電子カルテ、医療機器から当直室の環境まで…職場の機器・設備に関する医師1,730名のアンケート結果

医療機関には様々な機器や設備がありますが、医師が業務を行う上で重要なものは何でしょうか?また、医師にとって理想の職場の機器・設備の環境とはどのようなものなのでしょうか?

医師の職場の機器・設備について、医師1,730名へアンケート調査を行いました。

 

電子カルテ、医療機器から当直室の環境まで…職場の機器・設備に関する医師1,730名のアンケート結果


 

勤務先の状況

調査を行った医師の主たる勤務先の状況は下図のようになっています。


医師の勤務先の状況

大学以外の病院勤務が59%と最も多く、大学病院勤務が14%、クリニック勤務医が17%、クリニック開業医が5%という状況です。また、一般企業や介護施設など医療機関以外に勤務している医師や休職中の医師は5%となっています。

勤務中に長く過ごしている場所(医療機関勤務者)

医療機関に勤務している医師1,643名を対象に、勤務中に長く過ごしている場所について複数回答で質問したところ、下表の結果となりました。


医療機関勤務の医師が勤務中に長く過ごしている場所

外来診察室という回答が58.6%と最も多くなっており、次いで病棟(35.4%)医局(35.2%)が多くなっています。

その他では、透析室やカテ室、院長室などの回答がありました。

電子カルテ導入の有無(医療機関勤務者)

医療機関勤務の医師に勤務先で電子カルテを導入しているかどうか質問したところ、結果は下図のようになりました。


電子カルテの導入状況

「導入されている」が85%、「導入されていない」が15%という結果となりました。

医療機関種別での電子カルテの導入状況

勤務先の種別では下表のようになっています。


【勤務先種別】電子カルテの導入状況

大学病院に勤務する医師では電子カルテは100%導入されている状況です。一方、その他の病院では85%、クリニックでは73%となっており、紙カルテの施設も少ないながら存在する状況となっています。

業務で利用する頻度の高い機器・設備TOP10(医療機関勤務者)

医療機関で勤務する医師に、業務で利用する頻度の高い機器・設備について自由形式で回答してもらい、集計した結果(上位10項目)が下表となっています。


医師が業務で利用する頻度の高い機器・設備

利用頻度の高い機器・設備として最も多かったのが「カルテ(電子・紙)」で300件でした。次いでエコー(162件)パソコン(139件)内視鏡(84件)CT(58件)も多くなっています。

機器や設備の中で特にこだわりたいもの(医療機関勤務者)

職場の機器や設備の中で特にこだわりたいものについて医療機関に勤務する医師に質問したところ、以下のような自由回答がありました(一部紹介)。

    • 使いやすい電子カルテ

    • 公立の基幹病院とデータ交換しやすい電子カルテ (60代男性、一般内科)
    • 電子カルテのスピードアップ (50代男性、血液内科)
    • 電子カルテは、色々な病院のものを使用しましたが、富士通が使いやすいです (30代女性、小児科)
    • 電子カルテのデータベースとしての利用しやすさ (30代女性、救命救急)
    • NECの電子カルテは好き (40代男性、小児科)
    • 医局の環境

    • 医局の空調 (40代男性、健診・人間ドック)
    • 医局に個室が欲しい (40代男性、精神科)
    • 医局の住環境が酷いので、もう少しマシになってくれれば良い。 (50代女性、その他診療科)
    • 当直室、医局の机といす (30代女性、産婦人科)
    • 医局の広さ、過ごしやすさ (50代女性、老年内科)
    • 内視鏡

    • 内視鏡のメーカーはオリンパスがいい (40代男性、一般内科)
    • 内視鏡は機種があまり古過ぎるものは、敬遠しています。 (40代女性、消化器内科)
    • 経鼻内視鏡は富士フイルム (30代男性、消化器内科)
    • 内視鏡手術デバイス:超音波凝固切開装置 (60代男性、消化器外科)
    • 内視鏡の画質 (30代女性、耳鼻咽喉科)
    • エコー

    • 心エコーのメーカー (50代男性、循環器内科)
    • エコーはGE (40代女性、産婦人科)
    • ハンディエコー (60代男性、一般内科)
    • 超音波診断装置と空調 (50代女性、産婦人科)
    • ポータブルエコー (50代女性、麻酔科)
    • 当直室の環境

    • 診察室や当直室の椅子 (50代男性、リハビリテーション)
    • 当直室には、バストイレを備えてほしいです。 (50代男性、皮膚科)
    • US、当直室のベッド (30代女性、乳腺外科)
    • 当直室は清潔であって欲しい (30代男性、整形外科)
    • 当直室の水回り (30代男性、精神科)
    • WiFi・通信環境

