医師にとって現在の大学医局はどういう存在か?医師1,580名のアンケート調査結果

大学医局に関するアンケート結果

 
山崎豊子原作の『白い巨塔』に描かれるように、かつて大学医局の力は強大で、特に教授の権威は医師にとって絶対的ともいえるような時代がありました。しかし、2004年の新医師臨床研修制度の開始などをきっかけに、大学医局に属さずに医師として勤務するという働き方も増えてきました。

医師にとって、今の大学医局はどのような存在に映っているのでしょうか?

株式会社メディウェルでは、2019年4月~5月にかけて「大学医局」について医師へのアンケート調査を実施し、合計1,580名の医師から有効回答を得ました。結果の概要は以下のようになっています。

<結果の概要>

    • 大学医局への現在の所属状況では、「所属している」が46%「所属していない」が54%で、現在所属していない医師のうち79%は過去に医局に所属していたことがあり、所属したことのない医師は21%だった。
    • 大学医局に入ろうと思った動機・きっかけでは「それが当たり前だった」「専門医などが取得しやすい」という回答が多かった。
    • 入局時に重視した点として多かったのは「教授や医局の雰囲気が良いか」「出身大学」「関連病院の充実度」といった回答だった。
    • 所属医局の良い点では「関連病院が一流」「教育体制がしっかりしている」など、良くない点では「望まない人事異動」「給料が安い」などの回答が多かった。
    • 現在所属している医局には65%が「満足」と答えている一方で、医局に「ずっと残る」と回答したのは14%で、半数以上の医師は(今すぐでなくとも)医局を辞めることを検討している。
    • 医局を辞める場合に不安に感じることとして多かったのは「職場が見つかるかどうか」という点だった。
    • 医局を辞めた医師が辞めた理由としては、「意に沿わない医局人事」「医局内の人間関係の問題」といった回答が多く見られたほか、「激務」「給料」など勤務条件に関するものも多かった。
    • 「退局すること」に対して、医局を辞める前は「アウトロー」「ドロップアウト」というイメージだったという回答が見られた一方、実際に医局を辞めた後は「医局だけが医師じゃない」「自由だが自らの力が試される」などのイメージに変わったという回答も多く見られた。
    • 医局に所属したことのない医師の理由としては、「メリットを感じない」「人事異動を避けたかった」「初期研修病院でそのまま就職した」といった回答が多かった。
    • 医局に属さないことのメリットでは「自由に職場を選べる」という回答が多く、デメリットでは「専門医が取りづらい」「横のつながりや最新の情報が得られにくい」といった回答が多く見られた。
    • 医局に属したことのない医師の業務上の工夫としては「学会や勉強会への積極的な参加」「知り合った先生との情報交換」などの回答があった。
    • 医師が大学医局に所属することの一般的なメリットについては、「新しい情報に触れられる」「専門医や学位が取れる」という回答が多く、一般的なデメリットについては「医局人事」「雑用」「給料が安い」などの回答が多かった。

こうしてみると、本人の意に沿わない医局人事は今もあると考えている医師が多いという結果が窺えます。また、医局を辞める前後で「退局すること」へのイメージが変わっている場合があるなど、医局に所属している医師と、医局に所属していない医師とでは情報や考え方の面でギャップがあるようにも見受けられます。

以下、自由回答や詳細なデータについて紹介します(回答者の属性について)。

<関連情報>

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大学医局に所属していない医師が54%、うち79%が過去に医局に所属していたことあり…大学医局に所属している医師の割合

大学医局への所属状況

回答した医師の現在の大学医局への所属状況は、下図のようになっています。

大学医局への所属割合

「大学医局に所属している」が46%、「大学医局に所属していない」が54%と、現在は大学医局に所属していない医師が過半数を占める結果となっています。

過去に大学医局に所属していたことがあるか(現在所属していない医師)

大学医局に所属していない医師について、「過去に大学医局に所属していたことがあるか」も合わせて調査したところ、下記のような結果となりました。

医局への所属歴の有無

「過去に医局に所属していたことがある」が79%、「これまで医局に所属したことがない」が21%と、医局に所属したことのある医師が圧倒的に多くなっています。回答者全体で見ると、医局に一度も所属していない医師は11%のみとなっており、一度は医局に所属している医師が大半を占めています。

「当時は当たり前だった」「専門医取得のため」…大学医局に入ろうと思った動機・きっかけ

大半の医師が大学医局に入ろうと思った動機・きっかけとしては何が挙げられるのでしょうか?以下、現在医局に所属している医師と、過去に医局に所属していた医師に分けて、自由回答(一部)を紹介します。

現在医局に所属している医師の回答

    • 興味のある分野に強い大学であったから(40代男性・血液内科)
    • 専門医になるためのの研修機関として、ふさわしいので。(50代男性・精神科)
    • しっかりとした教育体制を望んだため。(60代男性・一般内科)
    • 専門医など資格取得のため(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 入るのが当たり前でした。(40代男性・循環器内科)
    • 勤務先の科が医局の関連病院であったから(50代男性・呼吸器外科)
    • 開業の際に有利と考えたため(40代男性・精神科)
    • 基幹病院への派遣を希望していたから。(50代男性・整形外科)
    • それが当たり前の時代だった(40代男性・乳腺外科)
    • 就活のバックアップが欲しかった(30代女性・消化器内科)
    • 当時、一般的な選択だったから(50代男性・皮膚科)
    • 初期研修医で外部に出ようとしたが落ちたから(30代男性・麻酔科)
    • 初期研修修了後、専攻科がある病院はすべて医局の関連病院だったため(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 便利だと思ったから。就職先として便利そうだったから。(30代男性・呼吸器内科)
    • 色々な病院で働けるから(29歳以下男性・精神科)
    • みんな所属しているから(30代男性・神経内科)
    • 周囲の人がほぼ入局していて、自分も入らないといけないと感じていてから。(30代男性・一般内科)
    • 以前は希望する科の就職先が少なかったため(40代女性・乳腺外科)
    • 所属するのが普通だったため(40代男性・婦人科)
    • 当時は医局に入ることが当たり前だったので(50代男性・血液内科)
    • 医局が基本的な人事ルートだから(29歳以下男性・病理診断科)
    • 大学院進学を考えていたため。(29歳以下女性・麻酔科)
    • それがその入局当時はあたりまえだった。(50代男性・麻酔科)
    • 専門医を取得する、大学院へ進学する(30代男性・整形外科)
    • 専門医取得しやすいため(29歳以下女性・一般内科)
    • 専門領域の研究に興味があったため(50代男性・脳神経外科)
    • 広い勉強、地域医療に根付くため(30代男性・耳鼻咽喉科)
    • そういうものだと思ったから。(30代男性・麻酔科)
    • 卒業したら、大学医局に入って学ぶのが当たり前と思っていました(40代女性・小児科)
    • 上席に誘われたことも一つの契機です。(60代男性・腎臓内科)

 

過去に医局に所属していた医師の回答

    • 豊富な関連病院を有し、経験を積み専門医取得ができたので。(50代男性・麻酔科)
    • 臨床研修旧制度で、そのまま大学の医局に進むのが当たり前だった(40代男性・麻酔科)
    • そういう制度でしたので「自動的」に入局しました(60代男性・脳神経外科)
    • 昔は入局以外の選択肢がなかった。(40代男性・消化器内科)
    • その当時はそれが当たり前の選択でした(40代男性・美容外科)
    • 私の卒業当時はそうするものだった。(40代男性・健診・人間ドック)
    • 研修病院で専門科を決める際に入局しなければならなかったため(30代女性・循環器内科)
    • 当時は大学医局以外の選択肢がほぼなかったから(40代男性・一般内科)
    • 他に選択肢がなかった(30代男性・眼科)
    • 医局と研修医は一体になっていた(60代男性・婦人科)
    • それが普通の流れだった 当時の教授を尊敬(30代男性・一般外科)
    • 教授が知り合いだった 他に選択肢がなかった(60代女性・一般内科)
    • しっかり指導してもらいたかった(40代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 周りが入っていたから(40代男性・形成外科)
    • 昔はほぼ全員が入局していたから(50代男性・放射線科)
    • 大学卒業と同時に入局。当時はそれが当たり前だった。(50代男性・循環器内科)
    • それが当たり前のものだと思った(50代男性・消化器内科)
    • 昔だったし地方だったので選択肢を知らなかった(50代男性・麻酔科)
    • 信頼できる医局と思ったから(50代男性・神経内科)
    • それが自然だったから(50代男性・その他診療科)
    • ①大きな関連病院があったこと。②学位を取得したかった。(50代男性・一般内科)
    • その当時はそれが一般的だったから(40代男性・精神科)
    • 当時学びたかった科はその地方では大学以外では存在しなかったから。(60代男性・一般内科)
    • 大学で研修医をしてそのまま入局した。(30代女性・精神科)
    • 専門医を最短で取得したかったため(40代女性・放射線科)
    • 私たちが大学卒業時はほぼ全員が大学医局に所属していたから(50代男性・整形外科)
    • 学びたいことがある大学を選びました(40代男性・精神科)
    • 皆、入局する事が常識であった時代に医師となったため(50代男性・一般内科)
    • 専門医をとるため、大学院進学のため(30代女性・腎臓内科)
    • そういう時代だった。(50代女性・精神科)

