快適な医局で仕事をするには特性を知った上での調査が必要
医局に関する最新情報は「3分の2の医師が転職を考えたことあり。背景には医局人事への不満も―ケアネット医師会員への転職アンケート結果の概要」をご確認ください。
1.医局とは医師の待機所・控室の事も指す
〈待機所、控室としての医局〉
この場合の医局とは、大学病院などで教授を中心とした人事組織の事をいうのでは無く、各病院に少なくとも一つは存在している医師の待機所・控室を表す本来の意味での医局を指します(大学医局に関する現状と医局を辞める時によくあるトラブルについては「医局を辞める方法と注意点とは?」をご確認ください)。この医局にはさまざまな利用方法が存在しており、その目的によってどういった設備を持った医局なのかは違ってきます。詳しくは後述となりますが、その主な利用目的は
・会議や議論を行う場
・学習の場
・休憩所
の3つに大別されています。また、医局の規模や数は病院によってばらつきが見られ、規模の大きい場合であれば病棟のワンフロアがまるまる医局になっている病院もありますし、医局が3つ以上の複数存在していることもあります。ただ標準的な病院であれば医局の数は1つか2つで、広めの部屋程度の規模のものがほとんどとなっています。
2.医局のおもな利用方法
〈医局は主に会議室・勉強学習・休憩所としての役割を果たし、それによって部屋のレイアウトも変化する〉
上記でも説明したように医局は主に3つの役割を果たしていますが、その役割によっても設備が全く違います。それぞれの特徴を知っておくことでより快適な仕事場を選択できるようになります。
1.会議室としての側面
会議室としての医局は朝礼や調整会議に用いられる事が多く、会議によって定期的に医局で連絡・報告・症例の検討などが行われています。ただし医師の仕事状況などの理由により会議に全員が揃うことは稀です。
また、会議室として利用される医局のレイアウトは円形の机や丸型の机の周辺に椅子が並び会議をするのに向いた環境となっている場合が多いので、待機や休憩にはあまり適してはいません。
2.勉強・学習の場としての側面
医局によっては個人ブースとしての仕切りがあり、会議の場としての役割より医師の学習を助けるという役割が強い医局もあります。
そういった学習スペースとしての医局は研修医や医師にとって自分のスキルを高める事に特化しているので、電子カルテや本などの資料が常備された個人学習のための設備となっていると言えるでしょう。また手術の練習の場として顕微鏡などが配置されている場合もあります。
こういった医局の場合近年はIT環境が整備されいつでも調べ物ができるよう無線LANが配備されているところがほとんどです。
3.休憩所としての側面
医局にはソファやラウンジ、大型テレビなどが配備された空間が作られているものもあります。そういった医局は医師が仕事の休憩中にくつろいだり、他の医師や医局スタッフと談笑したりするための場であり、レクリエーションや快適さを追求したスペースとして設計されています。
3.医局を利用する職員
〈おもな利用者は医師だが、その他にも医局秘書や教授が利用している〉
医局は医師の待機所なので主な利用者は医師となります。医師は上記の「医局の主な利用方法」に記したような利用をしていますが、利用者は他にも大きく医局秘書と教授の2つに分けられます。
1.医局秘書の存在
医局には医師のサポートを行う医局秘書と呼ばれるスタッフが常駐している場合があります。大規模な病院では医師の業務の負担軽減のためそういった医局秘書が複数存在していることも多く、ほとんどの場合女性が就労しています。
医局秘書はスケジュール管理や書類・資料の作成、研究費や医局費・請求書の調整などの金銭管理の他、文具・飲料水など消耗品の確認・補充などの仕事をおもに行っています。
2.大学病院の場合は医師よりも教授が中心となる
大学病院では医師や医局秘書以外にも教授も医局を利用しています。この場合では学習・教育的な意味合いを持ち、診療科ごとに医局が存在し、教授や准教授が頂点に立って研修医や若い医師に指導を行い、医師としてのスキルアップや基礎知識の学習などが目指される事がほとんどです。また、これが転じて「医局」は教授を中心とした人事組織を指すようになりました。
4.快適な医局とは自身の仕事で何を重要視するかで決まる
〈快適な医局とはどういったものか〉
医局には様々な役割があることを説明してきましたが、仕事をする上では医局のその役割によってどんな環境が快適なのかが変わってきます。会議をメインに使うのであれば議論に向いた開放的な環境が快適と言えますし、勉強や学習の場としての医局であれば、資料が豊富で静かな環境の個人学習のしやすい方が快適な医局と言えます。
また休憩スペースやレクリエーションとしての利用が主であれば休憩設備がどんなものかなどや娯楽や休憩スペースとしての環境が重要になってきます。
また今後仕事をする上でご自身が何を重要視しするかでも選択肢は変わってきますので、現状なにに不満を持っているのか、そしてどう改善したいのかを明確にしておきましょう。
5.快適な医局を探すにはより効率的なサイトを利用するべき
〈快適な医局から就職先を探すには〉
インターネットで調べると医局として出てくる情報のほとんどが大学教授を中心とした組織としての情報で、待機所としての医局というものが紹介されているページは組織としての医局の情報に埋もれてしまい非常に見つけにくくなっています。ご自身が快適な職場で働きたいと願っているのにこれでは情報収集がうまく行きません。
そこで活用していただきたいのが医師の転職サイトです。
こういったサイトには病院ごとの医局の情報が載っているところも多く、効率よく見つける事が可能となります。しかし転職サイトの利用はご自身に合った医局を見つけていく上で非常に重要なコンテンツであると言えますが、それでも自分の条件を全て満たした医局がある転職先を見つけるのは至難の業です。
そのような中でも医師転職ドットコムでは登録をしていただくと担当のコンサルタントがサイトには載っていない医局情報についてお伝えするだけではなく、先生方一人一人の希望をしっかりと理解した上で転職先をご提案をさせていただくので「自分で探す労力」がかなり軽減されると好評をいただいております。
その他にも効率的に探していただくために場合によってはコンサルタントが「条件の交渉」を病院と行うので、より快適な医局がある転職先をストレス無く探していただけるようになるかと思います。
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