「医局を辞めたいがどうすれば良いのかわからない…」
「上司や教授にはいつ伝えるのがいいだろう?」
「何とかトラブルにならずに円満な関係を保てないだろうか?」

医局人事による異動や給与の低さ、雑用や勤務負担の大きさ、将来やりたいこととの乖離など、さまざまな理由から「医局を辞めたい」と考える医師は多いです。以前医師向けに実施した大学医局に関するアンケートでは、医局に属する医師の半数以上が将来的に医局を辞めることを検討しているという結果になっていました。
一方で、医局を辞めることには心理的なハードルや不安が伴います。実際、割合は多くないものの、退局がスムーズにできなかったりトラブルに繋がったりするケースもあります。
相次ぐ退職により、強引な引き止めでパワハラに耐える毎日でした。 (40代女性、一般内科)
辞めたいのに泣きつかれて引き伸ばされたこと。 (60代男性、整形外科)
露骨に嫌がらせをされたので弁護士を入れたらようやく相手が黙った (50代女性、眼科)
このような医局を辞める際のトラブルは出来る限り避けたいものです。そこで、過去に医局を辞めた医師の実例や退局・転職のデータを参考にしながら、円満に医局を辞めるための方法について順を追って説明します。
目次
医師が医局を辞める理由
医局を辞めたいと考えた時、こんな理由で辞めていいのだろうかという不安が出てくることもあるかと思います。
過去に医局を辞めた医師へのアンケートでは、「医局人事への不満」「医局と自分のやりたいことのズレ」「家庭環境の変化・ライフワークバランス」「給与や勤務条件の改善」「医局や組織に対する不満・期待度の低下」などが理由として多く挙げられました。
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- 医局人事から外れるため(40代男性・小児科)
- 異動人事に納得できなかったので。(50代男性・形成外科)
- 毎年人事のことで気を遣うのが嫌になったから(40代男性・麻酔科)
- 雑用ばかりで希望することが何もできなかった。自分の身につけたい知識・技術を得るために医局人事を越えて研修したかったから。(50代男性・緩和ケア)
- 自分のやりたい分野専門の施設への異動を許してもらえなかった(40代男性・心臓血管外科)
- 縛りが多く、自分がやりたい勉強のみという訳には行かなかったので(30代女性・精神科)
- 子供が生まれ、当時勤務していた病院の激務・薄給等から逃れるため。(40代男性・呼吸器内科)
- 結婚により当直のない勤務に変更するため。(40代女性・一般内科)
- 激務のため、ライフワークバランスがとれない。(40代男性・健診・人間ドック)
- 収入UPが必要な状況に追い込まれて仕方なく。(50代男性・麻酔科)
- 医局からの派遣だと退職金が出ない、所属している意味がなくなった(50代男性・泌尿器科)
- 外病院勤務時、給料のうち年間600万円が天引きされ、教授に振りこまれていたことを、ちょうど子供ができたときに知り、給与を増やしたいと思ったため。(30代男性・形成外科)
- 医局の上司同士のいざこざに興ざめして。(40代男性・一般内科)
- 教授が交代し,人望と能力がない人物が教授になり,自分で留学先を見つけたから.(50代男性・精神科)
- 出世コースを外れた先輩医師をみて(40代男性・一般内科)
- 忙しすぎて将来を考えられなかった(40代男性・小児科)
- 魅力的な勤務先に巡り会ったため。(50代男性・精神科)
- 医局の専門と異なる大学院に進んだところ、退局勧告された。(40代男性・整形外科)
医局人事への不満
医局と自分のやりたいことのズレ
家庭環境の変化・ライフワークバランス
給与や勤務条件の改善
医局や組織に対する不満・期待度の低下
その他
実際にはこうした事情が重なり合っていることも多いと思います。
医局を辞めて転職した医師の事例
それでは、実際に医局を辞めて転職した医師の事例を7つ紹介します。