「人間関係が良好であること」「出身大学」「関連病院の充実度」…医局を選ぶ際に重視した点

今も医局に所属している医師に「現在の医局を選ぶ際に重視した点」を質問したところ、下記のような自由回答がありました(一部)。

    • 教授や医局の雰囲気が良いか(30代女性・放射線科)
    • 卒業した大学で、特に理由なし。(40代男性・消化器外科)
    • もともとは母校 今は地元(40代女性・形成外科)
    • 他大学から入局した時に差別が少ない(30代女性・産科)
    • 興味のある分野を選択しました。(30代男性・神経内科)
    • 人間関係 給与 同期 場所(40代男性・耳鼻咽喉科)
    • 症例の豊富さ、関連病院(30代男性・リウマチ科)
    • 出身大学で、強く誘われたので(40代男性・呼吸器内科)
    • 母校であること、人間関係(30代男性・眼科)
    • 自分のやりたいことをできる(50代男性・救命救急)
    • 有名かつ症例が豊富で経験できる場所(30代男性・消化器内科)
    • 自分の興味関心のある分野である点。(40代男性・呼吸器外科)
    • 医師の数が多いこと。教育体制が充実していること。(30代男性・その他診療科)
    • 内科であれば特にこだわりなし(50代男性・消化器内科)
    • 実家に一番近い大学の医局。かつ卒業した大学の医局。(40代男性・小児科)
    • 人間関係が良好であること(50代男性・腎臓内科)
    • 活動したい地域での影響力(30代男性・放射線科)
    • 自由度や学位取得率、関連病院の範囲(30代男性・消化器内科)
    • 科目と、家からの利便性(60代男性・腎臓内科)
    • しばりがきつくないところ(60代女性・一般内科)
    • 当時形成外科は診療科として標榜している大学はそれほど多くなかったため、たくさんの症例を持つ、外部からも入局しやすい大学を選びました。(40代女性・形成外科)
    • 周りの友人や先輩の多さ(29歳以下女性・循環器内科)
    • スポーツができそう。学問的興味。(40代男性・救命救急)
    • 症例数 、医局の雰囲気(29歳以下男性・心臓血管外科)
    • 始めは卒業大学の医局に入り、その後、自分の学びたいこと、やりたいことをかなえられる医局を探した。(50代女性・放射線科)
    • いろいろな指導がうけられるかどうか。(40代男性・精神科)
    • 特定の診療科にしぼった(30代男性・リウマチ科)
    • 教育/関連病院の充実度(40代男性・麻酔科)
    • 初期研修からの流れ。教授の人格。雰囲気。(40代男性・放射線科)
    • 大学時代の恩師を頼った。(50代男性・循環器内科)

「関連病院が一流」「教育システムがしっかりしている」「女性にやさしい」…所属している医局で「良い」と感じている点

医局に所属している医師が現在の医局で「良い」と感じている点についての自由回答は、以下のようになっています(一部)。

    • 関連病院が一流であること(自分は享受していないが)(30代男性・神経内科)
    • 自由にさせてもらえている(40代男性・精神科)
    • 若いレジデントに積極的に手術をさせる(40代男性・形成外科)
    • キャリアは考えてくれる(50代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 専門医,学位などの取得までの過程がはっきりしている(30代男性・消化器外科)
    • アカデミックな雰囲気(40代男性・精神科)
    • ある程度医局員がいれば、出向病院も人が潤う。(60代男性・小児科)
    • 教育システムがしっかりしている(40代男性・小児科)
    • 地方病院にも人員を派遣している(50代男性・循環器内科)
    • 研究生として研究し、博士号取得させてくれたこと(40代男性・一般外科)
    • 仲間意識がしっかりしている(30代男性・消化器外科)
    • 教授が部下の診療に口を出さない点(40代男性・その他診療科)
    • 出張で安定した収入が得られている(40代男性・皮膚科)
    • 都内であることぐらい(30代男性・整形外科)
    • 大学病院勤務に配属してもらい、育児時短業務をかなえてくれたこと(40代女性・小児外科)
    • 就職先、転職先を見つけやすい(40代女性・精神科)
    • 同期、後輩などとの人間関係 (30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 横の協力体制がある。(50代男性・麻酔科)
    • 教育システムが構築している(60代男性・一般外科)
    • 教育体制がしっかりしている(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 臨床・研究・教育のバランスが良い(50代男性・皮膚科)
    • 卒業した大学なので、学生時代からの知り合いがいる点。(40代男性・消化器外科)
    • 出身大学による差別が少ない(30代女性・産科)
    • 診療や検査について相談をすることができます。(30代男性・神経内科)
    • 呼吸器、消化器、乳腺の修練が出来、現在もすべての領域の手術が出来るようになったこと。(50代男性・呼吸器外科)
    • 女性に優しい(育休など)(30代女性・循環器内科)
    • 難病症例の精査、治療依頼(50代男性・耳鼻咽喉科)
    • こじんまりしていてある程度自由が効く(30代女性・放射線科)
    • 博士号、専門医、同期(30代男性・消化器内科)
    • ネットワークがひろがる(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)

「望まない人事異動」「給料が安い」「教授に逆らえない」…所属している医局で「良くない」と感じている点

逆に、医局に所属している医師が現在の医局で「良くない」と感じている点についての自由回答は、以下のようになっています(一部)。

    • 医局費が高い。人事異動がきびしい。大学病院で医療訴訟など起きたときは、下っ端の医師がトカゲのしっぽ切りにあう。(40代男性・耳鼻咽喉科)
    • 所属していても人員が補充されない(30代男性・精神科)
    • 閉鎖的であること。モチベーションがそれぞれであること。(30代男性・眼科)
    • 教授やスタッフが変わって雰囲気が変わりました(40代男性・消化器内科)
    • 望まない人事異動もある(30代男性・泌尿器科)
    • 人事では不本意なこともありうる(40代男性・精神科)
    • 面倒くさい知り合いも増える(40代男性・整形外科)
    • 入らなくてもよいという条件でも勝手に入れられていること(40代女性・乳腺外科)
    • ポジション争いで仲が悪くなった人との関係が続く。(40代男性・病理診断科)
    • 自分が望むような地域、形態の勤務先がない(40代男性・小児科)
    • 職場を紹介してくれない(60代男性・脳神経外科)
    • 機会のたびに寄付を依頼してくる。(50代男性・腎臓内科)
    • もっと研究レベルを上げたほうがよい。(60代女性・小児科)
    • 主任教授の診療班が不当に大きな顔をする(40代男性・整形外科)
    • 直属の教授や上司の人間性、人が少ない、通勤が大変(40代男性・呼吸器内科)
    • 関連病院へのフォローが無い(40代男性・リハビリテーション)
    • 上司のえこひいき的人事がまかり通る(50代男性・循環器内科)
    • お礼奉公として, 希望しない人事や勤務をしないといけない.(30代女性・リウマチ科)
    • 上のポジションが詰まっている点(30代男性・血液内科)
    • 教授の力が大きすぎる。(30代女性・神経内科)
    • 人が集まってくることを「人気があるから」と勘違いしている。(30代男性・小児科)
    • 医局費が高い 年間15万払っている(30代女性・乳腺外科)
    • 教授が変わったら体制が変わる可能性あり(30代男性・一般内科)
    • 人間関係がぎすぎすしている感じがある(30代女性・心臓血管外科)
    • 大学勤務時、長期間無給だった。(50代男性・腎臓内科)
    • 派遣先の病院から別の病院に転勤しづらい。(40代男性・精神科)
    • 給料が安い、業務負担が大きい(30代男性・消化器内科)
    • 教授に逆らえない 希望を言えない(40代女性・泌尿器科)
    • 医局費に見合った見返りが無い。(40代男性・呼吸器外科)
    • 関連病院に当たりはずれはつきもの(40代男性・循環器内科)

