勤務医でも年収2,000万円以上になれる?紹介会社を利用して転職した医師の年収データ1,901件の調査結果

医師の年収は一般的に高いとされます。一方で、「開業医の年収は高いけれども勤務医は高くない」といった話があったり、最近では勤務しているにも関わらず無給となっている「無給医」について話題になってもいます。

それでは、勤務医の年収は一般的にどれぐらいなのでしょうか?年収2,000万円以上の医師はどれぐらいいるのでしょうか?また、診療科や年代、地域によってどのように違ってくるのでしょうか?株式会社メディウェルの紹介サービスを利用して転職した医師の年収データ1,901件(全診療科計)をもとに、勤務医の年収事情について調査しました。

紹介会社を利用して転職した勤務医の年収事情

医師の年収は平均値で1,488万円、中央値で1,500万円

調査した医師の年収の概況は、下表のようになっています。


医師の平均年収

平均値で1,488万円、中央値で1,500万円という結果となりました。医師の給与に関するその他の調査と比較すると、「平成29年賃金構造基本統計調査」の1,233万円よりも250~270万円ほど高く、「第21回医療経済実態調査(平成29年)」の一般病院勤務医師の1,488万円とほぼ同様という結果となっています。

性別・年齢別での医師の年収、全年代を通して男性が女性よりも200~300万円高い傾向。男女ともに50代で最も年収が高い

性別での医師の年収は以下のようになっています。


性別での医師の平均年収

平均値では男性で1,574万円、女性で1,298万円と男性医師の年収が276万円ほど高く、中央値でも男性1,560万円、女性1,300万円とやはり男性が260万円高い結果となっています。

これは、女性医師の平均年齢が男性より若いということも影響していますが、出産・育児など家庭の事情によって当直や時間・日数に制限を設けて勤務する医師が女性の場合に多いということも要因として考えられます。

さらに、年齢別で分けて見ると、下表のようになりました。


年齢別での医師の平均年収

全年代を通して男性医師が女性医師よりも200~300万円ほど年収が高いという結果となっています。また、男女ともに50代で最も年収が高くなっています。

医師の年収分布で最も多いのは1,400~1,600万円、1,800万円以上は20.9%、2,000万円以上は9.7%

医師の年収分布は以下のようになっています。


医師の年収分布

最も多いのは、1,400~1,600万円で23.1%となっており、次に1,200~1,400万円(20.4%)、1,600~1,800万円(17.6%)が多くなっています。

一方、年収1,800万円以上の医師も全体の20.9%を占め、2,000万円以上でも9.7%を占める結果となっています。

診療科別での医師の年収は外科系科目が高い傾向に

医師の年収の診療科別での状況は下表のようになっています(年収の中央値が高い順、該当者10名以上の診療科のみ)。


医師の診療科別の年収

年収の中央値で比較すると、整形外科・外科・脳神経外科などの外科系科目で年収が特に高くなっています。ただし、各診療科の女性割合に着目すると、年収が高い科目では男性比率が高く、逆に年収が低い科目では女性の割合が高くなる傾向にあることがわかります。

それでは、男女それぞれで分けて比較するとどのようになるのでしょうか?

男性医師


男性医師の診療科別の年収

男性医師に限定すると、やはり整形外科・脳神経外科・外科など、外科系科目の年収が高い傾向にあります。そのほか、呼吸器内科・循環器内科・産婦人科なども年収が高くなっています。

女性医師


女性医師の診療科別の年収

女性医師では、老人内科・産婦人科・内科で年収が比較的高い傾向にあります(外科系科目は該当者が10名に満たなかったため算定外としています)。診療科別で見ても、全体的に男性医師に比べて年収が低い状況となっていることが窺えます。

都道府県別の医師の年収では、宮崎県、鹿児島県など九州地方の県が上位にランクイン。東京都は下位に

医師の年収を都道府県別に比較すると、下表のようになりました(年収の中央値が高い順、該当者10名以上の都道府県のみ)。


医師の都道府県別の年収

年収の高い都道府県では、1位 宮崎県、2位 鹿児島県・茨城県、4位 熊本県、5位 新潟県と上位5県のうち九州地方が3県を占める結果となっています。

一方、最も該当者数の多い東京都は1,400万円で25位と下位になりました。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県の中で見ると、人口10万人対医師数の少ない埼玉県・千葉県に比べて、比較的医師の多い東京都・神奈川県では年収が100万円ほど低いような状況となっています。

まとめ

勤務医の年収は平均的に1,500万円ほどですが、今回の調査で内訳をみると、年収2,000万円以上を実現している医師も9.7%ほどいるという結果となりました。この調査は常勤先のみでの年収のため、非常勤での収入も加えるのであれば、勤務医でも年収2,000万円以上を実現できる可能性はこれよりも高くなるといえそうです。

調査内容 医師の転職後の年収(常勤先のみ)
調査対象者 株式会社メディウェルのサービスを利用して転職した医師
調査対象時期 2014年1月~2018年12月
調査件数 1,901件
調査公開日 2019年3月18日
【詳細】診療科別の医師の年収調査結果

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