関する調査
調査条件 株式会社ケアネットに登録している医師会員
調査方法 ケアネット会員にメールにてアンケートを送付し回答を集計
調査時期 2016年8月4日~2016年8月9日
有効回答数 814件
調査公開日 2017年5月26日

転職を考えたことのある医師はどれぐらいか?

これまでに転職を考えたことのある医師がどれぐらいかについて調査した結果は下図のようになっています。

転職を考えたことはありますか?(医局派遣を除く)

転職を考えたことが「ある」と答えた医師は67%と、全体の2/3を占めました。「考える」にも程度の差があるものの、大半の医師は「転職」を選択肢の一つとして認識しているといえます。

転職を考えた理由は?

転職を考えたことが「ある」と答えた医師(N=547)に限定して、転職を考えた理由について自由回答形式で質問し、その回答で多く含まれていた語を集計した結果が以下となります。

転職理由に多く含まれていた語

ここで最も多かったのが「医局」という語であり、次に「人事」とあることから、「医局人事」に対する不満が転職を考えた理由として最も多いといえます。次に多いのが「当直」であり、勤務負担の大きさが転職を考えることにつながっていることが読み取れます。その他には、「職場」「人間関係」や、「収入」「給料」が転職を考えた理由として挙がっています。

以前に医師転職ドットコムの利用者を対象に実施した転職理由アンケート(最も多かったのは「家庭・生活事情」)と比べると、より医局人事や職場での人間関係の不満が前面に出た結果となりました。実際に転職活動を始める場合と単に転職を考える場合とでは、やや事情が異なっているということかもしれません。

転職を考えた理由に「医局」の含まれていた医師の自由回答例

転職を考えた理由について、最も多かった「医局」という語を含む自由回答(一部)は以下のようになっています。

    • 医局人事に不満があった。結局文句を言わない(言えない)ドクターが割を食う。
    • 子供が産まれて医局に所属しての勤務がきつくなったため。
    • 医局人事に毎年振り回される生活が嫌だったため。
    • 医局人事で動くのではなく長く働ける病院に移りたいと思ったので。
    • 数年おきに転勤する医局人事では、自分のやりたい医療ができない。1箇所で落ち着いて取り組める環境に身を置きたい。
    • 医局にいる意味がなくなってきたから。収入が違いすぎる。
    • 医局での居心地が悪くなったことと、現在の仕事の量、内容に不満があるから。
    • 自分が働きたいと思える職場が、当時の医局人事の中になかったから。
    • 医局人事に不公平感を感じたため。
    • 医局にいても先が見えなかったから。

ここから、医局人事で数年おきに異動になっていて落ち着かないといったことや、人事の不公平感、医局での待遇などが具体的な不満となっているといえます。

紹介会社のサービスに期待するもの

転職を支援する紹介会社のサービスについて、魅力を感じるものを複数回答でアンケートした結果が以下となります。転職を考えたことが「ある」と回答した医師と「ない」と回答した医師それぞれに分けて集計しています。

紹介会社の提供するサービスで魅力的と思ったもの

転職を考えたことがある医師、ない医師のどちらについても、サービスで魅力を感じるものとして最も多かったのが「年収・待遇について条件交渉の代行」となっています。転職を考える理由に待遇面での不満も多かったこともあり、その待遇を改善する条件交渉に期待する医師も多いといえます。

次に多かった「求人数、匿名で気になる医療機関について質問・応募ができる」という回答については、医局人事以外の選択肢を見つけられるという期待や、転職活動を医局内に知られるのは避けたいという不安が背景があることが推察されます。

まとめ

以上、医師の転職意識の調査の結果について紹介しましたが、全体を通じて「医局」という語がキーワードになっているということがうかがい知れます。2004年の新臨床研修制度以降、医局の崩壊ということが言われることもありますが、未だに多くの医師の念頭には「医局」の存在があり、それが医師の転職意識にも反映されているのではないかと考えられます。

医局を離れて転職することをドロップアウトと医師の間で呼ぶこともあるようですが、医師のキャリアの選択肢は広がってきています。今後は、医局内・医局外それぞれのメリットを比較した上で、自分にとって納得のいく選択をしていくことが医師のキャリア形成にとって重要になってきているといえます。