65%が「満足」…現在所属している大学医局への満足度

大学医局の良い点、良くない点がそれぞれある中で、現在所属している医局への満足度はどのぐらいなのでしょうか?医師の回答は下図のようになりました。

医局への満足度

「満足している」が13%、「まずまず満足している」が52%と、合計65%の医師が現在の医局に「満足」しているという結果となっています。

「ずっと残る」は14%…いつまで大学医局でのキャリアを積むか

現在医局に所属している医師は今後どのぐらいまで医局でのキャリアを積んでいきたいと考えているのでしょうか?回答は以下のようになりました。

医局への満足度

「ずっと残る」は14%にとどまり、「いつかは医局を辞めようと考えている」や「1~5年以内に医局を辞める」医師を合わせて、半数以上の医師が将来的に医局を辞めることを検討しているという結果となっています。所属している医局への満足度が65%ということを考え合わせると意外な結果のようにも思えます。

「再就職先があるか不明」「医局の後ろ盾がなくなる」「今の職場の先生方に迷惑がかかる」…医局を辞めることについて考えた場合に不安に感じること

医局に所属している医師にとって、「医局を辞めること」について考えた場合にどのようなことを不安に感じるのでしょうか?自由回答の結果は下記のようになっています(一部)。

    • 組織的なマンパワーに頼れなくなる(40代男性・整形外科)
    • 常勤職員として再就職先があるか不明なので、給料面で不安(30代女性・心臓血管外科)
    • 医局での構築した人間関係が希薄になること(40代男性・小児科)
    • 繋がりを維持したまま辞められるかどうか(40代男性・その他診療科)
    • 医局の後ろ盾がなくなること(40代男性・皮膚科)
    • 勤務先でのトラブル(人間関係、裁判など)(30代男性・消化器外科)
    • 開業の難しい科なので勤務先の選択肢が少なくなる(30代男性・血液内科)
    • 再就職先が満足できるところを選べるかどうか(50代男性・呼吸器内科)
    • 医局に所属している先生との兼ね合い(40代女性・精神科)
    • 保険、年金、税金対策など 最新の医療、医薬品について自分からup dateが必要なこと(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 村八分のような扱いを受ける可能性。(50代男性・整形外科)
    • 希望する勤務先が医局の関連病院の場合、就職が難しい。(50代男性・麻酔科)
    • 他病院に現在の技術や知識が通用するかどうか(30代女性・放射線科)
    • 自分で勤務先の病院を探さないといけない(30代女性・消化器内科)
    • 症例豊富で経営状態の良い病院に行けるかどうか(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 自分の力量だけでずっとやっていけるかどうか、医療訴訟など何かトラブルがあったときの対応(30代女性・放射線科)
    • 職場探し、職場での扱い(30代女性・産科)
    • 後任が決まらないと、今の職場の先生方に迷惑がかかると思います。(30代男性・神経内科)
    • 先輩方との関係が途絶えるのでは?とも感じていたが人と人との関係なので途絶えることはなく、色々な相談にも乗ってもらえるので不安はない。(50代男性・呼吸器外科)
    • 自身の臨床知識と健康に自信があれば何のためらいもなく退局OK(50代男性・耳鼻咽喉科)
    • 遠くの無縁の病院へ行くこととなる(50代男性・一般外科)
    • 円満退職できない医師には、どこにも就職できないように圧力が各病院に及ぶことがあります。(40代男性・耳鼻咽喉科)
    • やりがいのある職場が見つからないかもしれない(30代女性・腎臓内科)
    • 医局OB間での助け合いがなくなるのではないか。(50代女性・皮膚科)
    • もしも病気になった場合の支援(30代男性・精神科)
    • やめるタイミングが合わず今の職場に迷惑をかけないか(30代女性・小児科)
    • 何もない。新しい技術が出たときに困るかと思ったが、全く困らなかった。YouTubeの方が勉強になる。(40代男性・麻酔科)
    • 仕事を選ばなければどこかで勤務できると思っている(40代男性・泌尿器科)
    • 辞めても大きくは変わらないと思う。(50代男性・循環器内科)
    • 信用が減る 子供がいる女医では雇ってもらえないかも(30代女性・眼科)

「入局して1か月で産休、育休をいただいた」「教授が気に入らないといって医局員を多数追い出した」…大学医局に所属していて印象に残っているエピソード

医局に所属している中で印象に残っているエピソードについて回答を募ったところ、以下のような自由回答がありました(一部)。

    • 研修医の時に妊娠、入局して1か月で産休、育休をいただいた。今考えるとほとんど医局員として働いていないのにすぐに産休に入る(産休という権利だけ取る)のは良く思わない方もいただろうが、教授や当時の医局長には温かく対応していただいたし、その後の勤務先などにも配慮してもらった。(30代女性・放射線科)
    • 新築一戸建てを建てたその年に僻地異動。 人事異動をちらつかせてのパワハラ(40代男性・耳鼻咽喉科)
    • 研究結果が出ていない段階で出向させられて研究が全然進んでいない。研究にはかなり力を注いでいたので、とても不満(30代女性・腎臓内科)
    • いい意味でも悪い意味でも、教授の意向で意見が白黒ついてしまうこと。(50代男性・呼吸器内科)
    • 専門医、学位取得がスムーズ スペシャリティを持つことができる(30代男性・整形外科)
    • いろんな病院を年単位でローテーション異動できる。専門医など医局員で足並みそろえて勉強するのでらく。(50代男性・精神科)
    • 教授が気に入らないからと言って県内出身の医局員を多数追い出したこと(40代男性・循環器内科)
    • 教授が言い出して始まったカンファレンスで、出席者は皆面倒に感じている。教授本人の出席率が低下してきたような状況だが、誰もカンファレンスを潰すことを言い出せない。(30代男性・放射線科)
    • 30代中盤で同年代と過ごせる環境は良いと思います。(技術、知識のブラッシュアップの面でも)市中病院ではありえません(30代男性・消化器外科)
    • 大所帯なので困った時の人の繋がりはとても強いと思います。その分、辞める時は穏便に波風立てず辞めなくてはなりません。一悶着起こして数年間就職できずにバイト暮らしをした先輩もいます。その時は医局の恐さを知りました。(30代女性・形成外科)
    • 学会のランチョンセミナー常連の有名医師ともあっさり、知り合いや友達になれたりします。(30代男性・消化器内科)
    • 医局が指導医の力量(技術)を把握していないため、希望する研修が受けられないことがある。(50代男性・消化器内科)
    • 私より先に妊娠したらアウスするから!と言ってる先輩がいた。本人は冗談のつもりかもしれないが、下からすると圧力に感じた(30代女性・産科)
    • 研修医時代ほぼ毎日病棟、ICUに寝泊まりし時給が100円未満であったこと。先輩から初任給の時給計算をさせられ判明したが笑ってしまった。今では考えられないが当時は疑問にも思わず当たり前と思っていた。(50代男性・呼吸器外科)
    • 一人でできる雑仕事を3人で行っている。非生産的。(50代男性・耳鼻咽喉科)
    • 専門外の疾患に対しては部下任せでスタッフが全く興味をしめさなかった(50代男性・消化器内科)
    • 激務が続き一度体調を崩しかけたら、その後は完全にそういう人材としてしか扱われない(30代男性・整形外科)
    • ある症例の診療方針で教授と準教授が喧嘩になった(30代男性・眼科)
    • 自分の行ってみたい病院を医局長に相談すると、そこへ回してくれる。(30代男性・婦人科)
    • スタッフとの当直なので守られている印象がありました(30代女性・産科)
    • 欠員が出れば、強制赴任 医局人事辞めるときには就職先に圧力(40代男性・消化器内科)
    • 海外で研究を発表できたことが良い思い出です。(40代男性・呼吸器内科)
    • 子供を幼稚園に入れようと思って相談したら、保育園でいいでしょ、働かないよと言われた(30代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 学位取得や専門医取得のコースがしっかりしていた。(60代男性・一般外科)
    • 利益や損をそこまで踏まえずに治療を行える点 市中病院では売り上げがかなり重視される(30代男性・皮膚科)
    • 医局長が変わると前医局長との間で取り交わされた話がなかったことにされた(30代男性・呼吸器外科)
    • 新卒(1985年)時は教授を含めた先輩医師が使用するドイツ語に苦労した。(60代男性・呼吸器外科)
    • 円形脱毛になった際休むよう言われたが、業務関係上誰かに肩代わりしてもらえる状態(雰囲気的に)でなく、結局全く休めなかった。業務が減ることもなかった。結果脱毛箇所が増えた。(30代男性・放射線科)
    • 自分のチームの40代のトップがやめた。経験15年未満の若手だけで県内の重症患者、難治患者を治療している。(30代男性・小児科)
    • 妊娠中の女医さんなどのカバーで仕事を増やされる(30代女性・リウマチ科)