    • 医局のWifi環境 (30代男性、消化器外科)
    • 医局や病院内のWifiは欲しいところです。 (20代女性、血液内科)
    • 医局のパソコンでインターネットができるようにしてほしい (30代男性、循環器内科)
    • ネット接続環境 (50代男性、緩和ケア)
    • 快適なLAN (50代男性、整形外科)
    • 手術室の環境

    • 手術録画システム (50代男性、乳腺外科)
    • 手術室のエネルギーデバイス (40代男性、消化器外科)
    • 手術用顕微鏡 (50代男性、眼科)
    • 腹腔鏡手術装置 (50代男性、一般外科)
    • 手の外科用手術機器 (40代男性、整形外科)
    • その他

    • 内診台の扱いやすさ、経膣プローベの太さ、手洗いスペース (30代女性、産婦人科)
    • 健康情報管理システム (40代男性、その他診療科)
    • 顕微鏡の対物レンズ(NIKON) (70歳以上男性、病理診断科)
    • レントゲンは単純と透視 (60代女性、一般外科)
    • iPhone医療アプリ、情報共有ツール(TeamsやSlackなど) (40代男性、一般内科)

職場の機器や設備に関して不便や不快に感じたこと(医療機関勤務者)

医療機関に勤務する医師に、職場の機器や設備に関して不便や快適でないと感じたことについて自由形式で回答を募ったところ、以下のような回答がありました(一部紹介)。

    • 電子カルテの会社による仕様の違い

    • 電子カルテは各社で仕様が異なり過ぎる。ある程度統一する方向にならないものか? (60代男性、呼吸器外科)
    • 電子カルテ。独自開発のもので、とても使いづらい (40代男性、産婦人科)
    • 電子カルテがマイナーの会社ので、使いにくい (40代男性、消化器内科)
    • 電子カルテが病院独自のものであり、他院との検査値の表示が異なるなど使い辛い。 (40代女性、一般内科)
    • 電子カルテのメーカーが違うと操作が全く違うのでいろいろな病院で勤務していると検査や処方、結果の確認に戸惑う。 (30代女性、産婦人科)
    • 電子カルテと他のツールとの連携不足

    • 全科カルテと眼科カルテが連携していない (50代女性、眼科)
    • 書類作成ソフトと連携されていない電子カルテは残念です (60代男性、消化器内科)
    • 電子カルテと内視鏡報告書のシステムが繋がっていないこと (30代女性、消化器内科)
    • 電子カルテがインターネットに繋がらない (30代女性、皮膚科)
    • 読影用と電カルの画像ビューワーが異なること (40代男性、放射線科)
    • 使いづらい電子カルテ

    • 電子カルテに医学辞書が入っていない。病名も足りない。 (60代男性、一般内科)
    • 在宅診療で外出中にはカルテ本体へのアクセスができない。 (50代男性、在宅診療)
    • 電子カルテで必要なものがどこにあるのか直感的には分からない。 (50代男性、放射線科)
    • 電子カルテの自動判定が実態に即していない(2回測定の血圧の悪い方を判定値にとるなど) (40代女性、一般内科)
    • 電子カルテでオーダーを入力している際に、同時にカルテの情報が閲覧できないこと。他のスタッフがカルテを開いていると入院決定ができないこと。無駄な時間がとられます。 当直室のベッドがへたっていると、何回も当直していると疲れがたまりますし、腰が痛くなります。(20代男性、一般内科)
    • 診療機器の使いにくさ・不具合

    • カテーテル装置がよく不具合を起こす (40代男性、循環器内科)
    • 心電計が3チャンネルで不便 (50代男性、健診・人間ドック)
    • 3Dがなく腹腔鏡手術がしづらい (40代男性、泌尿器科)
    • 喉頭用の内視鏡が鮮明ではないため、胃カメラで指摘された病変を見つけにくかった事 (30代女性、耳鼻咽喉科)
    • 形成外科用の微細な鋼製小物が足りない (40代男性、形成外科)
    • 機器・設備の不足

    • 電スコが1本しかないため、消毒中だと、すぐに使用できないこと。 エコー画像が、電カルに直接取り込まれず、スキャナーで取り込むので、カルテで見るときに画質が落ちること。 (40代女性、耳鼻咽喉科)
    • 予約システムが欲しい (50代男性、一般内科)
    • ミーティングや会議で使用する大型液晶モニターがない (50代男性、在宅診療)
    • 電子カルテやオーダーエントリーシステムがいまだに導入されていない。 (50代男性、精神科)
    • 電子カルテ用のパソコンモニターが1つしかない。複数欲しい (30代男性、一般内科)
    • 院内の設備環境