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- 30代男性、呼吸器内科医。医局派遣で病院の異動を繰り返していたが、今後は自分の裁量で新しい職場を探したいと考えた。
- 民間の健診機関と地域密着型の病院で悩んだ末、コンサルタントからのアドバイスを受け、両方の医療機関で非常勤として1ヶ月ずつ勤務。
- お試し勤務の後、地域密着型の病院への転職を決意。
- 40代男性、精神科医。出身大学と別の医局に所属していたが、外様扱いを受けており医局との関係は薄く、今後はもう少し自分のスキルと業務量に見合った給与をもらえる勤務先があればと思い転職先を探し始めた。
- 転職サイトで気になった病院に問い合わせをし、紹介会社に情報収集と見学の段取り、条件交渉などを依頼。交渉材料として自分の経験や資格、スキルを伝える。
- 週5日、2,000万円の条件で希望の職場への転職を実現。
- 30代男性、麻酔科医。医局からの人材の流出が激しくこのままでは自分にもしわ寄せがくると感じたことと、将来的に自分は医局に残る人間ではないことを鑑みて、民間病院に転職して手術麻酔に集中して腕を磨きたいと考えた。
- 知人の紹介された週4日のA病院と、週5日の心臓麻酔もできるB病院で迷ったが、B病院が年収提示額を2,000万円に引き上げてくれ、評価してくれていると感じB病院への転職を決意。
- 知人にもその旨を伝えたところ、背中を押してもらうことができ、円満に転職することができた。
- 40代男性、整形外科医。医局に所属しこれまで様々な病院に派遣されてきたが、年齢的にそろそろ開業準備を始めたいと感じ、開業後の経営のノウハウや経験の身に付くクリニックへの転職を考えた。
- 分院長の募集に興味を抱き面接に行ったが、医局を辞めて開業してうまくいくのか、家族を養っていけるのか不安になった。
- 改めて本院の院長と話し合ったところ、院長自身が分院長から本院長になったという経験や、開業が不安な場合にはクリニック勤務医や、分院を譲渡してもよいという言葉を受け、転職することを決意。
- 30代女性、眼科医。専門外の外科当直が負担となっている一方で、眼科のオペの経験を十分に積めない状況のため転職を考えた。
- 転職先の医療機関で内定をもらったが、上長から教授に医局を退局する旨がなかなか伝わらなかった。
- コンサルタントに相談し、教授に直接相談できるように話をもっていくことにしたことで、教授に退局の旨を伝えることができ、無事転職することができた。
- 30代男性、腎臓内科医。医局派遣で勤務していたが、拘束時間が長く休みが取れない上に給与が低いこと、診療で学べるものがなくなったこと、親のいる実家への帰郷が決まったため、転職することを決意した。
- 無事、希望の職場で内定を得た後、医局を円満に退局するためコンサルタントにアドバイスを受け、過去に退局した医師から情報収集し参考にすることに。
- 最終的に週1回大学で外勤を行なうことで退局の許可がおり、円満に退局することができた。
- 30代女性、形成外科医。大学病院で働いていたが、医局内で比較的若手のため雑用や当直回数の多さが負担になっており、年齢的にこれから体力面できつくなってくることを懸念し、このタイミングで転職することに。
- 大学病院の勤務中であまり転職活動に時間をかけづらい中、なるべく時間的な拘束の少ない方法で効率的に転職活動できるようコンサルタントからサポートしてもらい、複数のクリニックに面接した。
- 人柄の良い院長のクリニックで、当直やオンコールのない週4日での勤務を実現できた。
<事例1>「1ヶ月ずつ非常勤で勤務してみて、転職先を決定」
<事例2>「出身大と別の医局に入るも外様扱いを受けて」
<事例3>「医局を出て、800万円アップの年収2000万円を実現」
<事例4>「開業準備のため医局を辞めてクリニックの分院長に」
<事例5>「退局の旨を上司に伝えるも、教授になかなか伝わらない」
<事例6>「退局活動までアドバイスを受けて」
<事例7>「重い負担に耐えられなくなる前に」
医師の転職活動の成功率はどれぐらいか?