「異動人事に納得できなかった」「医局の上司同士のいざこざに興ざめ」「激務」「収入UP」…大学医局を辞めた理由

過去に大学医局に所属していた医師が大学医局を辞めた理由では、以下のような回答がありました(一部)。

    • 専門医と博士号を取得したから(40代男性・消化器外科)
    • 根も葉もないうわさをばらまかれ、ひどいレッテルを貼られたので、もうここにいても、冷や飯ぐらいと思ったので(50代男性・小児科)
    • 出世コースを外れた先輩医師をみて(40代男性・一般内科)
    • 結婚により当直のない勤務に変更するため。(40代女性・一般内科)
    • 教授の勝手でいろんな関連施設に行かされたから(50代男性・一般内科)
    • 教授、医局長がつまらない人間だったため(50代男性・皮膚科)
    • 収入UPが必要な状況に追い込まれて仕方なく。(50代男性・麻酔科)
    • 毎年人事のことで気を遣うのが嫌になったから(40代男性・麻酔科)
    • 医局の上司同士のいざこざに興ざめして。(40代男性・一般内科)
    • 嫌いな上司がいたから。(40代男性・消化器内科)
    • 医局からの派遣だと退職金が出ない、所属している意味がなくなった(50代男性・泌尿器科)
    • 形成外科をしていたが美容外科に行きたくなったので(40代男性・美容外科)
    • 激務のため、ライフワークバランスがとれない。(40代男性・健診・人間ドック)
    • 雑用ばかりで希望することが何もできなかった。自分の身につけたい知識・技術を得るために医局人事を越えて研修したかったから。(50代男性・緩和ケア)
    • 子供が生まれ、当時勤務していた病院の激務・薄給等から逃れるため。(40代男性・呼吸器内科)
    • 縛りが多く、自分がやりたい勉強のみという訳には行かなかったので(30代女性・精神科)
    • 忙しすぎて将来を考えられなかった(40代男性・小児科)
    • 外病院勤務時、給料のうち年間600万円が天引きされ、教授に振りこまれていたことを、ちょうど子供ができたときに知り、給与を増やしたいと思ったため。(30代男性・形成外科)
    • 専門性を高めるためよりスキルアップできる施設に移動するため(40代男性・小児科)
    • 医局の専門と異なる大学院に進んだところ、退局勧告された。(40代男性・整形外科)
    • 自分のやりたい分野専門の施設への異動を許してもらえなかった(40代男性・心臓血管外科)
    • 自分の職場は自分で決めたかったから(30代男性・整形外科)
    • 教授になれなかったので(60代男性・人工透析科)
    • 異動人事に納得できなかったので。(50代男性・形成外科)
    • 魅力的な勤務先に巡り会ったため。(50代男性・精神科)
    • 方針が合わなかったため(30代男性・精神科)
    • 教授が交代し,人望と能力がない人物が教授になり,自分で留学先を見つけたから.(50代男性・精神科)
    • 教授の方針と合わなかった(50代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 医局人事から外れるため(40代男性・小児科)
    • 希望しない病院へ飛ばされたので。(60代男性・一般内科)

「特に何も感じていなかった」「アウトロー」「ドロップアウト」…医局在籍時に、退局することや退局した医師に対して抱いていたイメージ

医局在籍中、「退局すること」はどのように映っているのでしょうか?既に退局したい医師が医局に所属していた頃に抱いていたイメージについては、下記のような回答が挙げられました(一部)。

    • どんな理由があったか、知りたかった、悪い印象はない(50代男性・小児科)
    • 特に何も感じてはいなかった。(40代女性・一般内科)
    • 医局が嫌になれば辞めたほうが賢明だと思っていた(50代男性・一般内科)
    • うらやましいと思った(50代男性・皮膚科)
    • 特別な感情はありませんでした。(50代男性・麻酔科)
    • 路頭に迷うとは思わないが、あまりいいイメージはなかった(40代男性・麻酔科)
    • 良いイメージも悪いイメージもありませんでした。辞める時が来れば辞めるものと考えています。(40代男性・美容外科)
    • とんでもない・医者人生終わり(40代男性・麻酔科)
    • 少数しかおらず何とも思わなかった(40代男性・麻酔科)
    • 「ヤクザが足を洗う」的イメージ。(50代男性・救命救急)
    • 新臨床研修制度の前は大学が絶対だったので、仁義を踏み外した輩、と思っていた。(60代男性・脳神経外科)
    • ほとんど開業だと思っていた(30代男性・一般外科)
    • アウトロー。出世街道から外れた(40代女性・乳腺外科)
    • 入局中に退却した人間を自分以外知らない(30代男性・腎臓内科)
    • 自分もそうする予定であったので特に良い印象も悪い印象もない(40代男性・循環器内科)
    • 最先端医療から離れた医師(50代男性・一般内科)
    • 開業した場合のみ退局になると思っていた。(40代男性・小児科)
    • 苦労するんだろうなと思った。(30代男性・ペインクリニック)
    • 給料がよく、自己主張が出来て、良いイメージ(30代男性・整形外科)
    • 勇気がある。はぐれ者。(40代男性・脳神経外科)
    • 関連病院に居るので退局ではないと思います(50代女性・病理診断科)
    • 勤務先があれば医局人事の必要性ない(50代男性・一般外科)
    • 希望する医療機関で働くことができなくなるのではないかと懸念していた。(40代男性・呼吸器内科)
    • ドロップアウトのイメージです。(40代男性・一般内科)
    • 特別なイメージはありませんでした。(50代男性・精神科)
    • 馬鹿と、秀才の2つに大きく分かれる(50代男性・一般内科)
    • 辞めた後はどうするんだろうか(40代男性・小児科)
    • どうやってスムーズに辞めるかの参考にしていた(30代男性・整形外科)
    • その地区にとどまるのにやめる人はいなかった。まったく遠方に転居を前提にやめるのは全く問題ない。むしろ自由でよい(40代女性・消化器内科)
    • 自分自身、長居する気はなかったので、めどがついたら早目がよいと思っていた。(40代男性・一般内科)

