医師は年収の中央値が1,700万円と一般的に給与の高い職種となっていますが、退職金に関してはどのようになっているのでしょうか?医師退職アンケート調査から見ていきます。

医師の退職金、もらえる割合は50%
過去に常勤先を退職した医師が退職金を支給された割合は下図のようになっています。
「支給された」「支給されなかった」はともに50%となっており、医師が退職金をもらえるかどうかは半々という状況です。
なお、厚生労働省の平成30年の就労条件総合調査では、医療・福祉分野で退職金制度があるのは87.3%となっていました。法人としては退職金制度があっても、医師に対しての支給はないという場合も一定数あるのかもしれません。
医師の退職金の相場は?
医師の退職金はどれぐらいなのでしょうか?医師の退職までの勤続年数別に退職金の平均と中央値を出した結果は下表のようになっています。
当然ですが年数と共に退職金は上がっており、7年以上10年未満の場合では平均で302万円、中央値で200万円となっています。医師の退職金相場としては、年間で10~40万円程度積みあがっていくイメージで考えるとよいかもしれません。
勤務先によってかなりの違い?退職金で4,000万円もらえている医師も
年収が1,400~1,800万円という医師が多い中で、年間10~40万円程度の退職金はかなり少ないように感じます。ただし、中には退職金で数千万円もらえているような医師もいました。退職金の高い医師の例は以下のようになっています。
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- 4,000万円(60代男性、一般内科、退職した職場の勤務期間:10年以上)
- 4,000万円(70代男性、一般内科、退職した職場の勤務期間:10年以上)
- 3,000万円(70代男性、一般外科、退職した職場の勤務期間:7年以上10年未満)
- 3,000万円(60代男性、その他診療科、退職した職場の勤務期間:10年以上)
- 3,000万円(60代男性、神経内科、退職した職場の勤務期間:10年以上)
- 2,600万円(60代男性、病理診断科、退職した職場の勤務期間:10年以上)
退職金は職場の裁量で制度の有無を含めて決められるため、金額についても勤務先による違いが大きいと考えられます。
まとめると、医師においてはそもそも退職金がない場合や、退職金があっても少額という場合が比較的多いと考えられます。
医師が定年まで長く勤務するような職場を探す際には、年収だけでなく退職金等の制度についても確認しつつ、退職金にあまり期待しすぎずに将来的な資産形成について計画的に考えていくことが大切なのかもしれません。