上記は医局を退局する転職例としてはいずれも成功といえますが、医師の転職活動の成功率は実際にどれぐらいなのでしょうか?2024年に実施した医師の転職アンケートでは、以下のような結果となっていました。
医師の転職活動については、9割以上の医師が「うまく進められた」「まずまずうまく進められた」と回答しています。
転職活動の結果についても9割の医師が「満足している」「どちらかといえば満足している」という回答となっています。
全体として、医師の転職活動では9割程度がおおむね成功していると考えられます。
医局を辞めるときは基本的にはじめての転職となるため、不安な気持ちがどうしても大きくなります。しかし、こうした転職の実例やデータを踏まえると、「しっかりポイントさえ押さえられればうまくいく」というイメージをもって臨みやすくなるかと思います。
退局や退職時によくある苦労やトラブル
それでは、医局を辞める際や勤務先を退職する際にはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?退職に関する医師のアンケートでは、以下のようなことが退職時の苦労やトラブルとして多く挙げられました。
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- 退職した病院の院長から、強く慰留され心苦しかった。 (60代男性、一般内科)
- 慰留を断るのが大変だった (40代男性、産婦人科)
- 大学医局を辞める時は教授退官に向けて毎年辞める人がいたため、医局の人数が減っており、慰留されて辞めれず3年かかった。結局は教授とともに医局を辞めることになった。 (50代女性、皮膚科)
- 医局を辞めるための、説得力のある理由付けの用意。 (30代男性、放射線科)
- 医局になんというか迷った (30代女性、小児科)
- 勤務形態が過酷でつらいことを隠し、それとは異なるもっともらしい理由を告げて退局の意向を示したこと。 (30代男性、消化器外科)
- 次の就職先探しを勤務先に秘密で行うこと (30代男性、放射線科)
- 転職が初めてだったので、次の就職先を探すのに苦労した。 (50代男性、一般内科)
- 退職先に気づかれないように次の勤務先を探すこと。 (40代男性、小児科)
- 退職後の執拗な嫌がらせ (30代男性、放射線科)
- 退職を申し出たら、嫌がらせに懲戒審議会にかけられた。 (50代男性、病理診断科)
- 上司から仕事を他の職員より増やされた (30代男性、耳鼻咽喉科)
- 患者の引き継ぎについて院長が非協力的だったため、別の医師に支援して頂いた。 (40代男性、リハビリテーション)
- 後任を雇わないと言われて仕事を引き継ぐ人がいなかったため、必然的にバイトとして勤務をすることになった。 (40代女性、整形外科)
- 再度医局に入れられそうになったこと (30代女性、眼科)
①勤務先・医局からの引き止め/辞めさせてもらえない
②退職の意向の申し出
③転職先探し
④勤務先からのいやがらせ
⑤患者の引き継ぎ対応/その他
実例とデータに学ぶ、円満に医局を辞める方法
以上の実例やデータを参考に、医局を辞める場合の方法や注意点をまとめると、次の7点がポイントになります。
①転職先をあらかじめ探した上で、選択肢を比較検討し決意を固める
転職活動の流れとしては、まず転職先を探し、医療機関から条件を出してもらった後に比較検討し、どうするか決定した上で、退局の意思を伝えるのが一般的です。「医局にいられなくなった」などの理由で、医局を辞めることが決まってから転職の相談を受ける場合もありますが、その場合、転職先を急いで探す必要が出てきます。
特に「医局に残るかどうか迷っている」場合は、転職するという選択肢と「医局に残る」という選択肢を十分に比較する必要があります。そのため、転職先から年収や勤務時間・日数、業務内容などの条件を出してもらった上で、どうすべきかを決意しておくことが、退局時には重要になります。
②早めに(医局人事が決まる前に)退局の旨を伝える
教授に退局を伝えるタイミングは早い方が良いといえます。早く伝えておくことで、退局後の医局人事を調整しやすくなるからです。いきなり「3ヶ月後に辞めます」となると、医局での人事の調整が難しくなり、必死に引き止められる可能性も高くなります。
実際に、ギリギリのタイミングで退局を伝えたことで強い引き止めに遭い、転職先の医療機関にも話が伝わって転職が破談になったり、転職時期が1年先延ばしになったりするケースもあります。そのため、半年から1年ほど時間的な余裕をもって伝えておくことが望ましいといえます。