「所得とQOLが想像以上によくなった」「医局だけが医師じゃない」「自由だが自らの力が試される」…医局を実際に辞めた後の「退局」のイメージの変化

上記のような「退局」のイメージは実際に自分が退局した後にはどのように変化したのでしょうか?退局した医師からは以下のような自由回答が得られました(一部)。

    • 所得とQOLが想像以上によくなりました(40代男性・消化器外科)
    • 辞めて自由に出来たこと(60代男性・整形外科)
    • してよかったし、古い習慣にとらわれないことがよいと思った(50代男性・小児科)
    • 特に変わりませんでした。(50代男性・麻酔科)
    • 自由になって、かつ自分の仕事により責任を持てるようになった(40代男性・麻酔科)
    • 不安はありますが、自分には合っていたかと(40代男性・麻酔科)
    • 全然アウトローでもないし、ある程度立つと医局にしがみついている人の方が少なくなっていくような、逆転現象すら感じた(30代女性・一般内科)
    • 変わりません。昔から大して変わりません(60代男性・婦人科)
    • 医局だけが医師じゃないなと(30代男性・一般外科)
    • 研究業務からも解放され、経済的にも医局時代よりは余裕が出来ました。(60代男性・循環器内科)
    • 辞めても全く問題にならなかった(50代男性・放射線科)
    • 変わらない。医局にしばられないので自由である(30代男性・麻酔科)
    • 自由になれ、束縛がなくなる(40代男性・小児科)
    • 大学医局でなくても問題ない。(40代男性・一般内科)
    • 辞めなければ良かったと思います(50代男性・血液内科)
    • 当時は変わらなかったが、最近は大学に残っている人の方が不思議に感じる(50代男性・消化器内科)
    • 退局してしまえばたいした行動でもない(30代男性・皮膚科)
    • 大学に残る人は野心家か、組織に守られていたい人(40代男性・精神科)
    • 医局に入らなくてもどこに行っても自分次第(40代女性・皮膚科)
    • 辞めてよかったと感じてます。退局後の不安など全然必要なかったです。(30代男性・消化器外科)
    • 自由だが自らの力が試される(30代男性・精神科)
    • 新臨床研修制度以降は大学の権威がなくなり、退局していく輩は自分で人生を切り開いて行く力のある医師、だと考えが変わった。(60代男性・脳神経外科)
    • 自分に合った働き場所があると思うので、退局は自由だと考えるようになった。(60代男性・婦人科)
    • アカデミックな研究を医局と無関係に辞めてから,普通の臨床に携わったら,医局などない方が,便利だと知った.(50代男性・精神科)
    • 入局中は洗脳に近い状況であったとわかりました。 精神的にかなり楽になりました。(40代男性・消化器内科)
    • 苦労しないとまともな医者にはなれないと思った。(60代男性・一般内科)
    • 特に変わりませんでした(30代女性・精神科)
    • 辞めて本当に良かったと思う。まともな人生が送れている。(40代男性・小児科)
    • 大学医局至上主義ではなく、自分の実力だけで生きていく生き方と思った(60代男性・脳神経外科)
    • 大きな後ろ盾が有る無しの違いを感じた(50代男性・消化器内科)

「資格取得のために先生の捺印が必要となり苦労した」「医局人事に従うだけが医局の力になる方法ではない」…退局に際して苦労したことや印象に残っているエピソード

退局に際して苦労したことや印象に残っているエピソードについて、医師から以下のような回答がありました(一部)。

    • 資格取得のために評議員の先生の捺印が必要となり苦労しました(40代男性・消化器外科)
    • 出身校を退局したあと他の大学で入局したが、辞めにくかった。(60代男性・ペインクリニック)
    • さんざん、教授は人を軽蔑、悪い奴と思っていたのに、退局するときは、それはやめる理由に当たらないといわれた。矛盾(50代男性・小児科)
    • 引き止めの説得があった。(40代女性・一般内科)
    • 退局を医局長に伝えた時に、「あれっ?先生って医局員だったっけ?」と平気で言われたこと。(50代男性・麻酔科)
    • 医局に残った人間からいろいろと勝手な噂を流された 気にはしていないが。(40代男性・麻酔科)
    • 教授に伝えるタイミング。あと、お世辞でも自分が辞めることが医局にとってはダメージが大きい、と言ってもらえたのは嬉しかった。(50代男性・一般内科)
    • 余り留意されなかったので苦労はしていません。(40代男性・美容外科)
    • ドライなのであまりありません(40代男性・麻酔科)
    • 医局の後ろ盾がないと大きな病院への就職では難しくなることがある。(40代男性・皮膚科)
    • 教授に退局を言い出すタイミングを探るのが苦労した。 ある懇親会でお酒も入り上機嫌な時に申し出た。(40代男性・小児科)
    • どのように退局したらいいのか当時は方法がわからず苦労しました(40代男性・消化器内科)
    • 教授に医局人事を外れたい旨を相談した際に、「医局人事に従うだけが医局の力になる方法ではない」と医局出身の先生の経営する病院への就職を勧められた。(40代男性・呼吸器内科)
    • 20年前当時から外様も多くオープンな雰囲気の医局だったので特に感じたことはない(50代男性・一般内科)
    • 教授がなかなか承認してくれなかった(40代男性・小児科)
    • 1-2年前から、バイトなどを辞退して、他の医師に回るように努めた(50代男性・一般内科)
    • 苦労なくやめられたが、医局費は払い続けている(40代男性・循環器内科)
    • 退局後の職探しが大変です(50代男性・血液内科)
    • 他大学の系列病院に勤務したときには知り合いがいないことに不便を感じた。(40代男性・小児科)
    • 大学院まで行くと世話になって人が多いので辞めるときに気を使う。(30代男性・ペインクリニック)
    • 外科分野、特に九州地域に関しては医局制度が強く残っており、フリーランスでやっていくには範囲が狭くなってしまう(30代男性・一般外科)
    • 教授に直接声をかけて頂いての就職であり、大変に面倒をみて頂いたったため、医局を離れざるを得なくなり申し訳ない気持ちでいっぱいだった。(30代男性・消化器内科)
    • 新しい就職先を普段からけなしていた教授。新しい就職先の上司は大学の同期で同じ科。その上司からの電話でころっと転職OKに。(40代女性・婦人科)
    • 特に苦労はなく、もっと早く退局すべきだったと後悔しています。周囲からはそんなによく医局に入れたね、と嘆かれる始末です。(30代男性・一般内科)
    • 辞めるまでに教授のアポイントが取れなかった。結局破門になった(40代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 給料目当てとか思われることはあった。 教授がなかなかやめさせてくれなかった。(40代男性・循環器内科)
    • 領地を安堵する代わりに忠誠を誓う、というまさに封建制度だったが、無理をいわれて苦労した。(60代男性・リハビリテーション)
    • 大学の医局至上主義の人達からの嫌味。 ただ、職場の同僚の先生達、コメディカルの人達からはとても温かく送り出して頂きありがたかった。(30代女性・麻酔科)
    • 特にない、医局を付かず離れずな関係は重要だと思う。ただ医局の同門の先生方や大学の他科の先生方に大変お世話になったという点では、医局に属したメリットがないということはないと思いました(40代男性・呼吸器内科)
    • 医局の協力が得られなくなったのは残念。医局はもっと医局員を大切にしなければいけないと思う。(40代男性・消化器外科)

「メリットを感じない」「人事異動を避けたかった」「初期研修病院でそのまま就職した」…医局に所属したことのない医師の理由

これまで医局に所属したことのない医師の、医局に所属しない理由については以下のような自由回答がありました(一部)。

    • メリットを感じないので。(30代男性・消化器内科)
    • 臨床よりも基礎研究を主としていたので。(50代男性・一般内科)
    • 初期研修施設で後期研修を受けその病院に就職した(40代男性・精神科)
    • 雑用が多く、不条理な縦社会が嫌だったので(40代女性・精神科)
    • メリットを感じないから(40代男性・小児科)
    • 必要に思わなかったから。(40代男性・一般内科)
    • 自分が卒業したとき興味のある分野の医局がなかったから(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 人事などで移動を避けたかったから。(30代女性・消化器内科)
    • パワハラを受けるから(40代男性・眼科)
    • 総合内科医としては大学病院に魅力を感じないため。(30代男性・一般内科)
    • 科間の隔たりが好きではないため、幅広い診療の妨げとなるため。(30代男性・リウマチ科)
    • 医学部卒後、医療から離れていた時期があったため(40代男性・一般内科)
    • 自分で勤務地を選べない(30代女性・麻酔科)
    • 魅力を感じなかったから(30代男性・精神科)
    • 美容は医局より民間病院で学ぶ方が早いかな、と思ってです。(40代男性・美容)
    • 自分の専門としたい内容を研修できる医局に出会わなかった(40代男性・その他診療科)
    • 臨床初期研修を地域医療機関の中で受けたかったのと医局独特のしがらみについていろいろと話を聞いていたから(50代男性・産科)
    • 出身大学の希望科の教授が評判が悪く、その教授の定年が近かったため入局せず様子を見ていたら医局に所属する必要性を感じなくなったから。(40代男性・麻酔科)
    • 医局の縦社会で様々な制約があり、勤務場所も自由に選べない。(30代男性・一般内科)
    • 働く場所は自分で決めたいから(30代男性・小児科)
    • 理不尽で不自由だから(50代男性・精神科)
    • 自由に職場を選べない(50代女性・一般内科)
    • しがらみあがある。人間関係が煩わしい(40代男性・一般内科)
    • 多くの症例の経験をつみたかったから(50代男性・脳神経外科)
    • 特にメリットがなかったから(50代女性・精神科)
    • 自由に仕事を選びたいから(30代男性・消化器内科)
    • 縁がなかった。必要なかった(40代男性・一般内科)
    • 入りたい医局がなかった。医局の人事にしばられたくない。(30代女性・一般内科)
    • 早く技術を学びたかった(40代女性・婦人科)
    • マッチング2年目で当時は市中病院での研修がはやりであり、自分も市中病院での研修を行った。その流れで今も所属していない。(30代男性・呼吸器内科)