    • 医局の机の位置でwifiの状況が変わること (30代男性、消化器内科)
    • 病棟のパソコンモニターが見上げる姿勢となり目が疲れやすい (50代男性、精神科)
    • 病院全体、特に手術室の空調(冷房機能)が極めて悪く、特に夏場は猛暑の中での手術となることもあり、手術中に気分が悪くなる。 (40代男性、整形外科)
    • 窓が無い診察室は換気できないので、空気清浄機を設置して欲しい。 (40代女性、消化器内科)
    • トイレが患者さんと同じ (50代男性、一般内科)
    • 当直室の環境

    • 当直室がほこりっぽい (30代女性、呼吸器内科)
    • 当直室が下水臭い (40代男性、整形外科)
    • 当直室の中にトイレやシャワーがない、ベッドがソファー。 (40代女性、精神科)
    • 当直室に扉がなく、人が通る度に起こされたことがある (30代男性、脳神経外科)
    • 当直室のベッドが硬く、疲れが取れない (30代男性、麻酔科)
    • その他

    • 各検査所見へのアクセスが必ずしも一ソフトでまかなえておらず多くのメモリーを食いつぶしてしまうこと。 (50代男性、循環器内科)
    • 相手の通信環境もあり面談環境が一定でない (30代男性、その他診療科)
    • 冷蔵庫が看護師用しかない。 (60代男性、一般内科)
    • 電子カルテへの移行が不十分な場合、紙運用が増えてむしろ大変になったことがある (40代男性、一般内科)
    • レントゲンなど読影後の結果入力が、用紙に手書きでアナログなのが怠い。 (30代男性、健診・人間ドック)

今後職場に導入して欲しい機器や設備(医療機関勤務者)

医療機関に勤務する医師に、今後職場に導入して欲しい機器や設備について自由形式で尋ねたところ、言及が多かったのは下表の項目となっていました。


医師が今後職場に導入して欲しいと思う機器や設備

以下、これらの機器・設備に関する具体的な医師の自由回答(一部)を紹介します。

    • 電子カルテ

    • 自宅で見れる電子カルテ (50代男性、消化器外科)
    • サクサク動く電子カルテ (40代男性、リウマチ科)
    • 音声入力できる電子カルテ (40代男性、小児科)
    • 検査結果の取込みが、容易にできるような、もっと便利な、電子カルテ。 (50代女性、循環器内科)
    • ソフトウェアサービスの電子カルテ (20代男性、形成外科)
    • エコー

    • ポータブルエコー (40代男性、精神科)
    • 超音波診断装置の上位機種 (50代女性、産婦人科)
    • 解像度の高いエコー 大きさは問わず (20代男性、呼吸器外科)
    • 携帯型超音波検査器 (60代男性、循環器内科)
    • 神経ブロック用のポータブルエコー (50代女性、麻酔科)
    • WiFi

    • Wi-Fi環境の改善。 (30代男性、一般内科)
    • 快適なWifi (30代男性、脳神経外科)
    • 当直室のwifi (40代男性、小児科)
    • PC

    • もっと反応が良いパソコンシステム (60代男性、消化器内科)
    • 予備の当科用PC (40代男性、一般外科)
    • 新しいパソコン、高精細のモニター (50代女性、健診・人間ドック)
    • 内視鏡

    • 上部消化管内視鏡 (40代男性、救命救急)
    • 拡大内視鏡 (40代女性、消化器内科)
    • AI機能のある内視鏡 (40代男性、一般内科)
    • タブレット

    • タブレット端末 (40代男性、精神科)
    • タブレット端末による写真撮影、共有 (20代女性、形成外科)
    • タブレットのカルテ (40代男性、一般内科)
    • レーザー

    • 美容レーザー購入交渉中 (30代女性、皮膚科)
    • 高出力レーザー、手術支援ロボット (40代男性、泌尿器科)
    • CO2ガスレーザー (40代男性、産婦人科)
    • CT

    • CTコロノグラフィのセット一式、レントゲンやCT、内視鏡のAI診断装置 (60代男性、一般内科)
    • PET-CT (50代男性、消化器外科)
    • CT (30代男性、内分泌・糖尿病・代謝内科)
    • MRI

    • 3T-MRI (50代男性、脳神経外科)
    • 速いMRI (30代男性、神経内科)
    • 3T MRI  (50代男性、放射線科)
    • レントゲン

    • レントゲン (40代男性、小児科)
    • レントゲン写真のデジタル化 (60代男性、一般内科)
    • レントゲン透視 (60代女性、一般外科)

新しい機器や設備導入に関する勤務先の協力(休職中以外)