③退局を伝えられる側にとっても納得しやすい理由や説明を用意する
医局を辞める理由が実際には給与や勤務の負担の大きさであったとしても、それをそのまま伝えると反感を買います。また、あいまいな理由や、医局内で解決できてしまいそうな理由であると、教授などにも納得されづらく、強い引き止めを受けやすくなってしまいます。
もちろん嘘にならない範囲ではありますが、可能な限り明確でやむを得ない理由を伝えるようにしましょう。
④今までに退局した医師の情報を収集する
医局は、どの医局に所属するかによって事情が大きく異なります。退局に関しても、比較的理解のある教授もいれば、権威を振りかざして厳しい対応をとる教授もいます。
そのため、以前他の医師がどのように医局を辞めたのかといった情報や、場合によっては辞めた医師からの情報を集めておくと、自分が退局を進める際の参考になります。
⑤場合によっては転職先の院長などとも相談する
退局に関して不安がある場合には、率直に転職先の院長などに相談することも一つの方法です。退局に関する具体的なアドバイスを得られるというメリットもありますが、あらかじめ転職先との信頼関係を深めておくことで、万が一退局時に医局ともめたとしても、味方になってくれやすくなるというメリットもあります。
⑥退局の段取りは自発的に進めていく
退局を上司に伝えてもなかなか教授まで伝わらなかったり、後任が決まるまで待ってほしいと言われたりして、いつまでも話が進まないことがあります。大学医局や教授の立場からすれば、退局の話を積極的に進めたとしても特にメリットはないため、この場合は自発的に退局に向けて動いていく必要があります。
退局交渉がスムーズに進まないときは、すでに退局した先輩やコンサルタント、転職先の医療機関に早めに相談して解決を図ることをおすすめします。
⑦医局との関係を完全に断ち切る以外の選択肢も考える
医局人事からは離れて転職するとしても、教授や医局との関係はできるだけ円満に保ちたいという希望も多いです。医局によっては難しいこともありますが、実際に医局(同門会)に籍を残しつつ転職する場合や、転職後にも週1回大学へ非常勤に行く場合など、医局との関係を残しつつ転職するという方法もあります。
以前、地方の大学医局でそれなりの責任を担っていた医師が、医局人事から離れて同県内の民間病院に転職したという例がありました。その際は、教授と何度も話し合いの場を設けた結果、転職後も最初の数ヶ月間は月に数回大学で講師として勤務することで合意に至りました。
この例のように、単に医局との関係を断つという終わり方以外にも、さまざまな選択肢があります。これは医局によって、また医局を離れようとする医師の状況や意向によっても変わるため、関係者と十分に話し合って、納得のいく選択肢を見つけていくことが望ましいといえます。
残るか辞めるか?医局のメリット・デメリットを振り返る
「医局を辞める方法については何となくイメージできたが、本当に辞めていいのだろうか?」
退局はキャリアの中でも大きな出来事です。そのため、本当に辞めるかどうかをじっくりと考えることは、納得のいくキャリアを築いていく上でも重要なプロセスです。
以下に、医局にいることで得られるメリットとデメリットをまとめました。医局を辞めるべきか考える際の一助として、参考にしてください。
医局のメリット
- 学位(医学博士号)の取得
- 専門医などの資格取得
- 基礎研究や留学などの経験の幅
- 人的交流や指導
- 仕事上のリスクの低減
- 子育てへのメリット
- 割の良いアルバイト
7つのメリットのうち、特に重要なのは、学位、専門医、基礎研究や留学などの経験、人的交流が挙げられます。5~7については、所属する医局によってはメリットを享受できず、むしろデメリットになっていることもあります。
医局のデメリット
- 医局人事による異動
- 大きい勤務負担
- 低い給与水準・待遇
- 医局内や大学病院での職場環境や人間関係
- 少ない症例数
- (先が見えてしまうことや教授選に伴う)将来への不安や不満
- 医局以外のことがわからない
7つのデメリットのうち、特に重要なのは、医局人事、勤務負担、給与の低さです。また、医局以外のことがわからないというのは、知らないうちに自身のキャリアの可能性やチャンスを逃しているといったことになるため、医局を辞めた後に気づきやすいデメリットともいえます。
医局の辞め時―ちょうど良いタイミングはあるか?