「自分で好きな場所を選ぶことができる」「めんどくさいしがらみがなく気楽」「1つの職場に長期間いられる」…大学医局に所属していないことによるメリット

医局に所属したことのない医師が、所属していないことによって感じているメリットとしては、下記のような回答結果となっています(一部)。

    • 人事に左右されず、行きたい道に進める。給料も良い。(30代男性・消化器内科)
    • 基礎研究に没頭できた。(50代男性・一般内科)
    • 自由にキャリアを選択できた(40代男性・精神科)
    • レジデント時や若手の時の給与が高い(40代女性・精神科)
    • 無理な異動を押し付けられない(40代男性・小児科)
    • 自分で自分の人生を決められる(30代男性・一般内科)
    • 医局に派遣先を決められない。県職員として採用されたので、身分も安定しており、産休育休もきちんととれ、回りに嫌味も言われない(30代女性・一般内科)
    • 自らの意志で異動できる。(40代男性・一般内科)
    • 就労先を自分で選べる(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 自由に研修病院を選べた。(50代男性・一般内科)
    • 自分で好きな働き場所を選ぶことができる。(30代女性・消化器内科)
    • 海外臨床留学ができた(30代男性・その他診療科)
    • 職場を自分の希望にあわせて選択できる。(30代男性・一般内科)
    • 関連病院にあちこち転勤させられることなく自らの希望でさまざまな研修を受けられた(50代男性・産科)
    • めんどくさいしがらみがなくて気楽であった。(40代男性・麻酔科)
    • 自分のキャリアや働く場所を自分で決めることが出来た。(30代男性・一般内科)
    • 自由に転職先を決められる(40代男性・精神科)
    • 研究に時間を取られず、臨牀のみでよかった。(50代男性・消化器内科)
    • ライフステージにあった勤務形態や勤務先をえらべた。(50代女性・一般内科)
    • 自分の意志で進路を決定できた(50代男性・脳神経外科)
    • ほぼすべて、自分の選択で仕事を選んでこれた。(50代女性・一般内科)
    • 住みたい場所、希望の給与、環境を自分で選択出来る(30代男性・一般内科)
    • 自由に勤務先を選べ、夫の転勤についていくことができた。(30代女性・腎臓内科)
    • スキルアップのために自分で選んだ病院で仕事をすることで、さらなる技術を磨けえた。(30代男性・循環器内科)
    • プライベートを優先できた(30代男性・消化器内科)
    • 自由に勤務先を選べる。自由に科の選択ができる。縛られない。(40代男性・麻酔科)
    • 1つの職場に長期間いられる(40代男性・一般外科)
    • 手術を早くから執刀できた(30代女性・形成外科)
    • くだらないしがらみや雑務がなく、働きたい職場で好きな仕事ができる。(29歳以下男性・美容外科)
    • 勤務先は自分の意志で決められた(30代女性・麻酔科)

「学位、専門医などとりにくい」「大学時代の人脈と距離が遠くなってしまった」「アカデミックな情報が得にくい」…大学医局に所属していないことによるデメリット

逆に医局に所属したことのない医師の、所属していないことによるデメリットとしては、以下のような自由回答がありました(一部)。

    • バイト先の病院の実情などを知るのが難しい。(30代女性・消化器内科)
    • ない。あえて言うなら学位を取るような環境でなかったことくらい(40代男性・一般内科)
    • バイト先を探すのに困った。専門医資格を取れなかった。(50代男性・一般内科)
    • 医局志向の強い職場ではややアウェー感を感じる。(30代男性・一般内科)
    • 職場を異動する際は自分で探さないといけない。横の繋がりが得られにくい。(30代男性・一般内科)
    • 後期研修を終えた後の再就職時に多少苦労した。(30代男性・リウマチ科)
    • 研究や論文作成ができない、同僚が少ない(30代男性・精神科)
    • 臨床研究や論文作成、高度医療に実際に触れる機会が若干少なかったのと医局からの医師支援が得られにくかったが大きなデメリットは感じていない(50代男性・産科)
    • 相談できる先輩が少ない。 目指していないが、教授職など上は目指せない。(50代女性・一般内科)
    • 医局にいることで得られたかもしれない経験は得られなかった(40代男性・精神科)
    • 医局から派遣されている医師との扱いの格差、金銭面以外の待遇の悪さ(40代女性・精神科)
    • 就活しないといけない。(40代女性・循環器内科)
    • 不安になったときに頼れるところが少ない。いわゆる学会などでとりたてられる場面がなく、同様に仕事をしていても昇進がない。(50代女性・一般内科)
    • 自力で専門医を取らないといけない。(30代女性・腎臓内科)
    • 学会の時に集まりがないので寂しい(30代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • 交友関係が医局に属しているほうが広い(40代男性・循環器内科)
    • アカデミックな情報が得にくい。(30代男性・精神科)
    • 就職先は自分のコネクションで探した。(30代男性・在宅診療)
    • 腹腔鏡手術の良き指導者との出会いがなかった。(40代男性・一般外科)
    • 学位、専門医などとりにくい(50代男性・一般内科)
    • 自分でキャリアを考えないといけない(30代男性・小児科)
    • 大学時代の人脈と距離が遠くなってしまった。(30代男性・消化器内科)
    • ICUや集中治療・緩和に対して診療機会が乏しく、専門医試験に対する知識が身につかない(30代男性・麻酔科)
    • 系統立てた作法を学ぶ機会がないので個人的に教えを乞うたり見学したりしなくてはならない。新しいことを導入する際に見よう見まねにならないように配慮が必要。(40代男性・一般外科)
    • 職場での立場が上に上がらない。 一つでも専門と言える領域があればいいが私の場合は広く浅くなら全般やれるが専門性がないと思った。総合消化器科医みたいな感じになってしまった。ほんとはもっと上部をやりたかったが症例を大学上がりの医師にとられてしまい自分はあまりできなかった。大学にいっておけば、、、と思った(30代女性・消化器内科)
    • ある程度で次のキャリアプランを自分で立てて自力で探していかないといけないこと。(29歳以下女性・救命救急)
    • 将来の進路を今後、自分で決めていかければならない。また、病気になったりしたらどうなるのかは心配です(30代女性・精神科)
    • 万一の際のバックアップのなさは常に付きまといます。(40代男性・一般内科)
    • 十分な指導を受けられなかった(40代男性・精神科)
    • なし。専門医も最短で取得し、学会発表や論文作成だけではなく、他施設研究も行っており、なんら不都合を感じていない。(30代男性・救命救急)

「大学の同門会には入る」「勉強会に積極駅に参加」「アンテナを張り巡らせアップデート、人事交流」…医局に所属していない医師として業務を行う上で工夫していること

上記のような医局に所属していないことによるデメリットに対して、医局に所属したことのない医師はどのように工夫しながら業務しているのでしょうか?自由回答では以下のようなものがありました(一部)。

