教授回診は本当にあるのか

医療物のテレビドラマは、すでにいくつも放映されています。その中でも、教授の回診シーンが放映されることがあります。
教授が、看護師や准教授以下の医局員などを連れて、患者を回り回診をするシーンです。
ぞろぞろと人が連なって移動するので、大名行列のように揶揄されることもあります。

ところで、このような教授による回診は本当に実際の医療の現場でも行われていることなのでしょうか?

結論からいうと、既に過去の慣習となっている医局もあれば、現在も実際に行なわれている医局もあるという状況になっています。

過去の慣習となっているところでは、医局員が少なくなってしまった影響で、教授が一人で回診しているような場合もあります。
一方で医局の権威が健在のところでは、ドラマで描かれるのに似たような教授回診(下記)が今も行われています。

<教授回診に関する医師のコメント>
・教授回診は基本ダッシュ(30代男性・整形外科、大学医局に所属している)
・患者さんのためより、教授回診のために検査をするなどが多く、教授の理不尽な要求に振り回されることが多かった(50代男性・一般外科、過去に医局に所属していたことがある)

教授の回診がある場合、スタッフもピリピリとしているといいます。
回診の直前にトイレに行きたいと看護師に言うと、「すぐに戻ってきてください」などといわれることもあるようです。

教授の回診では、患者の方も緊張するといわれています。
看護師がテーブルの上に出ているいらないものなどを片づけたり、カーテンを開けたりします。
中には、少しでもスリッパがずれているだけでもきちんとそろえるというケースもあるといいます。
ここまで看護師がピリピリとしていれば、おのずと患者にもその緊張は伝播してしまいます。

教授回診といっても、何をするわけではありません。
担当医がいますので、「この患者さんは?」と尋ねます。
そうすると担当医が患者の状況について説明をするという感じです。

回診というよりも単なる視察といった方が適切かもしれません。
このために、長いところは1時間も前からスタンバイしないといけないこともあるといいます。
病院の嫌なところを見た、と感じる患者の方もいるようです。

大学医局の現状に関しては、下記に最新のアンケート結果を掲載しているので、よろしければ合わせてお読みください。
>>教授の権威の現状など―大学医局に関する医師1,580名のアンケート調査結果

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