休職中を除く医師を対象に、新しい機器や設備導入に関して現在の勤務先が協力的かどうかを質問したところ、結果は下図のようになりました。


新しい機器や設備導入に関する勤務先の対応

「どちらかといえば協力的だと思う」が43%と最も多く、「協力的だと思う」(17%)と合わせて6割の医師が勤務先の対応を「協力的」と捉えている結果となっています。

自分が勤務する上で理想的な設備・機器が整った職場

勤務する上でどのような機器・設備が整った職場が理想かについて医師に質問したところ、以下のような自由回答がありました(一部紹介)。

日帰り手術の機器が揃っていること。最新のエコーが導入されていること。 (40代男性、一般外科)

電子カルテ端末の奪い合い譲り合いがほとんどない程度に、端末数が充実している職場。 (50代男性、在宅診療)

記録入力にストレス少なく、参照資料がすぐ出てくるような電子カルテ環境 (70歳以上男性、呼吸器内科)

出来れば男女別の当直室があるところ。 (30代女性、一般内科)

外来診療のスピードなどは、電子カルテに左右されるため、勤務を検討する際に、どこの電子カルテを導入しているかは、重視する。 (40代女性、泌尿器科)

 

電子カルテの場合、検査結果などに関して一部紙運用している施設があるが、電子カルテの画面だけで診療が完結できるようにして欲しい。 (40代女性、消化器内科)

医師の事務作業を軽減させようとする職場 (50代男性、消化器外科)

医療機器や設備はもちろんだが、文献検索サイトへの閲覧会員登録や、ネット環境など (60代男性、消化器外科)

超音波診断装置と電子カルテに超音波画像が参照できることと換気が可能な空調 (50代女性、産婦人科)

Wifi通信が高速でつながること(診療で動画も見るため)、事業所でディスプレイが使えること (40代男性、リハビリテーション)

勤務先選びにおける職場の機器・設備の重要性

医師が転職・就職や外勤などで勤務先を選ぶ際に、職場の機器・設備の環境はどの程度重要なのでしょうか?医師に質問したところ、下図のような結果となりました。


医師の勤務先選びにおける職場の機器・設備環境の重要性

「どちらかと言えば重視している」が51%を占め、「重視している」(17%)と合わせて68%の医師が勤務先選びで機器・設備の環境を重要と考えている結果となっています。

職場の機器・設備に関する医師の自由意見・感想

その他、職場の機器・設備に関する医師の意見や感想について自由形式で募ったところ、以下のような回答がありました(一部紹介)。

コロナで収益が減少中のため大掛かりな設備投資がしにくい。早く持ち直してほしい。 (40代女性、小児科)

もっと安くて品質のいい麻酔チャートがあればなぁと思う。 (30代男性、麻酔科)

電子カルテの規格統一があればいい (50代男性、消化器外科)

新しい機種や快適な環境があれば良いと思うが、入職時にはそこまで見られない (50代女性、リウマチ科)

待機場所や当直室の備品にも、現場の声が反映されるとよい (40代男性、産婦人科)

 

コロナのせいで売り上げ激減のため、電子カルテの導入予定がストップになった (30代男性、消化器内科)

大きな声では言えませんが、医局の設備について実は就職時にかなり重視しています (50代男性、皮膚科)

他の人が電子カルテを開いたときに、同一人物の電子カルテが使えなくなるのは不快です。 (40代男性、一般内科)

コロナ下で換気がしっかりした施設が大切だと思いました。 (50代男性、呼吸器外科)

理事長は電子カルテには否定的であるが、オーダリング、カルテが手書きであり不便 (50代男性、整形外科)

 

職員は使い捨てと考える経営者の病院は総じて不衛生で汚い。 (60代男性、整形外科)

普通は電カルのようなシステムがあらかじめ入っていると思いこみ、4年程前に質問もせずに入職したら入っておらず、思い込みは怖いなと思った。 (50代男性、精神科)

外科系の機器はすぐに購入してもらえるのに、内科系の機器はどこに赴任してもなかなか購入してもらえない。 (40代女性、一般内科)

可能であれば、院外からも電カルにアクセスできて、オーダーなど入れられると良い (50代男性、乳腺外科)

経営陣が現場の業務を正しく理解していない。 (40代男性、泌尿器科)

 

職場の機器や設備の環境は、少なからず医師の業務効率や働きやすさにも影響します。

医師の数は限られている中、それぞれの医師が自身の能力を十分に発揮するためにも、機器や設備などの環境面では出来る限りのサポートをしていくことが重要と考えられます。

 

【参考】回答者の属性

調査概要

調査内容 職場の機器・設備に関する医師アンケート調査
調査対象者 株式会社メディウェルに登録している医師会員
調査時期 2021年6月7日~2021年6月25日
有効回答数 1,730件
調査公開日 2021年8月10日

 

年齢


回答者の年齢

 

性別


回答者の性別

 

診療科


回答者の診療科

 

地域


回答者の地域