    • 医局には所属していないが地域の大学の同門会に入れてもらっている(50代男性・整形外科)
    • メーカー主催の勉強会に参加、特に大学病院医師が主催のもの(40代女性・精神科)
    • 人事関係の情報をできるだけ得るようにしている(40代男性・小児科)
    • 医局から来ている先生とも仲良くして、関係性は構築する。繋がっていることで、紹介などしやすくなる。また、医局のデメリットにこちらからは触れない。(30代女性・一般内科)
    • 新しい技術を積極的に取り入れる。(50代男性・一般内科)
    • 民間の市中で浴びるように症例をこなしたこと。(40代男性・精神科)
    • 医局と診療に特に因果関係はない。(30代男性・リウマチ科)
    • できるだけ医療知識をアップデートするように努力している(40代女性・一般内科)
    • 地方の学会に参加して知り合いを増やす(30代男性・精神科)
    • 勉強会に積極的参加。(40代男性・美容)
    • 研修中に得られた師匠や先輩後輩とのつながりを大事にしている(40代男性・その他診療科)
    • 地域医療のなかでは大学医局に所属していないことで苦労したりすることはないし、大学には貴重と思われる症例を紹介状を丁寧に書くことできちんと連携をとるように心がけている 地域医療を担う中核病院も医療内容が高度化しているから必ずしも大学病院に患者紹介してはいない(50代男性・産科)
    • 情報は疎くなりがちなので学会などまめに出席して情報を得たりしている。(40代男性・麻酔科)
    • 常により良い労働条件の病院を探している(30代男性・麻酔科)
    • 地域の医師と連携を保つ努力をすること(50代男性・脳神経外科)
    • 勤務先や研究会などでご一緒した先生方と情報交換を行うようにしている。(50代女性・一般内科)
    • 医局派遣の先生たちと仲良くするようにしている(30代女性・腎臓内科)
    • とにかく仲良く仕事をすること。(30代男性・循環器内科)
    • 患者さんを誰よりもしっかりとみる。他の医師とのコミュニケーションをなるべくとるようにする。(30代女性・一般内科)
    • スキルアップを意識して、多様な分野の勉強をしています(30代女性・精神科)
    • アンテナを張り巡らせアップデート、人事交流、学会発表を行う(40代女性・救命救急)
    • 普通に医師として勉強と仕事している。特別な工夫していない。(40代男性・一般内科)
    • 転職などにはアンテナを高くしている(30代男性・消化器内科)
    • 患者さんのためにできること、したいことをするだけ。(40代男性・麻酔科)
    • 実力を付けて、どこでも働けるように(29歳以下男性・一般外科)
    • 同じ病院にずっといるので人間関係を円満にする。(29歳以下男性・麻酔科)
    • これまであった先生方との連絡が今後もとれるように連絡先を交換したり、時々質問したりしている(30代女性・麻酔科)
    • 医療の前線に遅れないようによく雑誌を読む(50代男性・消化器外科)
    • 大学医局のみならず他の医療機関の方、メーカーさんたちのコネクションを堅持する。(40代男性・一般外科)
    • 同級生等と連絡をとり情報を得るように積極的にしている(30代男性・精神科)

「新しい情報に触れられる」「専門的知識・技能の習得」「研究発表、稀な症例の経験」…「医師が大学医局に所属すること」の一般的なメリット

ここからは医師個人というよりも「医師が大学医局に所属すること」一般についての回答となります。一般的に医師が大学医局に所属することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。自由回答の結果は以下のようになりました(一部)。

    • 最低限の医師としてのトレーニングが受けられる(60代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 博士号がとりやすい、研究しやすい(40代男性・精神科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 専門的知識・技能の習得(60代男性・健診・人間ドック、過去に医局に所属していたことがある)
    • 正統派の系統だった教育を受けられるメリット(50代男性・消化器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 臨床で困ったときなど、たくさんの先生にサポートしてもらえる。生涯学習の機会も増える(30代女性・精神科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 情報収集ができること。(30代女性・精神科、大学医局に所属している)
    • 研究発表、稀な症例の経験(30代男性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 最低限の医師になるため必要(50代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 高度な医療技術が学べることと他科との連携(50代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 新しい情報に触れられること。(30代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 専門医、学位取得 教育、トレーニングを受けやすい(30代男性・整形外科、大学医局に所属している)
    • 豊富な症例、学会発表、論文の機会、最新の知識、横の繋がり(30代女性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 系統だった教育を受けることができる。 専門医取得をサポートしてくれる。(40代女性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 群れがよければ享受するメリットはある。悪ければ害しかない(50代男性・呼吸器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 専門医などの肩書を増やす(30代男性・泌尿器科、大学医局に所属している)
    • 若い間は研究ができること(60代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 確立した研修制度のある医局では資格取得が用意(40代女性・救命救急、これまで医局に所属したことがない)
    • 一人前になるために必要な手技や症例についてバランスよく学ぶことができる。また、臨床、研究、留学など自分がどの分野を頑張りたいと思ってもそのチャンスが開けている。(30代女性・消化器内科、大学医局に所属している)
    • 高度な医療技術が学べることと他科との連携(50代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 周りからの信頼度がある(29歳以下女性・一般内科、大学医局に所属している)
    • 大学では稀な症例を診れ、移動した際はその病院それぞれの方針や症例を学べる(40代男性・婦人科、大学医局に所属している)
    • 論文を書けるようになる 学会発表できる 博士号がとれる 上級医に色々教えてもらえる(30代女性・消化器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 人脈、専門分野の研修、研究面ではメリットがある、特に若い頃や研究を究める場合には良い(30代女性・小児科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医師の指導が偏りなく行われる(50代男性・血液内科、大学医局に所属している)
    • 留学、研究などの場を得やすい(30代男性・脳神経外科、大学医局に所属している)
    • 研究環境が一般病院よりも整備されている(29歳以下男性・病理診断科、大学医局に所属している)
    • 研究に従事できる。最先端の医療技術に触れられる。(30代女性・呼吸器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 資格がとりやすい、院や留学の際に助かる。学会発表の体制がしっかりしている。(29歳以下女性・麻酔科、大学医局に所属している)
    • 技術を磨き。研究、教育のも携われること。(50代男性・麻酔科、大学医局に所属している)
    • 大きな組織に属する安心感(30代男性・整形外科、大学医局に所属している)

「勝手に勤務地を決められる」「雑用が多い」「給料が安い」…「医師が大学医局に所属すること」の一般的なデメリット

逆に医師が大学医局に所属することの一般的なデメリットとしては、以下のような回答がありました(一部)。

    • 医局の関連病院以外には異動できない。(40代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 合わない上司と何年も働かないといけないことがある(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 「個人」として動きにくい(60代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 給料を自分で決めれない(50代男性・一般内科、大学医局に所属している)
    • 教授になる以外は、いる意味がない。(40代男性・消化器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 進路が縛られることです。(40代男性・美容外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 自分で治療方針を決めることが少なくなる(40代男性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 医師としての視野が狭くなる(40代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • タイタニックになった場合、逃げ遅れると大変(40代男性・血液内科、大学医局に所属している)
    • やりたいことがやりづらい場合がある(30代男性・眼科、過去に医局に所属していたことがある)
    • しがらみ、ヒエラルキー、年功序列(60代男性・婦人科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 勤務先に自分の希望がほぼ反映されない(40代男性・一般外科、大学医局に所属している)
    • 給料ぴんはね 行きたい病院に行けない 医局費用とられる 自由に発言できない 教授が人格者でないと最悪 人事も実力じゃない情実人事が多い  教授で全てが決まる 残っている人はイエスマンばかり(60代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • あらゆる面での拘束がある(40代男性・一般内科、大学医局に所属している)
    • 辞めたいときにやめたいと言えない(40代女性・内分泌・糖尿病・代謝内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 束縛があることもある(40代男性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 勝手に勤務地を決められる(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局に守られているため責任感が欠如しがち(30代男性・麻酔科、大学医局に所属している)
    • 自由がきかない。雑用増える(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • ヒエラルキーに左右される(40代女性・その他診療科、大学医局に所属している)
    • 雑用がおおく、医局人事でへき地へ行かねばならないことも(40代男性・その他診療科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 望まない施設への派遣(50代男性・脳神経外科、大学医局に所属している)
    • 就職などで拘束される場合がある(50代男性・消化器外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局の意向で動かなければならない時が来る(40代男性・小児科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 給料が安い、希望した病院に務められない(40代女性・婦人科、大学医局に所属している)
    • 自分の人生を他人に預ける(40代男性・整形外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局の意向で人事がある(40代男性・一般内科、これまで医局に所属したことがない)
    • 医局費の納入、医局人事。(40代女性・消化器外科、大学医局に所属している)
    • 医局の人事に従わなければならない。(40代男性・整形外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 自由に勤務先や働き方を決めることができない(30代男性・その他診療科、これまで医局に所属したことがない)