医局のメリット・デメリットを考えていくと、「いつ医局を辞めるべきか」というタイミングも自然と見えてきます。つまり、医局に所属することで得られるメリットよりもデメリットが上回るタイミングで辞めるのが良く、具体的には専門医や学位を取得したタイミングが、医局の辞め時の一つになります。
その他、医局を辞めるタイミングとして多いのは、家庭環境の変化です。「親の介護」「結婚・配偶者の仕事の都合による転居」「妊娠・出産」「子育て・子どもの教育」など、家庭の事情による退局は、理由がはっきりしている分、伝えやすい面もあります。
上記以外では、医局人事、教授の交代など医局内の体制変更、また「御恩奉公」が終わったタイミングに合わせて退局する場合もあります。
「ちょうど良いタイミングまで耐えよう」と無理して体調を崩すことも
しかし、退局にあたっては、あまり「ちょうど良いタイミング」を意識しすぎる必要はないと考えられます。タイミングを計れば「こういう事情があって…」と説明しやすくなるのは確かですが、なかなか良いタイミングをつかめないまま激務を続けて体調を崩してしまうこともあります。
実際に体調を崩してしばらく休職してから復職を目指す場合、以前のようには勤務できなくなってしまっていて、選択肢がむしろ少なくなってしまうというケースもあります。
「ちょうど今」というタイミングまで無理をするのではなく、「そろそろかな」と思えた段階で医局を辞めることを考えても良いのではないでしょうか。
万一の場合は、医局や退職に関する法律面の知識も自身を守る力に
基本的に医局を辞める際には、将来的な関係や影響も考慮し、トラブルを避けてスムーズかつ円満に退局できるようにすることが理想です。ただ、教授や周囲の考え方や現状の人間関係によっては万一の不安もよぎるかもしれません。
もしトラブルになりそうな場合には、医局や退職に関する法律面の知識も、自身を守る力になります。
例えば、医局人事で入職した町立病院で、医局を辞めた後も勤務を続けたい(教授は病院も辞めさせたい)というケースでの裁判では、下記のような判決がなされました。
判決文では、「医局の人事異動」については、「医局が医局員を派遣すべき病院を推薦し、医局員が右推薦に従い、関連病院との間で雇用契約を結んだり、関連病院の設置管理者である地方公共団体との間で公務員として採用されたりしている慣例を指すに過ぎないものである。」と判示しました。
更に判決文では、一旦公務員として採用された後、医局が医局員に対して別の勤務先等を推薦しあるいは指示したといって、公務員としての地位は失われたりする筋合いのものではないと判示しました。
大学医局内で慣行的に行われているルールが法律に即していないという場合もあるかと思います。法律面、特に労務に関する知識を身に付けておくことが、万一の場合に自分を守る力にもなります。
最後に――退局にあたっての心得
ここまで、医局を辞める方法やタイミングなどについて解説してきました。以下にそのポイントをまとめます。
- 医局のメリット・デメリットを冷静に振り返る
- 辞めるために「ちょうど良いタイミング」を狙う必要はない
- 転職先はあらかじめ探しておく
- 早めに退局の意思を伝える
- 退局について納得しやすい理由や説明を用意する
- 今までに退局した医師の情報を収集しておく
- 場合によっては転職先の院長などに相談する
- 退局の段取りは待ちの姿勢でなく、自発的に進めていく
- 必ずしも医局との関係を完全に断ち切る必要はない
- 万一の場合に備え労務などの法律面の知識も押さえておく
これらの点は、退局にあたっての心得として押さえておくことをおすすめします。
とはいえ、実際に医局を辞めるとなると、ちゃんと医局をスムーズに辞められるのか、医局外で本当に転職先が見つかるかなど、不安なことがやはり出てくるかと思います。
現在、もしくは将来的に医局を辞めることを検討されている方は、納得のいく退局・転職にこだわるメディウェルのコンサルタントに、ぜひ一度ご相談ください。先生一人ひとりの状況に合わせて、適切なサポートやアドバイスをさせていただきます。
>>医局を辞める方法や退局後の働き方についてコンサルタントに相談する