「専門医や学位が欲しいならば入局」「関連病院の多い医局」「トップがどんな人か」…これから入局を検討している医師に対して、参考となる知識や考え方

上記のような医局のメリット・デメリットがある中、これから入局を検討している若手医師の場合、どのように選んでいくと良いのでしょうか。参考となる知識や考え方についても回答を募ったところ、以下のような回答が得られました(一部)。

    • 専門医や博士号を取得しやすい(40代男性・消化器外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 入るが専門医の取得後には退局へ(60代男性・整形外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 無難がいいか、冒険がいいか しっかり自分を見つめること、 しっかり、研修を積むことが大事である(50代男性・小児科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 初めは所属しないと不都合があると思う。(40代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 教授が変わればすべてが変わる(50代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 科によると思うが、麻酔科なら入局は必須とはあまり思わない(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 教えてくれる人が居るか(50代男性・一般内科、大学医局に所属している)
    • 入って勉強させてもらうことは大事だと思う(50代男性・泌尿器科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 専門医や学位が欲しいならば入局するのがいいと思います。(40代男性・美容外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局の考え方を知ることが大切(50代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科、大学医局に所属している)
    • トップがどんな人か、は大きいと思います。(50代男性・内分泌・糖尿病・代謝内科、大学医局に所属している)
    • 大学のしていることに興味があればよい(40代男性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 職業及び住居の選択の自由は憲法の規定(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 一度は所属した方が良いと思う(40代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • ボスの質とその能力・権力の継続性(40代男性・血液内科、大学医局に所属している)
    • 一人でやっていく覚悟があれば入らない(30代男性・眼科、過去に医局に所属していたことがある)
    • くだくだ考えても無駄。耐えきった先生はうまいことやってることが多い。(60代男性・婦人科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 最初の5年くらいは医局の恩恵を感じないかもしれないが、その後頼りにすることになる(40代男性・皮膚科、大学医局に所属している)
    • 医局の雰囲気は入ってみないと分からない部分が多いが、人に聞くなりして前もって確認できればbetterと思います。(40代男性・小児科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 考えすぎないで、ながされろ。(40代男性・整形外科、大学医局に所属している)
    • ボス(教授)を信用できるかどうかは非常に重要だと思う。(50代男性・一般内科、これまで医局に所属したことがない)
    • 大学院卒業後の就職先などを含め、どのくらい希望を聞いてくれるのか。排他的でないか、などは確認しておいた方がよいと思います。(30代男性・神経内科、大学医局に所属している)
    • どこに行っても最終的には自分自身。(40代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局に入らないと専門医は取りづらい科が多い、取るまでは我慢。(40代男性・放射線科、大学医局に所属している)
    • 底辺大学の医局だけはやめたほうがいい。どうせ入るなら医局ロンダリングを狙え。(50代女性・眼科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 民主的な教授の医局が良いです。(50代女性・泌尿器科、大学医局に所属している)
    • 自分の目指すものが大学医局に属することで得られるかどうかを考えてほしい。(50代男性・緩和ケア、過去に医局に所属していたことがある)
    • 関連病院の多い医局を選ぶ(50代男性・一般外科、大学医局に所属している)
    • 尊敬できる先輩がいるところ(40代男性・精神科、大学医局に所属している)
    • ある程度自己犠牲をしないとうまくはならない。休日など。(40代男性・形成外科、大学医局に所属している)

「白い巨塔は過去」「医局の存在自体は悪くない」「やはり教授の独裁」…現在の大学医局について率直に感じていることや意見など

最後に、現在の大学医局について率直に感じていることや意見などを募ったところ以下のような回答がありました(一部)。

    • 随分フリーだと思う。白い巨塔は過去(40代男性・脳神経外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 今思えば守られていたように思います(40代男性・消化器外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 封建制度そのもの 軍隊 階級制 上の命令は絶対服従 忠誠心 今時、そんな時代ではないのに 取り残される(50代男性・小児科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 女性は結婚出産などで特に医局を離れることが多いと思う。(40代女性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局の権威はもっと落ちるべき(50代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 今は医局上層部も昔ほど若手に期待していない(50代男性・腎臓内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局は病院にとっては大変有意義な存在。医局が把握している医局員情報を的確に利用して、各病院に適材適所の医局員を送ることができる。紹介会社はどんなに頑張っても、医局が把握している医局員の医師としての質やパラメディカルスタッフとの協調性ほか問題点などを見抜くことはかなり困難であり、結局困るのは病院であるからである。(50代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 専門医をとるまではかなり強力な拘束力があるが、そのぶん専門医をとったあと(7年目以降)の人間をとどめておくのにはかなり苦労するだろう。(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局といっても教授が取り仕切っているだけ、思うとおりにするためのもの(50代男性・泌尿器科、過去に医局に所属していたことがある)
    • ずっと勤務医でやっていくならば悪くない制度であると思います。(40代男性・美容外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 私はやめてよかった、それだけです。(40代男性・健診・人間ドック、過去に医局に所属していたことがある)
    • 時代遅れになってしまっている。(30代男性・リウマチ科、これまで医局に所属したことがない)
    • なんら法的な地位もなく全く不要な存在(40代男性・麻酔科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局人事を担う立場に立つと、自医局の問題点が良く見えてきた。(40代男性・血液内科、大学医局に所属している)
    • あまりにも巨大な力で、白い巨塔の世界(40代男性・心臓血管外科、大学医局に所属している)
    • 入っとけばよかったなんて思わない(40代男性・整形外科、これまで医局に所属したことがない)
    • 派遣病院の都合や待遇ではなくその地域の医療ニーズに応じた患者最優先の医師派遣をしていただきたい。(50代男性・麻酔科、大学医局に所属している)
    • 医局の存在自体は悪くないと思う。患者さんへの視座を忘れず、それを第一義に運営されている医局に出会うと良いですね。稀でしょうが。(60代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 派遣は決して無駄ではないと考えますが、入局にあたっては、自分が何を必要としているのかの目的をきちんと見極めてから、判断することをおすすめします。(40代女性・放射線科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 制度上の問題点は多々あるが、地域医療を支えてこれたのも、専門科の基礎的訓練をうけれたもの、医局制度によるものが大きいとおもいます。これからは、さらにオープンな姿勢であれば、医局制度自体は、世間一般でいうほど悪いものではないように思います。(50代男性・整形外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 若い人を、何の意味もなく、むやみに泣かせないでほしい(40代男性・精神科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 人員がおらず、崩壊している。(50代男性・一般内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 昔は、年功序列という考え方があり、ひたすら我慢していた。今はそれがくずれている。自分位の年で、教授や助教でない身分で、そこにいることの意味はあるのだろうか。昔の同僚が残っているが、「逃げ損ねたな・・」と思うこともある。(50代女性・精神科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 結局は自分で決めること。いいおとなですから。(30代男性・循環器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 地域は医師不足で医療が崩壊しかかっている。その意味では、以前の様な医局制度により、医師を短期間でも決まって派遣していただけるのであれば、有難い。(50代男性・循環器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 本位でない地域、病院が勤務先となる。(60代男性・消化器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • やはり教授の独裁で民主的でない。(50代男性・消化器外科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 教授に政治力があれば医局全体が活発で活動的。なければ医局全体が暗い。批判はあっても親分肌の教授にお世話になった方がいい。(60代男性・消化器内科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 教授選は学術や臨床能力によるものではなく、政治、派閥から選ばれている(50代男性・精神科、過去に医局に所属していたことがある)
    • 医局によっては本人の意思(専門性や勤務先など)よりも医局の都合が優先されているように感じる(30代女性・循環器内科、過去に医局に所属していたことがある)

 
1,580名もの医師の方々にご協力いただいた大学医局に関するアンケート調査、上記に紹介した自由回答やデータは、その調査全体のごく一部です。本記事で紹介できなかった情報や分析結果は後日別途紹介させていただきます。

医局のメリット・デメリットについては、下記リンク先にもまとめています。よろしければ合わせてご参照ください。
>>医局に所属するメリット・デメリットとは?

医師転職研究所では、今後も医師の方々のキャリアに役立つ一次情報を調査・提供していきます。

 

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 大学医局に関するアンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 2019年4月22日~2019年5月23日
有効回答数 1,580件
調査公開日 2019年5月27日

 

年齢


回答者の年齢

 

性別


回答者の性別

 

診療科


回答者の診療科

 

地域


回答者の地域